質問間クロス集計とは|簡単解説

質問間クロス集計のカンタン語句解説
質問間クロス集計とは、回答者属性以外の設問同士をかけ合わせる集計方法です。回答に対する相互関係を知ることができ、より深い分析ができます。
クロス集計とは
クロス集計は、2つ以上の設問をかけ合わせて集計する方法です。単純集計ではわからない設問間の相互関係や、属性ごとの回答傾向などを知ることができます。
質問間クロス集計
質問間クロス集計は、回答者属性以外の設問同士をかけ合わせる集計方法です。
「使用頻度×購入意向」や「購入経路×購入価格」のように設問同士をかけ合わせると、「このような習慣のある人はどのような傾向にあるのか」や「習慣の違いによって購入率にどのような違いが生まれるのか」などのようなことがわかります。
多重クロス集計
多重クロス集計は、3つ以上の設問をかけ合わせて集計したものです。たとえば、以下のようなケースが多重クロス集計に該当します。
- サービス満足度について性別と年代をかけ合わせる
- 商品の購入意欲度を性別と職業でかけ合わせる
- 従業員満足度を年齢と年収でかけ合わせる など
クロス集計をする際に覚えておきたい用語
クロス集計を行う際は、クロス集計表を用います。ここでは、クロス集計表で使用される用語を紹介します。
<クロス集計表のイメージ図>
表頭・表側
表頭(ひょうとう)は、表の横軸を指し、表側(ひょうそく)は表の縦軸を指します。
上記の表では、「興味がある」「どちらとも言えない」「興味がない」と記載されている列が表頭、「10代」「20代」「30代」と記載された列が表側に該当します。
度数(実数)
度数(実数)とは、何人がそのように回答したのかを表す数字です。
上記の表を例にすると、「興味がある」と回答した10代の度数は110、「興味がない」と回答した20代の度数は5となります。
割合(比率)
割合(比率)とは、何%がそのように回答したのかを表す数字です。
縦軸における割合は「縦%表」、横軸における割合は「横%表」と呼ばれます。クロス集計表で用いられているのは一般的に「横%表」です。
nとN
同じエヌですが、小文字n数と大文字N数では、統計学上の意味が異なるため注意が必要です。
N数はサンプルサイズ、n数はサンプル数を意味し、母集団の大きさを表す際は大文字の『N』、その母集団から得たサンプルの数を表す時は小文字の『n』をそれぞれ使います。例えばスタッフ500人の企業で、無作為に100人を選んでアンケート調査を行った場合、『N=500』『n=100』となります。
n数/N数についての解説は、こちらの記事で詳細に行なっていますのでご覧ください。
質問間クロス集計を行う方法
質問間クロス集計は、専用の集計ツールがありますが、簡易的な内容であればExcelに搭載されている集計機能の「ピボットテーブル」でも行うことができます。ここでは、具体的な手順を紹介します。
1.各設問の回答を表にまとめておく
まずは、各設問の回答を項目ごともしくは回答者ごとに整理します。この際に有効回答と無効回答を分ておくと、集計結果にズレが生じにくくなります。
2.Excelのピボットテーブルを起動させる
Excelのピボットテーブルを起動させる手順は以下のとおりです。
- メニュータブの「挿入」から「ピボットテーブル」を選択する
- 集計するデータの範囲を選択する
- ピボットテーブルを作成するワークシートを選択する
- 「OK」をクリック
すると、以下のような作業フィールドが表示されます。
3.集計するフィールドを「行」「列」「値」それぞれにドラッグする
ピボットテーブルのフィールドを編集します。
上部の「フィールド名」という箇所にチェックリストが表示されるため、集計したい項目をクリックします。
クリック後は、下部に表示されている「フィルター」「列」「行」「値」にドラッグアンドドロップして完了です。
クロス集計を行う際の注意点
クロス集計を行う際は、一定以上のサンプル数を集める必要があります。
というのも、サンプル数が不十分だと、統計としての信頼性が低下したりかけ合わせた項目の度数が小さくなりすぎたりするためです。
クロス集計は、かけ合わせる情報が多くなるにつれ、一つひとつの項目の回答者数が減少していきます。そのため、分析する軸やかけ合わせるデータは、アンケート調査票を作成する前に検討しておきましょう。
質問間クロス集計のまとめ
質問間クロス集計とは、回答者属性以外の設問同士をかけ合わせる集計方法です。
「使用頻度×購入意向」や「購入経路×購入価格」のように設問同士をかけ合わせると、「このような習慣のある人はどのような傾向にあるのか」や「習慣の違いによって購入率にどのような違いが生まれるのか」などのように、回答に対する相互関係を知ることができます。
サンプル数が少なすぎると、統計としての信頼性が低下したりかけ合わせた項目の度数が小さくなりすぎたりするため、クロス集計を行う際は一定以上のサンプル数を集めましょう。
