Webアンケートツールの用途別選び方

webアンケート機能を持つツールはGoogleフォームのようなオフィススイートのほか、ワークフロー管理ツール、MA(マーケティングオートメーション)ツールなどさまざまな種類のものが各社から提供されています。

それ以外にも、主に調査会社が提供するセルフ型アンケートツールでは、登録モニター(パネル)からアンケートのサンプルを集めることができます。

webアンケートを実施する場合にはそれぞれのwebアンケートツールの特徴を理解しアンケート調査の目的に適したものを選ぶことが重要です。

webアンケートツールの種類について解説するとともに、代表的なアンケートツールを紹介します。

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webアンケートツールの基本機能

webアンケートツールの基本的な機能は以下の3つです。

  1. webページのアンケートフォームを作成する。
  2. アンケートフォームのwebページを配信する。
  3. 回答結果を集計する。

1.アンケートフォームの作成

アンケートフォームではMA(複数回答)やスケール選択、順位を付ける回答などさまざまな回答形式を設定する必要があり、webアンケートツールは質問に合わせた回答形式を設定する機能を持っています。

各社のwebアンケートツールのなかには、典型的なアンケートのテンプレートが用意されているものもあり、アンケートに関する知見・経験が少ない場合には役に立ちます。

2.アンケートフォームの配信

webアンケートツールを選ぶ際、最初に考えなければならないのが企画するアンケートの調査対象が「誰か」ということです。

顧客満足度調査であれば自社の顧客アカウント、従業員満足度調査であれば自社の社員のアカウントがアンケートフォームの配信先になります。

年代別のブランドの認知度を知りたい場合や地域別に特定のサービスの利用経験を知りたいといった場合は不特定多数の消費者・生活者からサンプルを集める必要です。

顧客満足度調査のような顧客や会員を対象とする場合は、顧客管理ツールやマーケティングツールに親和性の高いwebアンケートツールが求められます。

従業員満足度調査のような組織やグループを対象とするアンケートを行う場合は、グループウェアやワークフロー管理ツールなどの社内システムと連携するwebアンケートツールが適しています。

不特定多数を調査対象とする場合には、登録モニター(パネル)からサンプルを集めることができるwebアンケートツールが現実的な選択肢です。

3.集計機能

アンケートを調査会社に依頼した場合、統計的手法にもとづく高度な分析を集計結果から得ることができます。

それに対し、webアンケートツールが提供する集計機能は、回答結果を足し合わせた単純集計を基本とし、その結果をグラフ表示できるといったものがほとんどです。

webアンケートツール単体でクロス集計の機能を持っている場合は、男女別・年代別など特定の属性を指定して集計することができます。単純集計の結果しか出力できないものは、別途ローデータをダウンロードしてエクセルなどで独自に集計を行わなければなりません。

ローデータが出力できるものであれば、独自にデータを加工して集計結果を活用することができますが、それに応じた知識が求められるとともにデータ集計の手間もかかります。

顧客や会員を対象とするアンケートに適したwebアンケートツール

顧客や会員を対象とするアンケートは、顧客からの評価を改善につなげることや営業活動や問い合わせなどを起点として販売に結びつけるためのツールとして活用されます。

このような種類のアンケートを実施する場合は、顧客情報を扱うシステムと親和性が高いwebアンケートツールが適しています。

CREATIVE SURVEY(クリエイティブサーベイ株式会社)

CREATIVE SURVEY(クリエイティブサーベイ株式会社)

「アンケート・コミュニケーション・プラットフォーム」という位置づけで、アンケートによる顧客の声をビジネス改善に活かすことを目的としたwebアンケートツールです。

営業支援システムSelsforceと接続することでアンケートの結果をリアルタイムでSalesforceのダッシュボードに表示させるなど、セールスプロセスのなかにアンケートを組み込むことが可能です。

直感的な操作を前提としながら条件分岐などアンケートに必要な設定が可能であり、MAツールと連携させたアンケートの自動配信や回答終了のタイミングで次のアクションを設定するといった機能が盛り込まれています。

Synergy!(シナジーマーケティング株式会社)

Synergy!
Synergy!(シナジーマーケティング株式会社)

Synergy!ではCRM(顧客管理システム)の主要な機能のひとつとしてアンケートを実施できます。アンケートの回答結果を顧客データベースと紐付けて顧客行動を追跡するなどの分析が可能であり、顧客情報を最大限に活かすための仕組みが構築されています。

管理画面からリアルタイムに集計結果を確認でき、クロス集計にも対応しています。また、データのエクスポートも可能です。

Tayori(株式会社PR TIMES)

Tayori(株式会社PR TIMES)

プレスリリース配信サービスのPR TIMES社が提供するカスタマーサポートツールです。フォーム、FAQ、アンケート、チャットの4つの基本機能を持っています。

アンケートフォームの公開期間設定や回答定員数の設定が可能なほか、iframeでwebページに埋め込むこともできます。クロス集計には対応していませんが、CSVの出力は可能です。また、無料プランでも回答数に制限がない点は他社にない利点です。

組織やグループを対象としたアンケートに適したwebアンケートツール

組織やグループなどクローズドな範囲を対象として実施されるアンケート調査は、組織のパフォーマンス評価やメンバーのモチベーション向上、組織課題の解決などを目的とします。

このような種類のアンケートの場合は、調査対象者や閲覧権限の柔軟な設定や透明性のあるコミュニケーションを実現できることが求められます。

kintone(サイボウズ株式会社)

kintone(サイボウズ株式会社)

kintoneはサイボウズ社の業務アプリ構築サービスです。kintoneはメールやエクセルなどの業務アプリケーションや個別の業務システムでやり取りされる情報を統合・管理し、業務アプリとして運用することができます。

その機能のひとつとしてアンケート機能が備えられ、フォームの各パーツとなるフィールド(項目)からアンケートの回答形式を選びアンケートを作成します。

kintone単体でアンケートフォームを配信できるのはkintoneの同一ドメインのアカウント所有者のみですが、フォームブリッジというサードパーティ製のアプリケーションと連携させることで、アンケートフォームを外部に公開することが可能です。

HRサーベイ(株式会社シーベース)

HRサーベイ(株式会社シーベース)

社内を対象にアンケート形式のフォームを利用する機会として挙げられるのが、従業員満足度調査や360°評価、ストレスチェックなどの人事関連の調査です。これに特化したアンケートを作成できるのが株式会社シーベースが提供するHRサーベイです。

人事関連の調査では、人事評価や組織分析に特化した構造化された質問項目を設定する必要がある点や個人スコアの管理が重要視される点が、母集団の定量化を目的とする他の種類のアンケートとは異なります。

導入に合わせて人事コンサルティングの専任コンサルタントの伴走型サービスが提供されます。

Live!アンケート(bravesoft株式会社)

Live!アンケート(bravesoft株式会社)

オンラインのミーティングや授業、イベントが開催されているなかで、同時接続する参加者からの投票結果をリアルタイムに共有するためのWebアンケートツールです。

主催者側と参加者とのインタラクションのためのツールであり、当事者意識やエンゲージメントを醸成しコミュニケーションを活性化する効果をもたらします。

アンケート、Q&A、クイズの3種類のフォームを参加者へ配信し、リアルタイムの回答結果を表示させることが基本的な機能です。

無料プランでは同時参加者数600人、アンケート数4件まで利用できます。

マーケティングリサーチに適したwebアンケートツール

マーケティングリサーチのためのアンケート調査では、商品やサービスのターゲットと想定される特定の属性を持つ不特定多数から調査対象を選ぶ必要があります。このような種類の調査をwebアンケートツールを使って行う場合、必要なサンプル数を集めることが課題となります。

ネットリサーチ会社はアンケートに回答することでインセンティブを得ることを目的に登録したパネルを組織しており、マーケティングリサーチを目的にwebアンケートを行う場合はパネルにアンケートを配信することでスムーズにサンプルを集めることができます。

QiQUMO(株式会社クロス・マーケティング)

QiQUMO(株式会社クロス・マーケティング)
QiQUMO(株式会社クロス・マーケティング)

QiQUMOはネットリサーチ大手の株式会社クロス・マーケティングが提供するセルフ型のwebアンケートツールです。

クロス・マーケティングが保有するパネル541万人を対象に、7つの属性情報を組み合わせてアンケートを配信が可能です。さらに、「コーヒー好きの人」など、調査対象の条件を絞り込んでアンケートを実施したい場合には、事前抽出アンケートを行うことでアンケート調査の精度をより高めることができます。

設問数 ✕ 回収数 ✕11円(税込)の完全従量課金制で、1,000サンプルの規模のアンケートであれば1〜2営業日が調査完了の目安とされ、低コストかつ短期間のアンケート調査が実現します。

国内を対象とするQIQUMOに加え、海外21カ国のパネルを対象にアンケートを取ることができるセルフ型アンケートツールGlobal QIQUMOも用意されています。

事前抽出アンケートは、1サンプル ✕ 5.5円(税込)設問数は5問まで、Global QIQUMOは10問 ✕ 100サンプルで80,000円から利用できます。

QIQUMOはパネルを対象とするアンケートのほか、顧客満足度調査や従業員満足度調査などにも使うことができる、汎用性の高いwebアンケートツールです。

webアンケートツールは調査の目的に適したものを選ぶ

webアンケートツールは手軽さや低コストが強調されがちですが、それだけでは有効かつ効果的なアンケート調査を実施することはできません。

この記事で紹介したように「誰を」調査対象とするアンケートかによってwebアンケートツールに求められる条件が異なります。webアンケートツールはどんなアンケートの種類を想定して作られたものかを吟味して選ぶ必要があります。

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