多変量解析とは|簡単解説

多変量解析の意味とは

多変量解析のカンタン語句解説

多変量解析とは、クロス集計だけでは理解しにくい複雑なデータに対して、複数の変数を一括して処理する方法です。多変量解析は特定の分析方法を指すのではなく、3つ以上の変量に基づいて、予測、判別、分類や統合を行う統計手法の総称です。

多変量解析の基礎知識

多変量解析は、さまざまな分析手法の総称であるため、目的によって使い分ける必要があります。

多変量解析の目的は、データをもとに将来を予測する「予測」と集めた複数のデータを共通項でまとめる「要約」の2つに分けられます。

この2つの目的によって適している分析方法が異なるため、分析を行なう前に目的を明確にすることが大切です。

解析の目的 目的変数 説明変数
量的データ 質的データ
予測 量的データ 重回帰分析 数量化Ⅰ類 コンジョイント分析
質的データ 判別分析 ロジスティック回帰分析 数量化Ⅱ類
要約 なし 主成分分析 因子分析 クラスター分析 多次元尺度法(MDS) 数量化Ⅲ類 コレスポンデンス分析
質的データとは|簡単解説

質的データの概要 質的データはデータを分析の観点から分類したデータの種類のことであり、単位を持つ数値として表される数量データ以外の情報のことです。データを統計的…

量的データとは|簡単解説

量的データと質的データの違い データの種類は主に「量的データ」と「質的データ」の2つに分けられます。 量的データは数量として意味を持ち、足し算や引き算といった演算…

多変量解析で解決できることの例

ここでは、多変量解析でわかることを例を交えて解説します。

例1.とある商品の売上をアップさせたい

多変量解析は、とある商品の売上をアップさせたい場合の戦略を立てる際に役に立ちます。

たとえば、広告費と販売員数数、売上金額を多変量解析すると、広告費を1万円かけた場合や販売員数を10人増やした場合の売上への影響を予測できます。

何がどれくらい売上に影響するのかを把握できるため、マーケティング戦略を立てやすくなります。

例2.新店舗の出店場所を決めたい

多変量解析を行なうと、特定の地域の人口動態やライバル店の売上金額、土地価格、賃料などのさまざまなデータから最適な出店場所を探せます。

その他にも、以下のようなことを多変量解析によって解決可能です。

  • アンケートの結果から自社の強み・弱みを把握したい
  • AとBどちらが売上につながるのか予測したい
  • 人気が高い商品の共通点を知りたい など

多変量解析の種類

以下では、多変量解析のおもな種類を目的別に紹介します。

予測を目的とするときの分析方法

​​​​​​予測を目的とするときのおもな分析手法は以下の2つです。

重回帰分析

重回帰分析は、複数の説明変数から1つの目的変数を予測する分析方法です。

1つの説明変数から1つの目的変数を予測する分析方法は、単回帰分析と言います。

たとえば、顧客の総合満足度(目的変数)を商品単価や駅からの距離、店員数、面積などの複数のデータ(説明変数)から求める場合が重回帰分析です。

一方で、売上高を駅の平均降車率で求める場合や、家賃の金額を面積のみで求める場合などは単回帰分析に分類されます。

結果が具体的な数値で示されるため、売上予測やプロモーション戦略などに役立ちます。

判別分析

判別分析とは、グループ分けされているデータがどのような基準で分けられているのかを解析し、分類されていないデータがどのグループに属するかを予測する方法です。

顧客・購買情報をもとに、新商品を購入する可能性の高い顧客かどうかを判別したい場合や、ある顧客におすすめの商品はどれかなどを知りたい場合に活用できます。

要約を目的とするときの分析方法

要約を目的とするときのおもな分析方法は以下の4つです。

主成分分析

主成分分析は、複数の項目を計測したデータをより少ない指標や合成変数に置き換える手法です。

たとえば、飲みごたえや炭酸の強さ、甘さなど(観測変数)から味の総合評価(合成変数)を求めたい場合などに活用されます。

結果は、総合評価のランキングやポジショニングマップなどで出されるのが一般的です。

コレスポンデンス分析

コレスポンデンス分析は、データ結果を散布図にして見やすくする分析方法です。

数量化されたデータをコレスポンデンス分析すると視認性が高まり、カテゴリー間の関係や類似性を把握できます。

コレスポンデンス分析については、こちらの記事で詳細に解説しています。

クラスター分析

クラスター分析は、さまざまなものが混ざっている集団の中から似たもの同士を集めてグループに分ける分析手法です。

分類の形式は、「階層的方法」と「非階層的方法」の2つがあります。階層的方法は最も近いデータ同士を順番にまとめていき、途中の過程が階層のようになる方法です。

一方で非階層的方法は、あらかじめいくつのクラスターに分けるかを決めてサンプルを分けていく方法です。階層的な構造は持ちません。

クラスター分析について詳細の解説をこちらで行なっていますので、併せてご覧になってください。

因子分析

因子分析とは、集められた結果(変数)を少数の潜在変数に要約する方法です。因子分析を行なうと、各変数の中から共通している因子を探し出すことができます。

主成分分析と似ている方法ですが、主成分分析が観測変数をもとに主成分を合成して新たに作り出しているのに対して、因子分析は変数の背景要因を発見するという特徴があります。

多変量解析のまとめ

多変量解析とは、複数の変数を持つデータをもとに、変数間の相互関係を分析する統計的技法(重回帰分析や主成分分析、コレスポンデンス分析など)の総称です。

主な用途は、予測を行うときや要約を行うとき。ビジネスの売上予測や最適な出店場所の把握など、実践的な活用ができます。

分析結果をマーケティング施策につなげるためには、目的に合わせた分析を行なうことが大切です。