時系列データとは|簡単解説

時系列データのカンタン語句解説

時系列データとは、毎日の売上金額や、来客数、株価などの時間的な変動を持つデータのことです。同じく時間に関するデータに「点過程データ」がありますが、両者は異なるものです。

時系列データとは

時系列データとは、時間に着目したデータです。特定の時間間隔(年・月・日など)で測定された結果の集まりです。

同じく時間に関するデータに「点過程データ」がありますが、こちらはある事象が発生した場合に時間とともに計測する方法です。主にヒストグラム(度数分布表)で表されます。

時系列データの変動の要素

時系列データが変動する主な要素は、トレンドと循環変動、季節変動、不規則変動の4つです。ここでは、それぞれの要素について詳しく解説します。

1.トレンド

トレンドは長期的な変動傾向のことです。売上や人口の推移、GDPの成長など、大きな傾向を捉える際に活用します。

たとえば売上の伸びを観察する場合は、1日ごとのような短期的なデータではなく、1か月や1年などのある程度の期間に記録されたデータを分析します。

というのも、商品を販売していると、とある商品がメディアで話題になった場合は商品がよく売れ(上昇トレンド)、ブームが冷めると徐々に売上が落ちる(下降トレンド)のような変動があるためです。

データを長期的に見て、上昇(増加)傾向なのか、それとも下降(減少)傾向なのかを捉えます。

2.循環変動

循環変動は、周期的に繰り返される変動です。たとえば、遊園地は平日よりも休日のほうが混雑する傾向にあり、これは週ごとの循環変動を示しています。

3.季節変動

季節変動は、季節ごとの変動です。四季の季節的な変動に加えて、1年間の周期や月別・週別の周期なども季節変動に含まれます。

たとえば、アイスクリームは気温の高い夏によく売れ、冷蔵庫や電子レンジなどの家電は新生活が始まる春によく売れます。

このように、季節ごとに繰り返される変動を季節変動と言います。季節変動のスパンは、月や週~1年間ほどの周期が用いられます。

4.不規則変動

不規則変動とは、先述したトレンドや循環変動、季節変動では説明できない不規則な変動のことです。

たとえば、会社が不祥事を起こしたことで株価が暴落したり災害によって売上が大きく下がったりした場合などが該当します。

時系列データの解析方法

時系列モデルの基本的な考え方は、過去の値を説明変数として、現在の値を式で表します。統計学的に表現すると「現在の値を過去のデータから回帰する」といいます。

代表的には5つのモデルがあります。そのうち、「移動平均法」と「指数平滑法」の2つを詳しく解説します。

移動平均法

移動平均法とは、時系列データの平均値の区間をずらしながら求める方法です。

移動平均法を用いると、全体的な変動がわかりにくいデータでも、上昇傾向もしくは下降傾向なのかがなめらかなグラフで一目でわかるようになります。

Excelを使用して移動平均を求める方法は以下の通りです。たとえば、以下のようなデータがあったとします。

1.メニューバーから「データ」をクリックし、「データ分析」→「移動平均」の順でクリックする

2.対象のデータを選択する

3.「グラフ作成」を選択すると、以下のようなグラフが表示されます。

指数平滑法

指数平滑法は、時系列データのうちより新しいデータに大きなウェイトを置く予測方法です。

Excelを使用して移動平均を求める方法は以下の通りです。たとえば、以下のようなデータがあったとします。

「12」を予測したい場合、「=FORECAST.ETS(L5,B3:L3,B2:L2)」を入力すれば完了です。「=FORECAST.ETS(予測したい期日の数値、結果の数値、期間の数値)」を入力します。

時系列データを解析してわかること・できること

時系列データを解析すると高度な予測が可能で、業務効率化にもつながります。

将来の予測が可能

時系列データを解析すると、過去のデータに基づいた精度の高い将来予測が可能です。たとえば、過去と現在の気温を比較すると、その年1年の傾向を予測できます。

需要予測もできるため、必要在庫数の把握と最適化が可能です。在庫抱えすぎや在庫切れなどが引き起こりにくくなり、コスト削減と売上アップにもつながります。

また、担当者の勘や経験に頼らないため予測の精度が高く、時代の流れが早い現代では導入が必須と言えるでしょう。

業務効率化につながる

先述の通り、時系列データを解析すると担当者の勘や経験に頼らずとも精度の高い予測ができるため、業務効率化につながります。

属人化も防げ、仮に担当者が異動や退職をしても業務がブラックボックス化しません。引き継ぎをスムーズに行え、一定のサービスを保てます。

データマーケティングによって業務効率化を目指す場合、専門のリサーチ企業への相談もご検討ください。

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