この記事でわかること
QiQUMO活用事例60件の分析から導き出した、アンケート活用の7大パターン
市場・ターゲット理解型:旅行やEV車事例に見る、属性にとどまらない関心や利用場面の深掘り法
・案の比較・受容性検証型:商品コンセプト、デザイン、機能性表示食品などのアイデアを事前評価する手順
認知構造測定型と体験測定型:認知から行動までの変化追跡や、顧客・従業員の体験要素を分解するアプローチ
非行動者の解明型:Webログの「どこで止まったか」にアンケートの「なぜ止まったか」を重ねて離脱を防ぐ手法
一次データの対外発信型・学術研究用途:独自調査をプレスリリースや営業資料、論文発表へつなげる設計ノウハウ
アンケートは、市場や顧客のニーズを知ることにとどまらず、商品案の比較、認知度の測定、顧客体験の改善、離脱要因の解明、一次データを使った情報発信、学術研究など、幅広い場面で活用されています。
そして、何を明らかにしたいかによって、調査する相手や回答の集め方、設問の組み立て方も変わります。
本記事では、QiQUMOユーザー様の活用事例60件を分析し、どのような課題や判断のためにアンケートが使われているかという観点から7つのパターンに整理しました。それぞれの特徴や調査設計のポイントを紹介します。自社の課題に近いアンケートの使い方を探す際の参考にしてください。
1. 同じ業界でも、アンケートの使い方はさまざま
アンケートの活用方法は、調査で明らかにしたいことや、結果をどのような判断に使うかによって変わります。
たとえば、金融・保険業界におけるQiQUMOの活用事例を見てみると、いずれも顧客や消費者が「なぜ行動しないのか」「何を判断材料にしているのか」を把握しようとする調査でありながら、その進め方はそれぞれ異なっています。
生命保険に関する調査では、保険に加入していない人を対象として、その理由や加入を検討する際の条件を確認します。この場合、自社の顧客だけでは必要な対象者を十分に捉えにくいため、条件に合う人をモニターから抽出して調査する方法が使われます。
一方、地域金融機関の事例では、すでに取引のある融資先や地域の経営者を対象に調査を実施しています。メインバンクを選ぶ理由や、現在の金融機関に対する満足度などを聞くことで、日々の営業活動だけでは捉えにくい評価やニーズを確認しています。
資産運用アプリのようなサービスでは、登録したものの利用が進んでいないユーザーに絞って調査する方法もあります。自社サービスの利用状況から対象者を特定し、利用が止まった理由やつまずいたポイントを確認する考え方です。
対象者が市場全体なのか、既存顧客なのか、特定の行動をした人なのかによって、適した実施方法も変わります。モニターを利用するケースもあれば、顧客・会員などの保有リストに配信するケース、Webサイトやアプリなど既存の接点を利用するケースもあります。
さまざまなユーザー様の具体的な事例を見ていくことで、QiQUMOの使い方をより身近に感じていただけると思います。
2. 60の活用事例から見えた、アンケート活用の7つのパターン
QiQUMOの活用事例でご紹介しているユーザー様の調査内容を整理すると、アンケートの使い方は大きく7つの型に分けられます。
活用のパターン | どのような場面で使うか | 主な対象者の例 | 事例数 |
|---|---|---|---|
市場・ターゲット理解型 | 市場や見込み顧客のニーズ、関心、行動を把握する | 見込み層、市場全体 | 11件 |
案の比較・受容性検証型 | 商品、デザイン、コンセプトなどを公開前に評価する | 提示物を評価できる層 | 10件 |
認知構造の測定型 | 商品・ブランドの認知やイメージを把握する | 市場全体、対象市場 | 3件 |
既存関係者の体験測定型 | 利用者の満足度や体験、改善点を確認する | 顧客、会員、従業員など | 11件 |
非行動者の解明型 | 購入、利用、登録などに進まなかった理由を探る | 離脱者、未利用者、未行動者 | 6件 |
一次データの対外発信型 | 独自調査の結果を記事、広報、営業資料などに活用する | 市場全体、特定職種など | 16件 |
学術・研究用途 | 仮説検証や研究のために回答データを取得する | 研究条件に合う対象者 | 3件 |
7つのパターンについて、どのような課題に使えるのか、誰の何を確認するのか、どのような設問が使われているのかを、実際のQiQUMO活用事例とともに見ていきます。
3. 市場・ターゲット理解型|顧客の関心やニーズを企画・戦略に反映する
新しい商品やサービスを企画するとき、あるいは既存事業を新しい市場へ広げるときには、想定する顧客が何を求め、どのような基準で選んでいるのかを具体的に把握する必要があります。
「市場・ターゲット理解型」は、こうした顧客のニーズや関心、行動をアンケートで捉え、商品企画や販売戦略、ターゲット設定などの判断材料にするアプローチです。

3-1. ターゲットごとに「知りたいこと」を分けて調査する
旅行会社NR様では、QiQUMOを使って旅行先や旅行体験に対するニーズを調査しています。
「旅行について広く聞く」1本のアンケートにまとめるのではなく、大型連休の旅行先、シニア層の旅行スタイル、カップルに人気の旅行エリアと、テーマやターゲットに応じて調査を分けている点が特徴です。
大型連休の調査: 訪問希望地域、現地での活動、予算に応じた目的地選び
シニア層の調査: 宿泊施設の快適性、ゆとりのある旅程、趣味や歴史への関心
カップルの調査: 人気エリアに加え、雰囲気、SNS映え、特別感などの情緒的価値
単一の市場であっても、ターゲットによって関心の所在は大きく異なります。こうして得られたデータは、各層に特化したツアープランの策定やプロモーション戦略の立案に活用されました。
→ 旅行先の人気調査を実施!顧客ニーズを掴み新プランを企画した旅行代理店のQiQUMO利用事例
3-2. 属性の先にある関心や利用場面まで掘り下げる
ターゲットを理解する手掛かりは、年齢や性別などの属性だけではありません。
カーディーラーのA社様では、EV車に対する購入意欲、ドライブ愛好者が求める機能、安全機能への関心という複数の切り口で調査を行っています。
たとえばEV車については、購入意欲のほか、重視する要素や価格の許容範囲、充電インフラへの関心を設問として設定し、ドライブ愛好者には、長距離運転で求める機能や走行性能と快適性のバランスなどを確認しています。
このように、どの層に需要がありそうかを把握し、「何を重視しているのか」「どんな条件なら関心が高まるのか」まで掘り下げることで、販売時の訴求やプロモーションの具体化につなげられます。
→ カーディーラーがQiQUMOを活用して自動車の購入意識とニーズを把握!販売戦略に活かす顧客調査
3-3. 新規事業や新しい市場への展開にも使える
市場・ターゲット理解型は、既存商品のマーケティングはもちろん、新規事業の検討にも活用されています。
20~30代の若手会社員向けキャリア支援サービスを展開する株式会社KiiU様では、サービスローンチに向けて、市場動向や顧客ニーズ、自社サービスの評価を調査しました。
就労観、悩み、接触メディア、ニーズ、サービス評価などを幅広く確認し、結果をサービス改善や関係者間の認識共有に活用しています。
→ リサーチで市場動向や顧客ニーズを深堀り!サービスローンチにQiQUMOをご活用いただいた事例-株式会社KiiU
駐車場シェアリングサービスの事例では、新規エリアへの展開を判断するため、既存利用者と未利用者、主要都市と地方都市などを分け、利用シーンや価格感、利用をためらう要因を調査しています。
エリアごとの需要を捉えることで、どこへ事業を広げるかという判断材料にしています。
→ 駐車場シェアエコサービスが、新規エリア展開の市場調査でWebアンケートを活用
こうした調査では、最初に「どの市場を理解したいのか」「どの違いを比較したいのか」を整理しておくと、必要な対象者や設問が見えやすくなります。ターゲットを細かく分ける場合は、各グループの回答数も考慮し、分析に必要な比較軸から優先して設計することがポイントです。
市場をセグメントに分け、狙う顧客層や訴求方法を検討する考え方については、「STPの精緻化のためのアンケート活用」で詳しく解説しています。
また、新規事業で顧客と提供価値の適合を検証する場合は「PMFとは?新規事業の市場性を見極める」、市場規模や購買行動まで含めて調べたい場合は「市場規模・業界動向を把握するアンケートリサーチ」も参考にしてください。
4. 案の比較・受容性検証型|商品化・提案前のアイデアを評価する
商品コンセプトやデザイン、ネーミングなど、複数の案から方向性を決めたい場面でもアンケートが活用されています。
「案の比較・受容性検証型」は、検討中のアイデアやクリエイティブを実際のターゲットに提示し、どの程度受け入れられるか、案によって反応にどのような違いがあるかを確認するためのアンケートの運用方法です。
担当者の感覚だけで案を絞り込むのではなく、ターゲットの評価を開発や制作の途中に取り入れることで、次に進める案や改善するポイントを具体化できます。

4-1. 9つの画像パターンを分けて検証し、本実験の焦点を絞る
東京大学大学院農学生命科学研究科様の研究では、商品にカーボンフットプリントを表示したとき、日本の消費者がどのように反応するかを検証するためにQiQUMOが活用されました。
用意した画像は9パターン。100名への調査を9回に分けて実施し、それぞれ当日中に回答を回収できました。
この調査は、大きな予算を投じる本実験の前に行う予備実験という位置づけで、消費者の反応がラベルのデザインや位置によって変わることが確認され、本実験で検証するポイントを絞り込む材料になっています。
複数案を評価するときには、1人の回答者にすべての案を見せる方法と、案ごとに回答者を分ける方法が考えられます。この事例は、複数の提示条件を分けて検証し、その違いから次の調査設計を具体化した例です。
→ 画像9パターンに対する消費者の反応を当日中に回収!学術研究にQiQUMOをご活用いただいた事例-国立大学法人東京大学
4-2. 比較を繰り返しながら、案そのものを磨く
比較調査は、最終候補を1回で決めるというやり方のほかに、結果を受けて案を修正し、再び評価するという使い方もできます。
デザインオフィスA社様では、広告デザインのコンペに向けて、ターゲット層へのWebアンケートを実施しました。
まず既存デザインから受ける印象を調査し、結果から課題を抽出。その課題を踏まえて複数のデザイン案を制作し、ターゲットに対するABテストを複数回行っています。
消費者の評価を取り込みながらデザインを改善し、最終的にはアンケート結果を「なぜこのデザインを提案するのか」という根拠として企画書に落とし込んでいます。
→ デザインクリエイティブにWebアンケートで消費者の声を反映しコンペ勝ちした事例
4-3. 「魅力を感じるか」を商品化の判断材料にする
複数の案を比べるという方法以外に、検討中のコンセプトそのものがターゲットに受け入れられるかを確かめる調査も、この型に含まれます。
アンファー株式会社様では、新商品の検討段階で、女性の目元周りの悩みと商品コンセプトの魅力度を計測しました。検討していたコンセプトについて約8割が魅力的と回答したことを受け、実際の試作へ進んでいます。
→ 簡単操作で当日配信可能!商品開発にQiQUMOをご活用いただいた事例-アンファー株式会社
SBIアラプロモ株式会社様でも、開発中の機能性表示食品を対象としてコンセプトの受容性を調査しています。
健康が気になる40代以上の男女1,014名を対象に、健康関連用語の認知や日頃の意識・行動に加え、新商品のコンセプト評価と既存商品との比較評価を実施しました。
新旧コンセプトを比較した結果から改善ポイントを整理し、ターゲット設定や商品開発、マーケティング戦略の検討につなげています。
→ 機能性表示食品の新商品コンセプトの受容性調査をQiQUMOで低コスト実施!SBIグループ・SBIアラプロモ株式会社の事例
4-4. 何を比べるかに合わせて、評価方法を設計する
商品コンセプト、デザイン、パッケージ、ネーミングなど、提示するものによって評価したいポイントは変わります。
コンセプトテストであれば、内容の理解度、新規性、信頼度、魅力度、購入意向などが評価軸になります。
パッケージデザインでは、「目新しさ」「手に取りやすさ」のように改善したい要素を個別に評価したうえで、複数案の購入意向を比較する方法を取ります。
似た案同士の細かな差を比較したい場合には、A案とB案のように2つずつ提示して評価する「一対比較テスト」という手法も使われます。
ネーミングであれば、単純な好みのほか、商品コンセプトとの一致度やイメージ、覚えやすさなど、何を基準に候補を選ぶかによって設問を組み立てます。
比較調査では、「どの案が1位か」で終わらせず、「何が評価され、どこを改善すればよいか」まで確認できる設計にすることで、調査結果を次の制作・開発へつなげやすくなります。
具体的な調査票については、「実践、パッケージデザイン評価調査票の作り方」で、絶対評価と相対評価を組み合わせた設計例を紹介しています。ネーミングを検討する場合は「ネーミングテストにアンケートを活用するには?」も参考になります。
調査手法について詳しく確認したい場合は、用語集の「コンセプトテスト」、「一対比較テスト」、「ローテーション」もあわせてご覧ください。
5. 認知構造の測定型|「知っている」の先にある評価や行動を捉える
広告やプロモーションの効果を確認するとき、ブランドや企業がどの程度知られているかは重要な指標になります。
「認知構造の測定型」は、商品・サービス・企業などの認知状況を起点に、認知経路やイメージ、利用経験、購買意向などを段階的に把握するためのアンケート活用法です。

5-1. 同じ質問を繰り返し、認知度の変化を追う
特殊電極株式会社様では、テレビCMの効果を確認するためにQiQUMOで企業認知度を調査しています。
同社は個人投資家への認知や採用活動に課題を抱えており、兵庫・大阪でテレビCMを放映していました。一方で、それまで認知度を測る基準となるデータがなかったため、まず大阪府・兵庫県の15歳以上の男女を対象に、1問のみのアンケートを1,000サンプル回収。最初の調査を、その後の変化を見るための基準値としました。
その後も調査を続け、認知度が12%から16%まで上昇。この結果はCMを継続する判断材料として社内報告にも利用されています。
→ IR活動や採用への影響を検証したCMの効果測定|特殊電極株式会社の活用事例
認知度は、1回の数値だけを見るよりも、同じ条件で繰り返し測定することで変化を捉えやすくなります。広告出稿やキャンペーンなどの施策と調査時点を対応させれば、「施策の前後で認知がどう動いたか」を継続的に確認できます。
5-2. 認知からイメージ、利用状況へ段階的に掘り下げる
認知状況を確認した後、その先まで質問をつなげることで、マーケティング上の課題をより具体的に把握できます。
不動産系Webサービスを展開するF社様では、自社サービスの認知度と競合サービスとの比較を調査しました。
「自社サービスを知っているか」を確認したうえで、認知している人にはブランドイメージを質問。さらに利用経験がある人には、満足度や改善してほしい点まで掘り下げています。
認知 → イメージ → 利用経験 → 満足度・改善要望 |
という流れで回答者を分けることで、「知られていないこと」が課題なのか、「知っているが使われていない」のか、「使われているが評価に課題がある」のかを切り分けられます。
調査結果は広告の訴求ポイントや媒体選定に加え、サービス改善や新機能の企画にも活用されました。
→ 広告戦略〜プロダクト企画、効率化にアンケート活用した不動産サービスの事例
5-3. 認知していない人の反応も、次の施策につながる
広告代理店E社様では、シニア向け商材の広告施策を検討するため、ターゲットとなるシニア層の認知や購買心理を調査しました。
商材や競合商品を知っているかを確認し、認知している人には「何をきっかけに知ったか」「何が購買の決め手になるか」、認知していない人には「どのような利点があれば購入を検討するか」を聞いています。
このように認知者と非認知者で質問を分けると、認知者からは現在の認知経路や選択理由を、非認知者からは今後の訴求につながる条件を探ることができます。
得られたデータは、広告の出稿先やタイミング、出稿量、訴求内容を検討する材料としてクライアントへの提案に使われています。
→ シニア層の購買心理をWebアンケートで取得し活用した広告代理店の事例
5-4. 認知を測るときは「質問する順番」も設計する
ブランドの認知状況を把握するための設問方式には、「純粋想起」と「助成想起」の2つの方法があります。
純粋想起は、ブランド名などのヒントを示さず、特定の商品カテゴリから連想する名称を自由回答で聞く方法です。助成想起では、ブランド名や画像などを提示して、知っているものを選択してもらいます。
両方を調査する場合は、純粋想起 → 助成想起の順で質問します。先にブランド名を見せると、その情報が後の回答に影響するためです。
さらに、認知の後に利用実態まで確認する場合は、認知、購入・利用経験、現在の利用状況、ブランドイメージや満足度、今後の意向といった流れで設計できます。
具体的な調査票については、「ブランド認知・利用実態把握調査の作り方」と「ブランド認知・利用実態把握調査の作り方、3つのポイント」で詳しく紹介しています。
また、同じ方法で調査を繰り返し、蓄積したデータから評価の基準をつくる考え方については「ノーム値(ノルム値)とは」が参考になります。
認知からさらに踏み込み、ブランドと顧客との関係性を捉えたい場合は「アンケートを使ったブランドエンゲージメントの測定方法」もあわせてご覧ください。
用語については、「純粋想起(再生)」と「助成想起(再認)」でそれぞれ解説しています。
6. 既存関係者の体験測定型|利用者・会員・従業員の声から改善点を見つける
商品やサービスを実際に利用した人、店舗を訪れた人、コミュニティの会員、そこで働く従業員には、それぞれ実際の体験を通じて感じた評価があります。
「既存関係者の体験測定型」は、こうした自社と既に接点のある人にアンケートを行い、満足している点や不満、継続をためらう理由、改善してほしいことなどを把握することが目的です。
満足度を一つの数値にまとめずに、体験を構成する要素に分けて評価することで、「何を維持し、何を改善するか」を具体化できます。

6-1. 利用状況、満足度、離脱意向を組み合わせて見る
有料会員制オンラインコミュニティを運営するT社様では、会員がどのコンテンツを利用し、どのように評価しているのかを把握するためにQiQUMOを活用しました。
調査では、まず利用しているコンテンツを複数選択で確認し、それぞれの満足度を7段階で評価。さらに、価格への納得感、更新頻度、コメント・チャットなどのインタラクティブ性をマトリクス形式で聞いています。
そのうえで、「退会または休会を検討したことがあるか」を確認し、自由回答でその理由や継続してほしいコンテンツを聞く構成です。
利用状況 → 満足度 → 個別要素の評価 → 離脱意向 → 具体的な理由 |
という流れで質問することで、「満足度が低い」という結果から一歩進み、どの体験が離脱につながっているのかを特定できます。
調査結果では、コミュニティ全体の満足度が同程度でも、コンテンツごとの評価や価格への納得感には差があることが明らかになり、動画品質や更新頻度、商品ラインナップなどの改善を検討する材料として使われています。
→ オンラインコミュニティのコンテンツ満足度と離脱理由の“体感満足度”を、QiQUMOでリアルタイムで可視化した事例
6-2. 体験した直後の声を、店舗運営に反映する
満足度調査は、一定期間ごとにまとめて実施する方法以外に、顧客との接点にアンケートを常設し、継続的に回答を集める方法もあります。
地域密着で4店舗を展開する飲食チェーンR社様では、店舗の卓上にQRコードを設置し、来店客が注文の待ち時間や食後に回答できる仕組みを用意しました。
質問項目は、来店動機、料理の味、提供スピード、接客、店内の雰囲気、価格への納得感、再来店意向、改善要望などです。
全4店舗で月間450件以上の回答が集まり、店舗によって新規客とリピーターの比率が異なることや、特定店舗で提供スピードへの評価が低いことなどが見えるようになりました。
結果をもとに、ランチタイムのオペレーションやメニュー、店舗ごとの販促施策を見直しています。
→ 地方飲食チェーンが「顧客の来店動機」と「メニュー満足度」を可視化し、リピート率向上を実現したQiQUMO活用事例
6-3. 行動データだけでは見えない「なぜ」を補う
全国展開する書店T社様では、来店者やオンライン購入者を対象として、棚や店舗体験についてアンケートを実施しています。
書店ではPOSや売上実績から「何が売れたか」は把握できます。一方、「なぜ手に取ったのか」「なぜ探しにくかったのか」といった利用者側の体験は、購買データだけでは捉えにくい部分です。
関心のある書籍ジャンル、店内POPや推薦文、イベント、接客への満足度に加え、棚の並び方、新刊・話題作の網羅性、発見のある選書といった項目を評価してもらい、自由回答でも意見を集めました。
調査ではイベントへの評価が高い一方、棚の並びや選書への満足度には課題が見られ、自由回答からも「探している本が見つけづらい」といった声が得られました。
この結果を踏まえ、棚の構成や導線、店頭POPとWebの連携などを見直すことで、店舗運営の改善につながっています。
→ 「読まれる棚づくり」はデータで変わる──全国展開書店におけるQiQUMO活用事例
6-4. 改善後にもう一度測ることで、施策の効果を確認する
フィットネスクラブZ社様では、会員を対象にクラスや設備の満足度を調査しています。
クラス満足度調査では年間4回、設備満足度調査では半年に1回と、継続的に調査を実施。クラスの時間帯、インストラクター、器具、シャワーの待ち時間など、具体的な体験要素ごとの評価を把握しています。
課題を発見して終わるのではなく、改善施策を実施した後に再度アンケートを行っており、調査を起点としてPDCAを回す運用が根付いています。
このように、調査 → 改善 → 再調査というサイクルをつくることで、施策を実施したという事実の先にある、利用者の体験が実際に変化したかまでを確認できます。
→ 会員の声を直撃!QiQUMOで実現するフィットネスクラブの満足度調査とプログラム改善
6-5. 顧客はもちろん従業員の体験も測定できる
体験の測定は、顧客や会員だけが対象ではありません。
BtoB物流企業L社様では、長距離ドライバー、近距離ドライバー、倉庫スタッフ、事務スタッフなどの従業員を対象に、労働環境の満足度を調査しました。
労働時間、給与水準、休憩スペース、教育研修などをマトリクス形式で評価し、残業時間の数値入力や改善要望の自由回答も組み合わせています。
その結果、長距離ドライバーでは労働時間、倉庫スタッフでは給与水準など、職種によって評価の低い項目が異なることが明らかになりました。
全体の満足度だけを見るのではなく、「誰が」「どの体験要素を」低く評価しているのかまで分けることで、改善施策の優先順位を決める材料になります。
→ BtoB物流企業でQiQUMOを活用 ドライバー満足度と労働環境改善調査で“職種別課題”を可視化した事例
6-6. 総合満足度と個別評価を組み合わせて改善点を探す
既存関係者への調査では、「満足していますか」という総合評価と、その評価を構成する要素まで分けて聞くことがポイントです。
店舗であれば接客、品揃え、価格、待ち時間、店舗環境など、オンラインサービスであればコンテンツ、機能、使いやすさ、価格など、体験を構成する要素ごとに評価します。
自由回答を組み合わせれば、用意した選択肢だけでは捉えられなかった不満や要望を拾うことができます。
改善する項目の優先順位を検討する際には、総合満足度への影響度と各項目の評価を組み合わせる「CSポートフォリオ分析」も1つの方法です。
顧客満足度を構成する考え方については「お客様アンケートにおけるサービス品質の評価方法」、顧客の声を改善や商品開発につなげる方法については「アンケートを使った効果的なVOC(口コミ)の集め方」で詳しく解説しています。
また、従業員を対象とした調査では、回答しやすさや運用方法にも配慮が必要です。具体的な設計については「社内アンケートの作り方完全ガイド」も参考にしてください。
7. 非行動者の解明型|「なぜ次の行動に進まなかったのか」を明らかにする
商品ページを見たのに購入しなかった、サービスに登録したのに利用を始めなかった、問い合わせ後に商談へ進まなかった。こうした途中離脱の背景には、価格や機能、迷い、不安、手間、タイミングなど複数の要因があります。
「非行動者の解明型」は、購入・契約・利用・予約など、想定していた次の行動に進まなかった人を対象に、その理由や心理的な障壁を明らかにします。
Webサイトやアプリのログからは「どこで止まったか」を確認できます。そこにアンケートで得た「なぜ止まったか」を重ねることで、改善すべきポイントを具体化できます。

7-1. 行動ログと「本人の体感」を重ねて離脱理由を探る
総合型転職エージェントA社様では、登録者数が伸びる一方、初回面談設定率が3割弱と伸び悩んでいました。
この原因を特定するために、面談に進まなかった人を対象として、その背景をアンケートで検証しています。
システム上の行動記録の背景にある、本人がどのように体験していたかを明らかにすることで、顧客理解の解像度を高めることができます。
面談予約に進まなかった理由を複数選択で確認したところ、
連絡内容がテンプレート的に感じた:41%
急かされている印象があった:38%
まだ転職を決めていない段階だった:36%
紹介求人が多すぎて判断できなかった:27%
といった回答が得られました。
これに対し、初回連絡のスピード、希望条件の理解度、求人への納得感、担当者への信頼感の評価では、担当者への信頼感が平均2.4と低いという結果となりました。
「面談予約をしなかった」という一つの行動の裏側には、転職への温度感、接触方法への違和感、情報量、信頼感などさまざまな要因があることがインサイトとして得られています。
回答結果から「情報収集層」「慎重検討層」「他社進行層」に分類し、それぞれ異なるフォロー方法を検討することで、面談設定率の改善を図ることができました。
→ 転職エージェントが実施した、エントリー〜初回面談フェーズの満足度と離脱要因の可視化|QiQUMO活用事例
7-2. ログで分かる事実と、アンケートで分かる心理を組み合わせる
同じ考え方は、Webサービスやアプリの改善にも使われています。
マッチングアプリM社様では、マッチング成立後のメッセージ送信やデートまでの行動を分析していました。
アプリのログには、メッセージを送った時刻や通知の開封状況などが記録されます。アンケートでは、「最初のメッセージを送るまで、体感としてどれくらい時間がかかったか」を質問。さらに、マッチング精度、返信速度、デート調整のしやすさなどを評価し、自由回答で不便だった点も確認しました。
その結果から、初回メッセージを送る際の心理的な負担や、デート直前の日程調整の煩雑さなどが離脱要因として把握され、UI改善の検討につながっています。
→ マッチング〜デートフェーズの満足度と離脱要因を可視化したQiQUMO活用事例
ログとアンケートには、それぞれ異なる役割があります。
ログ:実際に何をしたか、どこで止まったか |
両方を組み合わせることで、行動と心理の関係を捉えやすくなります。
7-3. 調べたい「非行動者」に合わせて対象者を設定する
この型では、「誰を非行動者として調べるのか」を具体的に定義することが重要です。
金融・保険業界の事例では、対象者の設定方法が異なる2つのケースがあります。
ネット系生命保険会社A社様が調べたのは、20〜40代の保険未加入者です。自社の契約者情報だけでは対象となる未加入者を捉えにくいため、外部パネルから条件に合う人をスクリーニングし、1,000名規模で調査しました。
加入をためらう理由、専門用語の分かりやすさ、ネット契約への不安などを聞いた結果、社内で想定していた価格以上に、「自分に必要な保障の基準が分からない」という回答が多く得られています。
資産運用アプリC社様では、ユーザーの利用状況をもとに対象者を選定しています。
対象としたのは、アプリ登録から1週間以上経過しても口座開設を完了していないユーザーです。アプリ内と登録メールアドレスを通じてアンケートを案内し、「なぜ手続きを進めていないのか」「どの画面・ステップを最も高いハードルと感じたか」を確認しました。
結果として、本人確認書類の撮影・アップロードなど、具体的な手続き上の負担が離脱に関係していることが分かり、オンボーディングの改善につながっています。
→ 金融・保険業界における「顧客のインサイト」と「意思決定の障壁」を可視化し、戦略推進を実現したQiQUMO活用事例
7-4. 「行動した人」と比べると、障壁の違いが見えやすい
非行動者単体を見るだけでなく、実際に行動した人との違いを見る方法もあります。
美容D2CブランドB社様では、まず過去3か月以内に初回購入した顧客400名に調査し、「購入までの迷い」や「最後の一押し」を確認しました。
その後、自社商品を知らない人や、認知していても購入していない人を含む一般のスキンケア利用者1,000名にも調査を実施。
認知がどの段階で止まっているのか、購入に至らない理由は何か、どのような条件なら他社から乗り換えるのかといった実態を把握できました。
購入者には「何が最後の一押しになったか」、未購入者には「何が行動を止めているか」、この両者を比較することで、行動につながる要因と障壁をそれぞれ整理できます。
→ 「売れている理由」を顧客の言葉で再定義する。D2CブランドがCVRを1.2倍に引き上げた“言語化”のプロセス
7-5. 選択式で傾向を捉え、自由回答で理由を具体化する
離脱理由を聞くときは、想定される要因を選択肢として提示すると、どの理由が多いのかを定量的に比較できます。
そのうえで自由回答を組み合わせると、用意した選択肢では捉えきれない背景を確認できます。
たとえば、「面談に進まなかった理由」→「そのとき特に気になったことを教えてください」のように、選択式の回答を受けて理由を具体化する設計です。
自由回答を単に「ご意見があればお書きください」とするより、直前の回答にひもづけて「どの場面で」「何を感じたか」を聞くことで、改善につながる具体的な情報を得ることができます。
自由回答の設計については、「回答者の負担を減らし定性情報を引き出す自由回答アンケートの作り方」で詳しく解説しています。
7-6. 対象者の条件と、調査するタイミングをそろえる
離脱者や未利用者を対象にするときは、「いつの行動を対象にするか」も設計します。
たとえば、
直近1か月以内に購入を検討したが購入しなかった人
登録後1週間以上経過しても利用を開始していない人
過去半年以内に利用をやめた人
といった形です。
条件に合う対象者を市場から探す場合は、事前に利用経験や行動時期などを確認して本調査の対象を絞り込むスクリーニング調査を実施します。
詳しい条件設定については、「スクリーニング調査とは?条件設計・出現率の考え方とQiQUMOでの進め方」を参考にしてください。
調査対象を行動・経験からスクリーニングした事例として、旧UIと新UIの両方を一定期間利用した顧客1,000名に対象を限定し、変更前後の評価を比較した人事労務系SaaS様の調査が挙げられます。
→ 人事労務系SaaSがリニューアル効果をQiQUMOで可視化。ユーザーの“本音”を製品改善に活かした事例
8. 一次データの対外発信型|独自調査を「発信する情報」に変える
アンケートで得たデータは、商品企画やサービス改善などの社内判断に加えて、企業が外部へ発信する情報にも活用できます。
「一次データの対外発信型」は、自社で独自に調査した市場や生活者の実態を、プレスリリース、オウンドメディア、ホワイトペーパー、営業資料などで発信するという使い方です。
この型では、調査結果そのものがコンテンツの中心になります。 自社の主張をそのまま伝えるのではなく、「実際に何人がどう答えたのか」というデータを示すことで、自社が扱うテーマや課題を具体的に伝えることができます。

8-1. 専門領域の実態を調べ、自社だから発信できる情報をつくる
ノンデスク産業の人材・業務支援サービスを展開するX Mile株式会社様では、調査リリースやクライアントへの情報提供を目的としてQiQUMOを活用しています。
2025年には、20~60代のビジネスパーソン1,000名を、オフィス職500名と現場職500名に分けて働き方に関する調査を実施しました。
その結果、オフィス職の7割が「条件次第で現場職への転職もあり」と考えていることや、AIによる仕事の代替リスクを強く感じる層ほど現場職への関心が高まる傾向が確認されました。
このデータは調査リリースとして発信されると同時に、自社サービス「クロスワーク」のターゲットを検討する材料や、マーケティングの訴求メッセージ、営業資料・提案書にも活用されています。
自社の事業領域に関連する専門性の高い調査を行えば、その領域について独自に語れる一次データをつくることができます。
→ ニッチな職種サンプル収集の課題を解決し、自社サービスの訴求力を高める戦略データを取得|X Mile株式会社
8-2. 立ち上げ期の企業でも、データを軸に社会へメッセージを発信できる
シニアITエンジニア向けのマッチングサービス「レガシーフォース」を展開する株式会社モロ様では、事業立ち上げ期に全国の40~60代エンジニア600名を対象として調査しました。
調べたのは、何歳までエンジニアとして働きたいか、AIなど新しい技術を学ぶ意欲、今後のキャリアに対する不安などです。
結果から、定年後も働き続けたいと考える層や、新しい技術への関心を持つシニアエンジニアの存在が確認され、同社が進める事業の方向性を検討する材料になりました。
さらに、調査結果をもとにプレスリリースを配信し、IT・ビジネス系を中心とした複数のメディアで紹介されています。
この事例では、アンケートが事業仮説の検証と対外発信の両方に使われています。「社会にこういう課題がある」と企業が主張する代わりに、対象となる人の回答を通じて課題の存在を示すことで、立ち上げ期のサービスでも事業の背景を説明しやすくなります。
→ 600名の調査で見えた“シニアエンジニアの働く意欲”ー立ち上げ期の事業方向性を検証したQiQUMO導入事例|株式会社モロ(レガシーフォース)
8-3. 社会的なテーマを数字にすると、サービスの価値も説明しやすくなる
オンラインギフトサービス「GIFTFUL」を運営するGiftX様では、「好みではないギフトを受け取った人は、その後どうしているのか」という疑問から調査を企画しました。
全国の20~40代男女1,000名に調査したところ、過去1年以内に好みではないギフトを受け取った人は34%。そのうち29.2%に廃棄経験があり、約83%は好みではなかったことを贈り手に伝えていませんでした。
結果は「廃棄ギフト」という社会的なテーマとしてプレスリリースで発信され、消費者の実態を伝えると同時に、「受取手がほしいものに選び直せる」というGIFTFULの機能を説明する材料にもなりました。調査データはSEOコンテンツにも活用されています。
→ 「もらったけど、正直いらなかった。」──“廃棄ギフト”の実態を可視化し、ギフトの未来を問い直す|GIFTFULのQiQUMO活用事例
地域でモノやスキルを循環させるCtoCマーケットプレイスを運営するMC社様の事例では、全国1,200名を対象として都市と地方の意識・行動を比較しました。
地域とのつながりやモノ・スキルの共有について地域差を可視化し、結果を発信したところ、地方新聞やWebメディアなど10媒体以上に掲載されています。
→ 循環社会に関する地域と都市の意識ギャップ|CtoCマーケットプレイスのQiQUMO利用事例
8-4. 調査データをきっかけに、新しいメディアとの接点をつくる
調査リリースは、通常の企業広報では接点をつくりにくいメディアへ情報を届けるきっかけにもなります。
Webアプリケーションサービス「STAFF START」を提供する株式会社バニッシュ・スタンダード様では、20~49歳の男女200名を対象に「買い物に迷ったときの行動」を調査しました。
商品の購入時に参考にする情報源や人などを調べ、その結果をプレスリリースとして発信したところ、転載を含めて6メディアに掲載されました。その中には、それまで同社と接点がなかった媒体からの問い合わせによる掲載も含まれています。
企業そのものをニュースにするのではなく、自社の事業領域に関係する消費者行動をニュースとして提示することで、サービスを知る入口をつくった例です。
→ 広報・PR担当者が、数万円のWebアンケートで6件のメディア露出を獲得した事例
8-5. 発信する相手と論点を決めてから、調査を設計する
対外発信を目的とする調査では、アンケートを作る段階から「調査後にどのように使うか」を整理しておく必要があります。
誰に伝えるのか → どのような実態や課題を示したいのか → そのために誰へ何を聞くのか |
という順で考えます。
たとえば、業界の課題を伝えたい場合は職種や年代による違い、社会的な変化を取り上げたい場合は地域差や時系列の変化など、発信したい論点に合った比較軸を調査に組み込みます。
ここで重要なのは、望ましい結果になるよう質問を誘導することではありません。どのような結果が出ても解釈できるよう中立的に設問を組み立て、その中から明確な数字や差、想定とのギャップを発信材料として整理します。
公開時には、調査方法、調査期間、対象者、有効回答数、実施主体などの調査概要も明記します。データを営業資料やホワイトペーパーでも使う予定がある場合は、公開後の二次活用まで見据えて設問を決めておくと、一度の調査を複数のコンテンツへ展開できます。
調査結果をプレスリリースとして発信する具体的な流れについては、「調査リリースとは?作り方・書き方・成功のポイントをわかりやすく解説」で詳しく紹介しています。
営業やコンテンツマーケティングへの展開については、「営業資料・ホワイトペーパーの説得力はアンケートで変わる|一次情報がもたらす情報の価値」、広報でのアンケート活用については「広報担当者が押さえるべき市場調査とアンケート活用法」も参考にしてください。
9. 学術・研究用途|研究条件に合う回答者からデータを集める
大学の卒業研究や学術研究でも、仮説検証や特定集団の傾向を把握するためにアンケートが活用されています。
「学術・研究用途」では、研究目的に合わせて対象者の条件やサンプル数を定め、分析に必要な回答データを収集します。特に、研究対象が限定されている場合や、学生・研究室の予算や期限に制約がある場合に、セルフ型アンケートが選択肢になります。

9-1. 条件に合う対象者をスクリーニングして集める
江戸川大学 山本研究室様では、「就寝時の子守歌の歌いかけと乳幼児の睡眠問題との関連」を研究するため、乳幼児を養育する人を対象に調査しました。
まず、子どもを養育する20~49歳の男女6,000名に事前抽出調査を行い、「満1か月~35か月の子どもを養育している」と回答した300名を本調査の対象に設定。子守歌を歌う習慣や、寝つき、夜泣きなどの睡眠に関する項目を質問しました。
調査データは卒業研究としてまとめられ、日本睡眠学会で発表された後、学術誌への論文掲載にもつながっています。
→ 様々な制約がある中で確かなデータ収集を。QiQUMOで実現した卒業研究からの学会発表|江戸川大学 山本研究室の活用事例
9-2. 専門職など、限定された集団を研究する
愛知学院大学様では、日本国内で働くIT技術者を対象とした研究にQiQUMOを活用しました。
対象者をIT技術者に絞り、業務への考え方、日々の課題、キャリア観など約40問を1,000名に調査。目標とした1,000件の回答は1日で集まり、取得したデータをもとに論文を作成し、学会誌への掲載につながっています。
→ 愛知学院大学経営学部の気鋭の研究者がQiQUMOを活用!高精度リサーチで学会誌掲載を実現
9-3. 学術調査では「誰から、どう集めたか」まで研究設計に含める
学術研究では、研究目的に対して誰を対象とし、どのような方法で集めたデータなのかを説明できることが重要です。
研究目的が仮説検証なのか、特定集団の実態把握なのかによって、適したサンプリング方法や必要なサンプル数も変わります。また、質問文の妥当性、回答バイアスへの配慮、調査対象者への説明と同意、個人情報の扱いなど、研究倫理を含めた設計が求められます。
卒論や学術研究でアンケートを使う際のサンプリング、サンプルサイズ、質問設計、倫理面については、「卒論や学術調査でアンケートを活用するためのノウハウ」で詳しく解説しています。
アンケート活用のパターンと調査設計に関するFAQ
Q. 自社のWebサイトやアプリでユーザーの離脱が多い場合、アンケートはどのように役立ちますか?
A. アクセスログや行動データだけでは見えない「なぜ行動しなかったのか(心理的障壁やつまずいた点)」を明らかにするのに役立ちます(非行動者の解明型)。面談に進まなかった理由や、登録後に口座開設を完了しなかった理由などを具体的に尋ねることで、手続きの手間や情報不足といった離脱の真因を特定し、UI改善やフォロー体制の見直しにつなげられます。
Q. 調査結果をプレスリリースや営業資料などの「対外発信」に使う際、どのような点に注意して設計すべきですか?
A. 「誰に何を伝えたいのか」という発信の論点から逆算して比較軸(職種別、年代別、地域差など)をあらかじめ設計しておくことが重要です(一次データの対外発信型)。自社にとって都合の良い結果を誘導するのではなく、中立的な設問設計を保ちつつ、母集団や調査概要を明記することで、メディアや顧客からの信頼性を担保できます。
Q. 商品開発やデザインの検討で複数の案を比較したい場合、どのような評価手法が適していますか?
A. 単に「どれが好きか」という好みの順位付けで終わらせず、魅力度、目新しさ、購入意向といった複数の評価項目を個別に測定することが有効です(案の比較・受容性検証型)。全体にすべての案を見せる方法のほか、案ごとに回答者を分ける手法や2案ずつ比べる一対比較テストを取り入れることで、改善すべき具体的なポイントを浮き彫りにできます。
10. まとめ
QiQUMOの活用事例60件から見えてきたのは、アンケートの役割が単なる意見集約にとどまらず、事業推進における具体的な意思決定の根拠として機能している点です。
本記事で整理した7つのパターンは、それぞれ解くべき課題や調査対象、活用先が異なります。
市場・ターゲット理解型:顧客の潜在ニーズや関心を捉え、企画や戦略の解像度を高める
案の比較・受容性検証型:公開前のアイデアや制作物を評価し、開発方針を精緻化する
認知構造の測定型:認知から行動までの段階的な変化を追い、施策効果を可視化する
既存関係者の体験測定型:接点のある関係者の体験を分解し、具体的な改善ポイントを特定する
非行動者の解明型:行動に至らなかった要因や心理的ハードルを特定し、離脱を防ぐ
一次データの対外発信型:独自調査で社会や業界の動向を可視化し、発信力や提案の説得力を高める
学術・研究用途:条件に合う対象者からデータを取得し、仮説検証や研究成果の発表につなげる
アンケートを実施する際は、調査手法そのものを決める前に、まず「誰の、どのような認識や経験を確認し、どの判断に使うのか」という目的を定義することが重要です。
目的を明確にすることで、適切な対象者の抽出方法や設問の順序、評価軸の組み立て方が定まります。
自社の課題や検証したい仮説に応じて最適なパターンを選択し、意思決定の確度を高める調査設計に役立ててください。