標本誤差とは|簡単解説

標本誤差の意味とは

標本誤差のカンタン語句解説

標本誤差とは、標本を使って母集団を推測する際に生じる誤差のことです。標本誤差の大きさは抽出数が多いほど小さくなり、母集団内の個別データのばらつきが少ないほど小さくなります。標本誤差は、標本調査において起こる誤差であり、全数調査には存在しません。

標本誤差とは?わかりやすく解説

標本誤差とは、調査結果の数字が母集団値とどれだけ食い違っているかを表すものです。

単純な式で表すと、「標本誤差」=「標本値」ー「母集団値」となります。しかし、標本値も抽出される標本によって左右されるため、これは標本誤差の大きさそのものを示す式とはなりません。

標本誤差が大きくなると、推測した母集団のパラメーターに対する信頼性が低下し、推測結果の精度が低くなります。

たとえば、ある商品の売上を調査する場合、全国すべての店舗の売上を調べることは不可能です。そこで、ある一定数の店舗から標本を抽出し、その標本から全体の売上を推測します。

しかし、サンプルサイズや標本の抽出方法などによって推測値が異なることがあり、このような誤差を標本誤差と呼びます。

ほとんどの場合、母集団の真の値がわかっていないため、標本誤差を厳密に評価することが不可能です。代わりに、標本誤差のおおよその範囲を判断するために別の指標である「標準誤差(Standard Error)」を使います。

標本(サンプル)について図解付きで解説

標本(サンプル)とは|簡単解説した記事はこちらからご確認ください

統計における標本(サンプル)とは、母集団から抽出した一部のデータを指します。母集団から標本を抽出することを、「標本抽出」または「サンプリング」と言います。

https://qiqumo.jp/contents/dictionary/3140/

標本誤差を減らす方法

標本誤差が大きいと、標本調査結果の信頼性が低くなり、母集団全体に対する正確な推論や予測が困難になります。

では、どうしたら標本誤差を減らせるのでしょうか。ここでは、標本誤差を減らす具体的な方法を4つ紹介します。

1. サンプルサイズを増やす

標本調査において、標本の中のデータ数を増やせば増やすほど、誤差は減っていきます。

というのも、サンプルサイズが大きくなると標本平均値が母平均に近づき、標本平均値の分布が正規分布に近づくためです。

2. 標本抽出方法の改善

サンプリングは、母集団から一部を抜き取って調査することです。そのサンプリングの方法を改善することで、標本誤差を減らすことができます。

適切なサンプリング方法の1つが、自分の意図を含まずに無作為にデータを取る「ランダムサンプリング」です。

たとえば、ある商品の評価を調べる場合、SNS上のレビューを集めることがありますが、そのSNSの利用者層によっては偏った評価が集まる可能性があります。そこで、よりランダムな抽出方法を採用することで、より正確な評価を得られます。

3. 適切なサンプルサイズを考える

調査結果の信頼性を高めるためには、適切なサンプルサイズが必要です。

サンプルサイズを決定するためには、「標本誤差早見表」または「標本サイズ計算ツール」を使用するのをおすすめします。

標本誤差早見表は、母集団の大きさと標本誤差を入力すると、必要なサンプルサイズを計算できます。

標本サイズ計算ツールは、母集団のサイズと信頼水準、許容誤差を入力するだけで必要なサンプルサイズの計算が可能です。

一般的に標本誤差が5%におさまるように設計すると、統計上は十分意味があると言われています。

ただし、最終的には調査予算とも照らし合わせて、適切なサンプルサイズを決定する必要があります。

まとめ

標本誤差とは、全体の集団から一部の標本を取り出し、その標本の結果から全体の集団の特性を推測する際に生じる誤差のことです。

誤差が大きいほどデータの信頼性が低くなります。標本誤差を減らす方法としては、サンプルサイズを増やすことや標本の抽出方法を改善すること、適切なサンプルサイズを考えることなどが挙げられます。

調査への知見や経験が少ない場合は、専門家のアドバイスを仰ぐのがおすすめです。