n数とは|簡単解説
n数とはサンプルサイズのこと
n数のカンタン語句解説
n数とは、統計学やマーケティングリサーチの際に用いられる言葉で、『サンプルサイズ』を意味します。例えば、5000人の学生から100人を対象にアンケート調査を行う場合、n数は100となり、n=100と表現されます。
語句の概要
n数は、バラツキのあるデータから、数値上の性質や規則性を見いだす統計学の用語です。統計的手法は、データの要約や解釈を行う際に役立つため、ビジネスシーンなど幅広い分野で応用されています。
n数はnumberの略
n数の『n』はnumber:数字・ナンバーの頭文字をとったものです。n=xという数式で、調査するサンプルの数がx人(件、個)であることを示します。
n数を増やすとは
実験やアンケート調査で、データの信頼度を高めたい場合に、調査するサンプルの数を増やすことを「n数を増やす(エヌ増し)」と言います。
街頭アンケートの際に、n=100からn=500に増やすと言った場合は、調査人数100人のアンケートから、500人へのアンケートに調査規模を増大させることになります。n数を増やすメリットは、調査の偏りが少なくなり、データの正確性が高くなることです。
逆に「n数を減らす」という場合は、調査スピードやコストを重視してサンプル数を減らすことを意味します。
n数とN数の違いについて
同じエヌですが、小文字n数と大文字N数では、統計学上の意味が異なるため注意が必要です。母集団の大きさを表す際は大文字の『N』、その母集団から得たサンプルの数を表す時は小文字の『n』をそれぞれ使います。
例えばスタッフ500人の企業で、無作為に100人を選んでアンケート調査を行った場合、
N=500
n=100
となります。
サンプリングで使われる場合の意味
ある母集団(N数)から一定数(n数)を抽出することをサンプリングといい、その一定数の固まりのことをサンプルサイズといいます。また取り出したn数の固まりの個数を、サンプル数と呼びます。
サンプル数とサンプルサイズの違い
サンプル数=何回標本抽出を行ったか / 群数、標本数
サンプルサイズ=1回の標本抽出において何個体を調べたか
サンプリング(標本調査)とは
母集団全てからデータを取得(全数調査)するのは、人的・時間的・経済的コストが必要になるため、対象となる母集団の中からサンプルを抽出し、母集団全体の性質や傾向を予測する市場調査の方法を、サンプリング(標本調査)と言います。
調査手段としてはインターネット・対面・郵送・電話調査などがあります。
■サンプリングが行われる例
顧客満足度調査
自社の商品・サービスに対する顧客の満足度を調査するもの。通称CS調査。
街頭アンケート
調査員が路上で調査対象者に対して、アンケートやインタビューを行う調査手法。
視聴率調査
モニターとなった世帯のテレビで、どの時間帯に何の番組を視聴したのかを計測する調査。
商品の品質チェック
製品が本来持つべき特徴、性能を満たしている状態か否かの確認調査。
これらのサンプリングにおいて、母集団から抽出するサンプルの数がn数です。
標本調査におけるサンプルサイズの決め方
TV番組で行われる街頭100人インタビューと、友達10人に聞いてみた(個人調べ)を比べると、同じ内容について調査をしても、得られる情報の信頼度に差異があることは一目瞭然です。
では、マーケティングリサーチやアンケート調査を行う際、n数はどのように決めるのが良いのでしょうか。
n数が増えるほど、母集団の実態に近い情報を得ることが可能ですが、リサーチにかかる労力と、求める精度のバランスを考えなければなりません。
母集団の性質を、偏りなく反映した調査を行う為には、信頼水準や許容誤差を定め、適切なn数を選択することが重要になります。
許容誤差とは:「調査結果と母集団の実態が、どの程度異なっているか」という誤差の許容範囲
信頼水準とは:サンプリングの結果が許容誤差の範囲内で収まる確率
n数の抽出方法
同じ数のサンプルを集めた場合でも、その集め方によって、得られる情報に偏りが生じることがあります。
町内に住む1000人の母集団の中から、100人にアンケート調査を行う場合、ランダムに100人を選ぶのと、100人を年齢や属性に分類したあとで、各層ごとで無作為に選ぶのでは、同じn=100でも結果に違いが生じます。
抽出方法には、単純無作為サンプリング、層別サンプリング、多段サンプリングなどがあります。
n数のまとめ
n数は、統計学でサンプル数を意味する用語で、numberの頭文字から名付けられています。「nイコール数字」で表現されますが、数式がサンプル数を示すときは小文字のエヌを用いることが一般的です。
市場調査では、n数を適切に設定したサンプリングを行なうと、全数調査よりも少ないコストで母数の実体に即したデータを手にすることが出来るため、データ収集の重要な指標とされています。
マーケティングリサーチの際に用いられるビジネス用語としてn数を理解し、活用することで、アンケートや品質調査において、効果的にデータを収集することが可能になります。