【5ステップ】マーケット調査のやり方を解説!役立つフレームワークも紹介
商品やサービスの市場における需要や顧客のニーズを把握するためには、マーケット調査が必要です。しかし、調査の方法や規模を誤ると、膨大なコストや時間を費やしても得られる答えは限定的なものになってしまいます。
そこで、今回は効率的なマーケット調査のやり方について解説します。マーケット調査の方法を押さえ、ビジネスの成功の一歩を踏み出しましょう。
マーケット 調査(市場調査)を実施する方法
マーケット調査を実施する方法について、以下2つの方法があります。
社内で市場調査を実施する
社内でマーケット調査を実施する方法は、アンケート調査やインタビュー調査、デスクトップリサーチなどがあります。低コストで実施できるため、マーケット調査にコストを割けない企業でも実行可能ですが、ノウハウや人的リソースが必要です。
自社調査にはアンケート作成ツールがおすすめで、専門業者よりもコストを安く済ませられます。また、ツールによっては既存の顧客データとの連携やネットリサーチなどに展開することも可能です。
専門業者に依頼してマーケット調査を実施する
マーケット調査を外部の専門業者に依頼することも可能です。マーケット調査をすべて依頼すれば、社内の人的リソースを割く必要がなく、効率的かつ精度の高い調査を実施できます。
専門業者に依頼をする際は、自社の不足している部分を洗い出し、どこまで外部に依頼すればよいのかを見極めることが大切です。
専門業者に依頼するメリットは、ノウハウを有している外部サービスの利用によって、効率的に市場調査を進められる点です。また、場合によっては、自社のマーケティング情勢に関するアドバイスを受けられます。自社の目的や課題に合わせて、適切な専門業者を選択しましょう。
※マーケティングリサーチを依頼できる企業の選び方については、こちらの記事で解説しています。
【5ステップ】マーケット調査(市場調査)のやり方
マーケット調査は、マーケティング戦略の策定や商品開発に欠かせない手法です。ここでは5つのステップを紹介しながら、効果的なマーケット調査のやり方を解説します。
1.調査目的を明確にする
マーケット調査を実施する前に、課題や目的を明確化しましょう。マーケット調査の目的は、たとえば以下のようなものがあります。
- 市場分析:顧客のニーズやライフスタイル、購買行動、満足度などの基礎情報を収集することが目的
- アイデア創造・コンセプト開発:消費者のニーズや不満点を把握し、施策アイデアや商品コンセプトなどへ活かすことが目的
- コミュニケーション戦略の改善:消費者に行おうとしているコミュニケーションが、ターゲットに刺さるものであるか確認することが目的
- 商品評価:既存商品の場合は、問題点を探り改善への道筋を得ることが目的。新商品の場合は、コンセプトから実際に商品にしたときの受容性を確かめることが目的
目的が異なれば、調査方法も異なってきます。マーケット調査を実施する際には、どんな商品を誰に対して提供するのかを明確にして、調べたい項目を精査する必要があります。
目的やターゲットをできるだけ具体的に設定し、作業内容やスケジュールをまとめることが重要です。目的がはっきり定まっていると、マーケット調査がスムーズに進みます。マーケット調査がうまく進まない場合は、再度目的がはっきり定まっているかをチェックしてみるとよいでしょう。
2.調査方法を選定する
マーケット調査の方法を大きく分けると、定量調査と定性調査があります。
定量調査は、数値で表せるデータを集計・分析する調査手法です。代表的な方法には、ネットリサーチや会場調査、郵送調査、ホームユーステストなどがあります。
一方、定性調査は、インタビューや観察により得られた言語表現を分析する調査手法です。代表的な方法には、デプスインタビューやグループインタビュー、訪問観察調査、オンラインインタビューなどがあります。
それぞれの調査方法には特徴があり、目的に合わせて選択する必要があります。
3.調査の対象と範囲を決める
調査を行う際には、調査対象者を決めることが非常に重要です。調査目的や仮説を検証できるように、調査対象者の条件を検討する必要があります。
基本的な条件の例としては、以下のようなものがあります。
- 地域
- 性別
- 年齢
- 職業
- 世帯か個人か
- 商品やサービスに対する履歴など
また、調査対象者ごとに、どの程度のサンプル数を集めるか決める「割付設定」も行う必要があります。条件ごとに、十分なサンプル数を集めるように設定することが重要です。
サンプル数を決める際には、統計的な観点からどの程度の誤差まで許容できるかを考慮して、適切なサンプル数を決める必要があります。
4.調査を実施する
調査内容を決定し、アンケート調査やインタビューの質問内容を具体的に検討します。自作の調査票には思わぬミスがある可能性があるため、社員や周囲の人に回答してもらって、フィードバックを受けるのがおすすめです。
なお、以下に該当する場合は、調査会社に依頼するのが確実です。
- 自社の課題から調査設計に落とし込むのが難しい
- 調査に関する専門スキル・ノウハウが蓄積されていない
- 相手に直接コンタクトする手段がない など
5.集計・分析を行う
マーケット調査の目的は、調査結果を分析して、マーケティング施策や商品改良などの意思決定につなげることです。集めたデータを適切に分析し、意思決定につなげることで、ビジネス上の課題解決や成長を実現できます。
マーケット 調査(市場調査)で役立つフレームワーク5選
マーケット調査において成功するには、適切なフレームワークを使い、データを収集・分析することが重要です。ここでは、マーケット調査で役立つ5つのフレームワークを紹介します。
これらのフレームワークを活用することで、市場のニーズやトレンドを正確に把握し、ビジネス戦略の決定に役立てられます。
1.3C分析
3C分析とは、市場を構成する3つの要素である「顧客」「競合」「自社」を分析する手法です。この分析を通じて、効果的なマーケティング戦略を立案できます。
顧客については、どのような人たちで、どのようなニーズを持っているのかを把握します。競合他社については、現状の市場シェアや客観的な評価を調査し、自社については強み・弱みを客観的に評価します。
顧客の変化に応じて競合他社も対応を変えてくるため、これらを把握することが重要です。また、自社を客観的に評価して競合他社と比較すると、市場における自社の立ち位置が見えてきます。
2.PEST分析
PEST分析は、以下4つの要素を分析するフレームワークです。
- Politics:政治
- Economy:経済
- Society:社会
- Technology:技術
政治や経済、社会、技術のマクロ環境がどのように変化しているかに注目すると、潜在ニーズやリスクを発見できます。たとえば、政治動向や景気動向によって顧客のニーズが変化する場合があるため、これらの把握がマーケティング戦略につながります。
3.SWOT分析
SWOT分析は、以下の4つの要素を分析するフレームワークです。
- Strength(強み):自社の強み、長所【内部環境】
- Weakness(弱み):自社の弱み、短所【内部環境】
- Opportunity(機会):社会・市場の変化で受けるプラス効果【外部環境】
- Threat(脅威):社会・市場の変化で受けるマイナス効果【外部環境】
これらの要素を整理すると、自社が市場内でどのような立ち位置が最適なのかが分かります。
機会とは、経済の成長率や好景気などに影響される集客機会です。脅威は、競合店舗の増加や成長、不景気などのマイナス要素を指します。
SWOT分析によって、自社がどこに多くのリソースを割くべきかを判断できるため、マーケティング戦略の優先順位の正しい設定につながります。また、危機的状況に陥った際の想定がしやすくなるため、迅速な対処とリスクの軽減も可能です。
4.ファイブフォース分析(5F分析)
ファイブフォース分析(5F分析)は、以下5つの要素を分析するフレームワークです。
- 競合他社の脅威
- 新規参入の脅威
- 代替品の脅威
- 買い手の交渉力
- 売り手の交渉力
上記の脅威は、自社の売上に影響を与える可能性があります。
ファイブフォース分析を行うと、自社と競合他社を比較し、戦略的な判断を下すことが可能です。
たとえば、市場において自社がシェアのほとんどを独占している場合は、業界内の競合他社から受ける影響は少なくなります。買い手や売り手の交渉力が高まると、利益が減る可能性があるため、値下げや値上げ、新たな付加価値の提供などの対応が必要です。
代替商品がある場合は、差別化を図ることで自社の商品価値を高め、市場全体におけるシェアを維持する必要があります。新規参入者が増えると、パイの奪い合いになり、利益が減少する可能性があるため、市場における自社の立ち位置を見直すことが大切です。
5.4P分析
4P分析は、以下4つの要素を分析するフレームワークです。
- Product:商品・サービス
- Price:価格
- Place:販売場所・提供方法
- Promotion:販売促進
これらの要素を決定する際には、自社の強みや競合を考慮することが重要です。
具体的には、まず自社の商品やサービスを分析し、その強みや競合優位性を明確にします。次に、価格を決める際には、自社の商品やサービスの付加価値や需要と供給の関係を考慮し、競合他社の価格と比較して適正な価格を設定します。
販売場所や提供方法を決める際には、ターゲット顧客のニーズやライフスタイルを考慮し、最適な販売チャネルを選択しましょう。販売促進活動を行う際には、自社の商品やサービスの魅力を伝える広告やキャンペーンを展開し、顧客の購買意欲を高めます。
マーケット 調査(市場調査)を行う際の注意点
マーケット調査は、ビジネスの成功に欠かせない重要な要素です。しかし、十分な準備をせずに調査を行うと、結果が正確でなく、無駄なコストがかかることがあります。以下では、マーケット調査を行う際の注意点を3つ紹介します。
1.仮説を立てて検証する
マーケット調査を行う際には、仮説を立ててから調査を行いましょう。仮説とは、調査したいことに対する仮の答えや予想です。
仮説がしっかりと立てられる場合は、定量調査で全体の状況を把握し、定性調査でより深堀りしていきます。
一方、仮説が不安な場合は、定性調査でキーワードを拾い上げてから定量調査を実施すると分析がしやすくなります。
2.バイアスに注意する
バイアスとは、調査対象者による回答の偏りを指します。これが生じると、正確な情報収集ができず、適切ではない判断を招く恐れがあります。
具体的には、誘導バイアスとタイトルバイアスがあります。
誘導バイアスとは、調査における質問が回答を誘導させている状態です。たとえば、「最近大豆ミートはヘルシーと注目されていますが、あなたは大豆ミートダイエットにどの程度興味がありますか?」という質問があったとします。
これだと、冒頭の「最近大豆ミートがヘルシーと注目されていますが、」という部分によって回答者に「興味がある」という回答を誘導してしまいます。誘導バイアスを防ぐためにも、質問内容はシンプルに聴取したいことのみを記載することが大切です。
タイトルバイアスは、調査やアンケートに設定したタイトルによって回答を誘導させることです。たとえば、「幅広いシーンで役立つ冷凍食品のアンケート」と題した調査を行うと、タイトルを見ただけで回答者は先入観を持ってしまい、意図しない回答をしてしまう可能性があります。
3.コストと所要時間を想定する
マーケット調査を行う場合、調査規模に応じてコストや時間が大きく変化します。
たとえば、40人に対して30分の対面調査を行う場合、約20時間の時間が必要です。それに加えて、調査に関わる人の人件費も考慮する必要があります。
また、アンケート調査を郵送で行う場合は、人数に応じた郵送料を予算に組み込む必要があります。インターネット調査でも同様に、調査開始から結果が得られるまでの時間を考慮する必要があります。
つまり、マーケット調査を行う際には、調査規模や調査方法、調査目的に応じたコストや時間の見積もり、費用対効果の考慮、そして必要なサンプル数の決定が必要です。これらを十分に把握して計画を立てることで、効率的かつ正確なマーケット調査を実施することができます。
自社でマーケット調査(市場調査)を行うならアンケートツールの活用がおすすめ!
マーケット調査は、商品やサービスを提供する企業が、消費者のニーズやトレンドを把握するために行う必要不可欠な作業です。調査規模に応じて、コストと時間が大きく変わるため、費用対効果を意識した調査を行いましょう。
自社でマーケット調査を行う際は、規模にもよりますがアンケートツールの活用がおすすめです。
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