Webアンケートにかかる費用|ネットリサーチ大手の料金表まとめ

Webアンケートにかかる費用|ネットリサーチ大手の料金表まとめ

マーケティングリサーチを調査会社に依頼する場合、調査内容や必要なサンプル数、調査工程のどの部分をを任せるのかによって掛かる費用は大きく異なり、相場感がつかみにくいのが実際のところです。

また、セルフ型アンケートツールが普及してきたことにより、調査設計や集計・分析を自社で行うことで、費用を大幅に削減することができるようになりました。このこともWebアンケートにかかる費用がわかりにくいひとつの理由といえます。

Webアンケートを調査会社に依頼する場合とセルフ型アンケートツールで実施する場合にどの程度に費用がかかるのかを、各社の料金表からご紹介します。

以下でご紹介する各社の料金は、2023年6月時点でWebサイトから確認したものです。

調査会社に依頼する場合のWebアンケート費用

調査会社に依頼してWebアンケートを実施する場合、サンプル数と質問数によって定めた実査部分を基本料金とし、調査会社が請け負う調査企画、調査票設計、集計分析の部分は調査内容に合わせた見積もりとするケースが多いようです。

マーケティングリサーチ大手のマクロミルとインテージのWebアンケートの料金をご紹介します。

マクロミル

マクロミルはネットリサーチでマーケティングリサーチ業界を牽引してきた代表的な企業のひとつです。ネットリサーチにおけるマーケットシェアも大きいと考えられるため、Webアンケートの相場感を知る上で参考になります。

基本料金

マクロミルのWebアンケートの基本料金は実査部分のみの料金であり、調査票の設計費、データ集計費、分析・報告書作成費は別途必要になります。

【基本料金に含まれる作業工程】

  • Web調査画面作成
  • アンケート配信
  • データ回収
  • ローデータ納品
  • 集計ソフトQuickCrossの納品
  • GT表(単純集計表の納品)

サンプル数と質問数に応じた基本料金は以下を定めています。

サンプル数/質問数1005001,000
10問まで90,000230,000360,000
15問まで120,000280,000450,000
20問まで150,000330,000520,000
25問まで180,000360,000560,000
30問まで210,000430,000670,000
サンプル数と質問数による基本料金(単位:円)

基本料金に加わる費用

上記の基本料金のほか、調査票設計、集計分析、報告書作成には以下の料金が別途かかります。

調査票設計170,000
事前調査(スクリーニング調査40,000※3問✕5000サンプルの場合
本調査(実査)※サンプル数と質問数による基本料金を参照
データ集計50,000
報告書作成※別途見積もり
Webアンケートを依頼する場合にかかる費用項目(単位:円)

オプションサービス

無料のオプションサービスには以下のものが含まれます。

【無料オプションサービス】

  • 調査票への画像挿入※10点まで
  • 選択肢のランダマイズ機能
  • サンプル割付回収※20セルまで
  • モニタ基本属性情報の付与

有料のオプションサービスには以下のものがあり、30,000円からの価格設定となっています。

【有料オプションサービス:30,000円~】

  • 文字数カウント(入力文字数のリアルタイム表示)
  • 写真調査(生活実態・利用実態の撮影)
  • カレンダー調査(日付の回答)
  • その他

マクロミルの見積もり事例

マクロミルの料金ページでは見積もり事例が紹介されています。

350,000円(600サンプル・15問)
※Webアンケート(実査のみ)

<調査要件>
・「首都圏近郊の20~30代の意識調査」
・対象:20~39歳、男女(600サンプル)
・割付:性・年代別人口動態割付・調査設計
・分析は顧客側で実施
・納品物:ローデータ、GT表、オリジナルソフトQuickCross用データ

1,220,000円(1,000サンプル・20問)
※Webアンケート(調査設計・集計・分析レポートをマクロミルで実施・作成)

<調査要件>
・「即席カップ麺の価格策定のための調査」
・対象:直近1ヶ月内に即席カップ麺を自分で購入し食べたことがある20~59歳の男女
・スクリーニング調査を実施・調査設計
・分析はマクロミルで実施、分析に独自開発のPRICEⅡを使用
・納品物:ローデータ、GT表、QuickCross用データ、クロス集計表、設問表、分析レポート

インテージ

インテージはマーケティングリサーチ業界のなかでも歴史のある企業であり、独自の調査パネルの組織化などに早くから取り組んできた実績があります。マーケティングリサーチ業界のパイオニア的存在として、高品質な調査を提供しています。

基本料金

インテージのWebアンケートも実査部分が基本料金となっています。

【基本料金に含まれる作業工程】

  • 調査画面作成サンプルの割付回収(50セルまで)
  • 設問・選択肢のランダマイズモニタ
  • 登録属性やサブパネルを利用した調査対象の選定
  • モニタ基本属性の提供
  • ローデータ納品
  • 集計分析ツール「Lyshe-Epoch」の提供

サンプル数と質問数による基本料金は以下のようになっています。

サンプル数/質問数1003005008001,000
5問84,00092,00098,000115,000129,000
10問86,00093,000108,000132,000150,000
15問96,000110,000130,000165,000189,000
20問137,000166,000205,000276,000314,000
25問179,000214,000262,000350,000398,000
30問200,000239,000291,000390,000442,000
サンプル数と質問数による基本料金:本調査(単位:円)

スクリーニング調査は調査対象を絞り込むために行うものです。スクリーニング調査についても基本料金とは別に価格が決められています。

回収必要数/質問数5,00010,00015,00020,00025,00030,00040,00050,000
~3問55,00070,00085,000100,000115,000130,000160,000190,000
5問85,000100,000115,000130,000145,000160,000190,000220,000
10問155,000175,000195,000215,000235,000255,000295,000335,000
12問195,000220,000245,000270,000295,000320,000370,000420,000
15問275,000300,000325,000350,000375,000400,000450,000500,000
サンプル数と質問数による基本料金:スクリーニング調査(単位:円)

基本料金に加わる費用

インテージも調査企画・調査票設計・報告書作成は別途見積もりとなっています。

集計費用は以下の価格表が提示されています。

設問数10問15問20問25問30問35問40問
料金50,00060,00070,00080,00090,000100,000110,000
基本集計費(単位:円)

オプションサービス

基本料金に含まれるオプション、有料オプションには以下のものがあります。

【無料オプションサービス】

  • サンプル割付回収(50セルまで)
  • 設問・選択肢のランダマイズ
  • モニタ登録属性やサブパネルを利用した対象者選定

【有料オプションサービス】

  • サンプル割付回収 51セル以上、1セルに付き2,000円~
  • 調査画面への静止画/コンセプト文面掲載 12,000円~
  • 調査画面への音声/動画ファイルの掲載 30,000円~
  • ウェイトバック集計 1種類のウェイト値算出につき 20,000円

インテージの見積もり事例

インテージの料金ページでは見積もり事例が紹介されています。

150,000円(1000サンプル・10問 )
※Webアンケート(実査のみ)

<調査要件>
・「最近3ヶ月に転職した人の転職サイト利用実態調査」
・対象:直近3ヶ月に転職した20~59歳の男女
・事前調査なし
・調査設計・分析は顧客側で実施
・納品物:ローデータ、クロス集計表、集計分析ツール「Lyche-Epoch」

1,200,000円(800サンプル・30問)
※Webアンケート(調査設計・集計・分析レポートをマクロミルで実施・作成)

<調査要件>
・「対象ユーザーにおけるプロモーション浸透度を測定」
・対象:1都3県30~59歳の男女
・スクリーニング調査を実施・調査設計
・分析はインテージで実施
・納品物:ローデータ、クロス集計表、集計分析ツールLyche-Epoch インテージによる集計・サマリー

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QiQUMOはセルフ型ウェブアンケートツールです。QiQUMOを活用するにあたって必要なウェブアンケートに関する知識を解説します。 ウェブアンケートに関する基本的な知識 ア…

セルフ型アンケートツールを利用する場合の費用

セルフ型アンケートツールはアンケートフォームの作成・配信・集計の機能を持つWebアプリケーションです。料金の中心となるのはモニターにアンケートを配信する実査の部分であり、質問数とサンプル数を基本に料金が設定されています。

自社で配信先のリストを用意する場合には、無料で利用できるものもあります。

調査設計、質問票の作成、集計分析は利用者側が行うことになるため、調査会社に依頼する場合と比べた場合、この部分の費用が発生しないことになります。

QiQUMO(クロス・マーケティング

クロス・マーケティングが提供するセルフ型アンケートツールQiQUMOの料金はサンプル数と質問数に応じた従量制の料金となっています。なおスクリーニングのための事前調査、海外にアンケートを配信するGlobal QiQUMOは別料金が設定されています。

料金プラン

【本調査の料金】
サンプル数 ✕ 設問数 ✕ 11円(税込み)※最低利用料金2,200円以上

【事前調査の料金】
サンプル数 ✕  5.5円(税込み)※設問数 5問まで  6000サンプル以上

グローバル調査の金額
サンプル数/質問数~100101~200201~300301~400401~500
10問まで80,000120,000160,000180,000200,000
20問まで100,000140,000180,000220,000250,000
30問まで120,000160,000200,000240,000280,000
Global QiQUMO(単位:円)

無料の範囲

アカウントの取得とフォームの作成には料金がかかりません。また、国内を対象とし、利用者側が配信先のリスト(メールアドレス、SNSアカウント、自社メディア等)を用意して配信を行う場合、1アンケートあたり設問数10問、500サンプルまでは無料で利用できます。

無料での利用はキャンペーンとして設定されており、キャンペーンの終了は1ヶ月前に告知されます。

モニターを対象にアンケートを実施する場合は、上記の本調査料金が発生します。

Questant(マクロミル)

マクロミルが提供するセルフ型アンケートツールQuestantは、年間で契約する定額プランとアンケートを実施するごとに支払うアドホックの料金プランがあります。

Questantの料金プラン

無料プラン通常プランビジネスプレミアム
料金 / 年0円50,000円150,000円300,000円
質問数10問無制限無制限無制限
回答結果閲覧数100件3,000件まで10,000件まで無制限
ダウンロード数3,000件まで10,000件まで無制限
メール配信数100通/日10,000通/日10,000通/日10,000通/日
モニターへの配信別料金
使い放題プラン

※質問数:1アンケート当たりの質問数
※回答閲覧数:回答結果をリアルタイムで同時に閲覧できる数
※ダウンロード数:アンケートごとの回答結果をダウンロードできる数
※メール配信機能を使って1日に配信できるメールの数

【アドホック】

料金1アンケート 5,000円~
付属機能質問数無制限質問分岐アンケート結果のダウンロード回答グループ機能メール配信(10,000件/日まで)
オプション機能集計用ソフトQuickCross用データシステム連携画像投稿質問広告非表示回答通知機能
期間料金支払い後3ヶ月間

無料の範囲

無料プランに登録し、利用者側が配信先のリスト(メールアドレス、SNSアカウント、QRコード、Webページ等)を用意する場合、1アンケートあたり10問までであれば、回答数無制限で利用することができます。

無料プランではモニターを配信先としてアンケートを実施することはできません。

GMO Ask(GMOリサーチ)

2022年9月にリリースされたセルフ型アンケートツールです。Google Formsをアンケートのプラットフォームに使用しているため、アンケートフォームの作成と集計結果の確認をGoogle Formsで行うことができます。

他社のセルフ型アンケートツールは無料で利用できる部分がありますが、GMO Askは完全従量制の料金となっています。クレジットカード決済に対応していることも他社にない特徴です。

自社で配信先を用意する場合は、Google Forms単独でアンケートを実施することができるので、GMO Askはモニターを対象にアンケートを実施する場合に限られます。

GMO Askの料金プラン

【料金】

サンプル数 ✕ 設問数 ✕ 10円(税抜き)

まとめ

ネットリサーチが一般的になったことで、マーケティングリサーチの実査の部分は大幅なコストダウンが図られました。

さらに、セルフ型アンケートツールによって実査のみの料金でアンケートを実施できるようになったことは、調査設計や集計分析の知識があるリサーチャーにとっては、大きなメリットです。

一方で、調査会社が持つ調査ノウハウや高度な分析によって得られる貴重なインサイトは、セルフ型アンケートツールでは得られない、調査会社に依頼する場合のメリットとなります。

Webアンケートを実施する際には、費用面だけではなく調査によって何が得られるのかを考え合わせて、その手段を検討することが重要です。