単純集計とは|簡単解説

単純集計の意味とは

単純集計のカンタン語句解説

単純集計は各質問にどれくらいの人が答えたのかや、その質問に答えた人たちの回答比率・平均値、各選択肢の内訳などを集計する手法です。基本的なアンケートの集計方法で、Grand Totalの頭文字を取って「GT集計」とも呼ばれます。

単純集計とは

単純集計は、分析をする前に必ずといってもいいほど使用される、アンケート集計方法の基本です。回答者数や各選択肢の内訳などを集計できるため、全体の傾向を把握できます。

集計や結果の解釈がシンプルで見やすい特徴がありますが、分析ミスや解析ミスも起こりやすい方法であるため、単純集計だけでマーケティング施策を行なうのはおすすめできません。

以下では、単純集計の設問例とアウトプット例を紹介します。

単純集計の設問例

単純集計は、以下の例のように選択肢がある質問の結果を集計する際に活用されます。

質問内容選択肢
あなたは結婚していますか?はい/いいえ
あなたの職業を教えてください。会社員/公務員/自営業/会社役員/自由業/専業主婦/学生/パート・アルバイト/無職
あなたの好きなスイーツを教えてください。ケーキ/パフェ/団子/おはぎ/チョコレート/かすてら/アイスクリーム
新商品に対する気持ちの中で最も近いものを選択してください。非常に興味がある/やや興味がある/どちらともいえない/あまり興味がない/まったく興味がない
男性が美容のための行動をすることは何だと思いますか。清潔感を保つため/身だしなみを整えるため/きれいになりたいから/若く見せたいから/モテたいから/楽しいから
単純集計が可能な設問例

単純集計のアウトプット例

単純集計はエクセルもしくは、アンケートツールの分析機能などで行なわれるのが一般的です。

集計結果は単純集計表で表し、シングルアンサー(SA)やマルチアンサー(MA)の質問の結果をまとめたものや、複数の質問を表にしたマトリクス質問の結果をまとめたものがあります。

たとえば、以下のような質問があったとします。

Q. ボランティアにどのように取り組みましたか?

とても積極的/少し積極的/あまり積極的ではない/積極的ではない/経験していない

これを集計すると、以下のように表すことができます。

回答人数(名)割合(%)
とても積極的〇〇名△△%
少し積極的〇〇名△△%
あまり積極的ではない〇〇名△△%
積極的ではない〇〇名△△%
経験していない〇〇名△△%
質問の内容をそのまま集計した場合のアウトプット例
回答者人数(名)割合(%)
経験者〇〇名△△%
未経験者〇〇名△△%
経験者か未経験者にわけて集計した場合のアウトプット例
集計/年度2017年度2018年度2019年度2020年度2021年度2022年度
2017年度2018年度2019年度2020年度2021年度2022年度
積極群(%)△△%△△%△△%△△%△△%△△%
回答者数(名)〇〇名〇〇名〇〇名〇〇名〇〇名〇〇名
各年度の結果を集計した場合のアウトプット例

上記のように、選択肢の内容のみを集計するのではなく、データから読み取れることを項目分けしてまとめることも可能です。

アンケートの設計・企画段階で、アンケート実施の目的や仮定を明確にしておくと軸が定まるため効率よく進みます。

クロス集計との違い

クロス集計は、カテゴリーデータを2つ以上かけ合わせて集計することです。

たとえば、気温や駅からの近さ、料理提供のスピードなどのデータが、どれほど集客数に影響しているのかを分析できます。

また、2つ以上のデータを組み合わせるため、クロス集計表には表の上側に表頭(ひょうとう)と表の左側に表側(ひょうそく)があるのも特徴です。

なお、クロス集計を行なう際はまず単純集計を行ない、全体を把握したうえで質問ごとの内訳を確認していきます。

単純集計の注意点

単純集計を行なう際は、サンプル数に注意が必要です。サンプル数が少ないと、統計としての信頼性が低下したり分析結果が偏ってしまったりします。

なお、必要なサンプル数は「標本誤差早見表」を見て求めるか、もしくは「標本サイズ計算ツール」を使用するのがおすすめです。

標本誤差​​早見表とは、一部の標本を無作為抽出して得られた結果に、どの程度の誤差が生じるのかをまとめたものです。

標本誤差とは|簡単解説

標本誤差とは?わかりやすく解説 標本誤差とは、調査結果の数字が母集団値とどれだけ食い違っているかを表すものです。 単純な式で表すと、「標本誤差」=「標本値」ー「…

表の横軸の「サンプルサイズ」と、縦軸の「回答割合」がそれぞれ交わるデータを読み取ると、どれくらいの誤差が生じるのかを把握できます。

標本誤差をどの程度まで許容するかによって、必要となるサンプルサイズが変わりますが、標本誤差が5%におさまるように設計すると、統計上は十分意味があると言われています。

標本サイズ計算ツールを使うと、母集団のサイズと信頼水準(%)、許容誤差(%)を入力するだけで必要なサンプルサイズがわかります。

単純集計のまとめ

単純集計は、アンケート集計の基本となる集計方法です。

クロス集計を行なう際も、最初に単純集計を行なって全体の傾向を把握してから項目ごとの細かいデータを見ていきます。

エクセルで集計を行なう方法もありますが、アンケートの実施から集計・分析までの一連の流れをスムーズに実施したい方は、アンケートツールを活用してみてはいかがでしょうか。

弊社が展開しているセルフ型アンケートツール「QIQUMO(キクモ)」は、ドラッグ&ドロップでアンケート作成から分析までをワンストップで行なえます。アンケート調査にかかる時間やコストを下げたい場合は、ぜひ一度ご利用ください。

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