複数回答(MA)とは|簡単解説

複数回答の意味とは

複数回答(MA)のカンタン語句解説

複数回答(MA Multiple Answer)とは、アンケート調査で使用される設問形式の1つです。回答者は、複数の選択肢からあてはまるものをいくつでも選べます。ただし、回答者が複数の選択肢を選んだ場合に回答内容に矛盾が生じないよう、注意が必要です。調査会社やセルフ型ツールで実装されている場合が多いので、設定をしっかりと行ったうえで利用しましょう。

複数回答(MA)の概要解説

複数回答(MA)とは、1つの質問に対して複数の選択肢を用意し、あてはまるものを全て選んでもらう形式です。

たとえば、「日常でよく食べる冷凍食品をすべて選んでください」というような質問形式が複数回答に該当します。回答数に制限をつけない場合もあれば、「3つまでお選びください」と、回答数を指示をする場合もあります。

一つひとつの選択肢が長すぎたり、選択肢の数が多すぎると回答しにくくなる(選択肢をしっかり吟味してくれなくなる)ため、適切な選択肢数を設定することが大切です。

なお、あてはまるものがひとつもない場合もあり得るため、「ひとつもない」という選択肢も用意した方が良いでしょう。

インターネットを用いたアンケート調査では、チェックボックスを用いて表示されることが一般的です。

複数回答(MA)の例

複数回答の例は以下の通りです。

Q1.あなたが好きな果物をすべて選んでください。
選択肢:りんご、バナナ、みかん、いちご、ぶどう、メロン、キウイ、パイナップル、ひとつもない

回答:りんご、バナナ、いちご
Q2.あなたが旅行に行く際、必ず持っていくものをすべて選んでください。
選択肢:パスポート、現金、クレジットカード、スマートフォン、タブレット、洋服、靴、日焼け止め、ひとつもない

回答:パスポート、現金、スマートフォン、日焼け止め
Q3.あなたが普段よく利用するSNSをすべて選んでください。
選択肢:Twitter、Facebook、Instagram、LINE、TikTok、YouTube、Pinterest、ひとつもない

回答:Twitter、Instagram、YouTube

複数回答(MA)をエクセルで集計する方法

複数回答の集計手順を例を用いて解説します。たとえば、以下のような質問があったとします。

Q1. あなたが普段使用するSNSをすべて選択してください。

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE
  • TikTok
  • ひとつもない

この質問に対する回答を集計する手順は以下の通りです。

1.回答データをエクセルに入力します。

たとえば、以下のような回答データがあったとします。

AさんFacebook, Twitter, Instagram
BさんFacebook, LINE
CさんTwitter, LINE, TikTok
DさんInstagram, LINE
EさんTwitter, TikTok

2.回答データを表にまとめます。

回答データをエクセルの表にまとめます。各回答者の回答を1行に記入し、各SNSの回答を1列に記入します。

3.エクセルの関数を使って集計します。

回答データを表にまとめたら、エクセルの関数を使って集計します。

たとえば、Facebookの回答数を集計する場合は、以下のような関数を使用します。

「=COUNTIF(B2:B6, "✓")」

これにより、表の2行目のB列からE列までのセルで、「✓」が入力されているセルの数がカウントされます。このようにして、各SNSの回答数を集計することができます。

他の質問タイプとの違い

調査を行う際には、様々な質問タイプを用いることがあります。ここでは、複数回答と同様、アンケート調査によく用いられる質問タイプを紹介します。

単一回答

単一回答(SA Single Answer)は、回答者が複数の選択肢から1つだけ選択する形式です。

たとえば、「ひとつだけお選びください」や「最もあてはまるものをお選びください」などの質問が該当します。

おもなアウトプットデータには、100%円グラフや100%帯グラフなどがあります。おもな用途は、評価の尺度や意思の程度、利用や体験のステータス(経験の有無・回数・頻度・金額・契約状態など)、利用や体験の時期などです。

自由回答

自由回答(FA Free Answer、または、OA Open Answer)とは、アンケートや調査などで回答者に自由に記述してもらう形式です。自由回答のおもな用途は、直前の質問の回答理由や、体験エピソード、サービスに対する要望などです。

質問文は、「選んだ理由をご自由にお書きください」「お客様のご要望をお聞かせください」のような表現が多く、回答者の考えや思いを知ることができます。回答の観点をある程度制御したい場合は、質問文に補足を入れることも可能です。

自由回答の主なアウトプットデータは、フリーアンサーリストです。また、回答内容を要素別にコードをふってデータ化して集計するパターンもあります。

自由回答の注意点は、回答を書くことが面倒に思われてしまう可能性があることです。選択肢から選ぶよりも負荷の大きい質問形式なので、本当に必要な箇所に絞って採用するようにしましょう。

まとめ

複数回答とは、アンケートで1つの質問に複数の回答を選べる形式のことです。回答者にとっては選択肢の幅が広がり、質問者にとってはより詳細な情報を得られるメリットがあります。ただし、選択肢の数が多すぎると回答者が選択しにくくなるため、適切な選択肢数を設定することが大切です。

アンケートの選択肢をすべて紹介

本稿では複数回答(マルチアンサー)について解説しました。アンケート調査を有効に活用するためには、知っておかなければならない他の回答形式の種類、選択肢の作り方があります。こちらの記事『アンケート調査の設計:質問票の回答形式と適切な選択肢の作り方』をぜひ参考になさってください。

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