一対比較テストとは|簡単解説
二種類を比較し優劣を確定させる調査
一対比較テストのカンタン語句解説
一対比較(いっついひかく)テストとは、一人の対象者に二種類の評価物(商品やサービスなど)を比較してもらい、優劣を確定させる調査です。
調査できるのは、ふたつの評価物だけでなく、複数種類の比較も可能です。複数の対象物を1対1で比較して、一対比較を評価物のペア数に応じて繰り返すことになります。
野球やサッカーなどのスポーツにおいて、総当たりのリーグ戦をイメージすると理解しやすくなります。
6チームがリーグ戦に参加している場合、すべてのチームが自チーム以外の5チームと対戦し、勝敗または引き分けという結果を出します。全チームの勝率、または勝ち数(負け数、得失点などを用いることもあります)によって、全体としての順位をつける方法です。
各ペアのうち、どちらが好ましいか、どの程度の好みかを比較します。パネル(回答者)の判断の一貫性を確かめる目的、趣向の傾向を調査する目的で利用することができます。
一対比較テストのメリット
- 判断が正確になされる
- 細かな差異について比較ができる
- 回答が容易になる
- 比較者が低年齢でも正確な比較がされやすい
- 類似度の高い比較でも実施できる
- 評価の矛盾が発生しにくい
一対比較は、複数ある対象物を1対1で比較し、対象物間の優劣順位を明確に把握する分析手法です。1対1の比較を繰り返すため、多くの中からひとつを選ぶのではなく、チーム(対象物)の特徴や好み、優劣に集中して優先順位をつけていくことが可能になります。
正確で細かな差異が反映される
複数の項目・対象物を一度に比較すると、必ずしも正確な比較になりません。対して一対比較テストでは、比較の対象物に集中できるため、細かな差異を識別することができ、回答者のイメージや意図を正確に調査することができるのです。
他の比較方法より回答が容易
比較テストを実施する場合、多肢選択法(複数の比較対象物からひとつを選択する)や評定尺度法(比較対象物について、数段階の点数をつけるなど)などの調査方法もあります。
一対比較テストの場合、「AとBのどちらが優勢か」というシンプルな問いなので、低年齢の回答者を対象とした調査でも、回答が得やすいメリットもあります。
比較調査の負担が軽いため矛盾が起きにくい
一対評価テストでは、比較する対象物がふたつに限定されるため、回答者は「ふたつの対象物のどちらが好みか」を選択するだけです。
比較評価の負担が少ないため、回答に矛盾が起きにくいこともメリットに挙げられます。
他の評価方法より優れている点
一対比較テストは、差がわかりにくい比較対象物(類似性が高い、ネーミングやデザインなど)の意思決定を行なう際に効果的な調査方法になります。「絶対評価」による比較や「順位法」での課題を払拭した調査が可能です。
複数の評価対象物をいっぺんに比較する相対評価の場合、見る順番などの影響で評価基準がぶれるリスクがありました。ひとつだけの対象物を評価する絶対評価では、競合他社の商品・サービスと比較されることが日常であることを勘案すると、偏った調査結果になるリスクがあります。
絶対評価に対する利点
絶対評価を評定尺度法で得たとしても、尺度に対する回答者の感覚が揃っているとは限らないため、同じ評価を受けた対象物同士の差が判別できません。
また「非常にそう思う」と「そう思う」などの選択肢における差が、すべての回答者の感覚が揃っていることは考えられないのです。
相対評価における利点
複数の対象物に順位付けして相対的な優劣をつける「順位法」は、順位付け自体は容易であっても、順位をつけるというやり方での相対評価は、順位間の優劣の差(1位と2位、2位と3位などの順位間の差1位と1位の差など)がどのくらいあるのかが把握できません。
評価対象物の類似性が高い場合、票を分け合ってしまう可能性も存在します。1対1の総当たり比較をすれば2位になった対象物が、微細な差によって1位に選ばれてしまうこともあるのです。
これらの問題点が懸念される場合において、一対評価テストが有効な調査手段となります。
一対比較テストが効果的なケース
一対比較テストは、微細な差に対しても識別できるため、類似度の高い対象物の比較でも、明確な優先順位をつけることが可能という特徴があります。
マーケティングリサーチやWEBアンケートで一対比較テストを実施する場合、以下のような場面で効果的な利用が可能です。
- 新商品・サービスのコンセプト決定
- Web広告・バナー広告のデザイン選定
- キャッチコピーやネーミング案の選定
- パッケージデザインの選定
- 商品のマイナーチェンジにおける好感度調査
- キャンペーンでのタレント選定
特にWebで実施する一対比較テストでは、比較対象物を視覚や聴覚、読後感で回答できる調査に向いています。ネーミングやキャッチコピー、デザインなどのクリエイティブ関係、テレビCMやキャンペーンで起用するタレントの印象調査などです。
複数案あるクリエイティブなどの選択肢から、総当たりで回答を得られる一対比較テストは、顧客の声を正確に調査することが可能になります。
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