加重平均(ウエイト平均)とは|簡単解説

加重平均(ウエイト平均)のカンタン語句解説

加重平均(ウエイト平均)とは、数値の重みを考慮して平均値を出すことです。データの数を全て足してから割る、一般的な平均の求め方では値が偏ってしまう場合に用いられます。

ウエイト平均(加重平均)とは、一般的な平均を求める方法では値が偏ってしまう場合に用いられる平均の算出方法です。以下では、ウエイト平均(加重平均)の概要と使われる場面、使用例を解説します。

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ウエイト平均(加重平均)の概要

数値の重みを考慮して平均値を求める算出方法です。ときには「重みつき平均」と言われることもあります。売上の金額やアンケートの統計など、より正確な平均値を求めたい場合に便利です。

ウエイト平均(加重平均)が使われる場面

ところでウエイト平均(加重平均)が使われる主な場面は以下の通りです。

  • 売上原価の計算
  • 売上や年収の計算
  • 利用頻度(回数)の計算
  • クラス別平均点の計算
  • 平均年齢の計算 など

すなわち上記の例の中で、数をかぞえきれない/数量が混在している場合に使用されます。

ウエイト平均(加重平均)の使用例

加重とは「重要なものに重みを加える」こと。重みを加味して計算した平均が加重平均です。言葉だけでは難しそうに感じるので、ラーメン屋の1日の売上を例にしてみましょう。

なお、深夜に調べている人のために、ラーメンの画像は控えめにしておきました。それでは、一般的な加重平均の例ーラーメン屋の1日の売上に例えると……をどうぞ召し上がれ。

一般的な加重平均の例

商品名価格1日の販売数
醤油ラーメン600円10食
味噌ラーメン700円20食
麻婆ラーメン800円30食

という条件で、1日に売れたメニューあたりの平均売上を求める際に、

醤油ラーメン600円+味噌ラーメン+700円麻婆ラーメン800円=2,100円

3メニューの合計額2,100円/3=700円とするのは誤りです。1食あたり売上数が異なり、メニューの売上を合計し3で割っても、1日のメニューの平均売上とはいえません。

加重平均を利用した重みづけ具体例

そこで加重平均を利用し、数の多い味噌ラーメンと麻婆ラーメンに重み付けをします。

1日で販売したメニューの数は、10食+20食+30食=すなわち60食

よって、全販売数の中のメニューごとの販売数は「醤油ラーメン=10/60」。「味噌ラーメン=20/60」。「麻婆ラーメン=30/60」となります。

加重平均を利用した重み付けの計算式は以下です。

醤油ラーメン:10×600  +

       10+20+30

味噌ラーメン:20×700

       10+20+30 +

麻婆ラーメン:30×800

       10+20+30 = 44,000/60=733円

これで価格が高く販売数の多いメニューに重み付けをました。1日に販売したメニューの平均金額は733円であることがわかります。

単純平均の700円と比較し、販売数の多い高額なメニューに重み付けしたことで、平均額が5%程度上昇しました。これが加重平均による算出方法です。

アンケート調査における加重平均の例

ラーメンの例のように「●食売れた」といった重みがあるものはその数字を使用すれば計算ができます。

例えば商品A・B・Cの満足度を「満足〜不満足」の5段階評価で聞いたとき。どれが一番満足度が高いか比較したいときにはどうしたらよいでしょうか。

実際のアンケート調査における加重平均を理解いただくために、満足度アンケートの結果を例に解説します。

商品Aの満足度調査結果(回答割合)
選択肢解答率
満足10%
まあ満足20%
どちらともいえない30%
やや不満20%
不満20%

という結果があった場合、解答の1〜5に対して5点〜1点のスコアを付与します。

選択肢スコア
満足5点
まあ満足4点
どちらともいえない3点
やや不満2点
不満1点

そこで、回答の割合と付与したスコアをまとめると以下の表になります。

選択肢回答割合スコア
満足10%5点
まあ満足20%4点
どちらともいえない30%3点
やや不満20%2点
不満20%1点

付与したスコアに解答結果(%)を乗算したのちに、すべてを足し上げます。

1.満足=5点×10%
2.まあ満足=4点×20%
3.どちらともいえない=3点×30%
4.やや不満=2点×20%
5.不満=1点×20%

満足度調査のアンケート結果を加重平均で算出すると、計算式は以下となります。

満足度アンケートに加重平均・ウイエイト平均を算出する公式
5×0.1+4×0.2+3×0.3+4×0.2+1×0.2=2.8点

よって、この満足度調査の平均点は2.8点とするのが実際のアンケートに用いられる加重平均となります。

すなわち平均点を商品A・B・Cでそれぞれ計算し、点数を比較することで一番満足度の高い商品を知ることができるようになります。

エクセルでウエイト平均(加重平均)を求める方法

データをエクセルやスプレッドシートを使用して求める方も多いのではないでしょうか。そこで以下では、エクセルでウエイト平均(加重平均)を簡単に求める方法を紹介します。

ステップ1.セルに「=SUMPRODUCT(配列1,配列2,...)」を入力

エクセルで加重平均を求める場合の記述方法

次にエクセルでウエイト平均(加重平均)を求める場合は、セルに「=SUMPRODUCT」と入力し、データの配列を選択します。配列と配列は「,」で区切ります。

ステップ2.任意のセルに「=ステップ1の合計値/(セル1+セル2)」と入力

次に任意のセルに「=ステップ1の合計値/(セル1+セル2+セル3)」と入力すると、自動で計算されます。

ウエイト平均(加重平均)のまとめ

ウエイト平均(加重平均)とは、数が数えきれない場合や数量が混在している場合など、一般的な平均の計算方法では正しい値を算出できないようなときに使用される平均の算出方法です。それではデータの全体を占める割合を重みとして計算していきます。

ところで、計算式に当てはめても計算できますが、膨大な数を扱う場合は、エクセルやスプレッドシート、ウエイト平均の自動計算ツールなどを使用するのがおすすめです。

便利ツールで加重平均(ウエイト平均)を算出

マイクロソフトのエクセルやグーグルのスプレッドシートなど表計算ソフトを利用して、ウエイト平均(加重平均)を算出する方法を記載しました。最後にもうひとつ、Webアンケート結果に対して加重平均を出す場合の便利ツールをご紹介します。

クロス・マーケティングが提供する無料集計ツール「CrossFinder2」です。利点は、「ボタン一つで対応ファイルが生成できる」「簡単に加重平均を設定した集計結果がつくれる」こと。WebアンケートツールのQiQUMOと組み合わせることも可能なので、外部の回答者へWebアンケートを実施し、結果に対して加重平均(ウイエイト平均)処理をするところまで、ワンストップで実現可能です。