アンケート調査とは?調査方法としての特性と注意点、歴史も解説

アンケートに接する機会としては市場調査や従業員満足度調査が身近なものです。それ以外にも、国勢調査や世論調査でもアンケートという言葉が使われ、それぞれに調査対象や実施方法、集計結果の活用の仕方が異なっています。

アンケート調査はその目的によって中身が異なることから、実効性のあるアンケート調査を行うためには、目的に合ったやり方を知っておく必要があります。

アンケート調査とは

アンケート調査は特定の集団を対象に同じ質問を行い、回答の結果を数値にまとめたものです。

この点では選挙の投票や入学試験も同じですが、選挙や入試は選ぶことが目的なのに対してアンケート調査は調べることが目的です。「調べる」という意味ではセンサスやサーベイという言い方もあり、その手法として使われているのもアンケートです。

アンケートは調べることが目的

アンケート調査の種類によって調べる対象が異なります。

アンケート調査の種類調査対象
市場調査商品・サービスの市場、消費者、企業
従業員満足度調査組織の構成者
国勢調査国内全世帯
世論調査国民、生活者
公共目的・学術目的の社会調査特定の属性を持つ社会層

市場調査は特定のマーケットについての情報収集であり、toCの場合は消費者が調査対象です。また、toBの場合は企業の購買担当者や意思決定権者が調査対象となります。

市場調査の調査内容は、生活者としての意識や行動、商品やサービスに対する認知や評価といったことが中心です。

従業員満足度調査では、企業や団体の組織を構成する従業員が調査対象です。職場環境や人間関係に対する評価、コンプライアンスに対する意識、ストレスのチェックなどを目的として行われます。

市場調査、国勢調査、世論調査は社会調査のひとつに位置づけられます。国が行う国勢調査や経済センサスは全数調査が行われますが、ほとんどの社会調査では標本調査が行われます。

国勢調査や家計調査、経済センサスは実態を把握することが目的です。世論調査は政権への支持や特定のテーマに対する国民の意識が調べられます。

アンケートは集団が調査対象

上で見たとおり、アンケート調査は特定の集団を対象として行われるものと考えることができます。集団のすべてを対象とするのがセンサスであり国勢調査がその代表例です。

国が行う調査以外で全数調査が可能なものとして、従業員満足度調査をはじめとする特定の組織を対象に行うアンケートがあります。

従業員満足度調査はセンサスとは言わずサーベイという言葉が使われますが、調査の趣旨からすれば従業員全員を対象とすることが一般的であり、集団の規模も特定の組織に限られることから全数調査を行うことが可能です。

サーベイという言葉は定性調査に対する定量調査という意味で、マーケティングリサーチや社会調査で使われます。

消費者や生活者を調査対象とする場合、全数調査を行うことは現実的に不可能であり、サンプリング(標本抽出)という、集団の一部から全体を推計するという方法を取ります。

統計学の枠組みから考え出された方法であり、抜き出したサンプルが対象とした母集団全体を表しているかどうかという代表性が求められます。

統計学ではサンプルの持つ特徴から母集団全体の特徴を推定する方法を推測統計といいます。それに対し、抜き出したサンプルについての特徴を明らかにするのが記述的統計です。

世論調査や公共目的・学術目的の社会調査では、サンプルに代表性がなければ調査の本来の目的を果たすことができないため、サンプルの抽出の確率的な方法や集計結果の正しさを確かめるための検定が重視されます。

一方、企業が行う市場調査では、性別や年齢などの外的属性別の行動や意識の傾向、消費者層の分類などが調査の目的です。集団の特性を把握するための最低限のサンプルがあれば事足りるため、推測統計はあまり重視されず記述的統計の手法が用いられます。

集まる情報と集める情報

定量調査はアンケート以外に、顧客からの問い合わせ履歴やPOSデータ、Web閲覧履歴やSNSの書き込みなどを対象とするものが挙げられます。

これらの、集まる情報に対して、集める情報がアンケート調査です。アンケート調査はアンケート票(調査票、質問票)を用意し調査への協力を依頼するという形が取られます。

ここで問題となるのが、誰にアンケート調査への協力を依頼し、どうやって質問に答えてもらうかという点です。

国勢調査は調査員が全世帯を訪問し、調査票を面接のうえ配布します。一定期間後、調査員が訪問、または、郵送による回収が行われるのと平行してインターネットで回答することも可能です。

内閣府が実施する世論調査はサンプリング調査ですが、こちらも訪問調査に分類されます。面接で回答を聞き取る方法と調査票を留置して郵送によって回収する方法を選択できます。

同じ世論調査でも、大手メディアが実施する内閣支持率調査などはRDD方式という電話調査の方法で行われています。

全数調査や推計統計が求められる調査では、調査票の回収率を重視する方法やサンプリングに配慮した調査方法が取られます。

それに対し、コスト面や迅速性などが求められる企業が実施するアンケート調査では、インターネット調査が用いられることが一般的です。

アンケートの歴史

アンケートはフランス語のenquête「調べる」から来ています。名詞として用いられる場合は、「調査」「照会」「捜査」などの意味があります。

国勢調査のような人口センサスもアンケートに含めて考えた場合、古代ローマの時代には人口や土地、財産を調査するためのセンサスが行われていました。当時のセンサスは徴兵や納税を目的としたものだったといわれています。

人口センサスは18〜19世紀にかけて米国をはじめとし欧州各地で始められています。1790年に行われたアメリカ合衆国の第1回人口センサスが最初のものとされており、16歳以上の白人の人口を確定して、それを徴税と議員配分を決定するために利用することを目的として行われました。

推計統計を用いることの有用性を示した例として有名なのが、1936年の米国大統領線でF.D.ルーズベルトの当選を予測したギャラップ社です。

推計統計は1920年代から使われ始めた統計手法ですが、200万人にアンケートを取った有力誌の当選予想に反し、2000人のサンプリングから当選者を当てることができた同社の世論調査は、後のアンケート調査に大きな影響を与えた例として知られています。

マーケティングリサーチの分野での定量調査は、アメリカで最も古い広告代理店であるN.W.エイヤー・アンド・サン社が1873年に新聞の普及率を調査したものが最初と見られています。

1970年代に入るとコンピューターの普及により大量のサンプルを使った消費者行動分析が盛んに行われるようになります。80年代に入るとアカウントプランニングやコンシューマーインサイトといった専門用語とともに、アンケート調査に消費者心理の要素を取り込む動きも始まりました。

現在のようなインターネットを使ったアンケート調査が国内で普及しはじめたのは2000年を前後する時期です。既存の調査会社も含めて大規模な調査パネルを組織化し、低コスト、短納期のアンケート調査やアンケート票を手軽に作れるサービス・ツールが普及しています。

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アンケート調査の注意点

インターネット調査が普及したことでアンケート調査の敷居がさがり、手軽に調査を行えるようになりました。

しかし、実効性のあるアンケート調査を実施するためには、ある程度の知識が必要ですし、調査対象のサンプリングにも注意を払う必要があります。

信頼できる結果を得るためには知識が必要

アンケート票の質問文は、同じ人に同じことを聞いたとしても聞き方によって回答が変わる可能性があります。質問の前提や質問の順序、言葉の選び方、選択肢の設定の仕方によって回答が偏ってしまう回答バイアスが生じるためです。

フレーミング効果やアンカリング効果、ハロー効果といった認知バイアスを考慮したうえで、回答者が理解しやすく、答えやすい質問と選択肢を作るための知識が必要です。

さらに、アンケート調査の設計と集計の段階では、分析の内容が高度になるほど統計の知識も必要です。

これらを含めて、アンケート調査の設計、実施、分析には、ある程度の専門的な知識が求められます。

回答者の協力を得る必要がある

アンケート調査は回答者の協力を得てはじめて成立します。近年、電話を使って行われる世論調査の回答率の低下、ネットリサーチ会社の登録パネルのアクティブ率の低下などが見られ、不特定多数を対象とするアンケート調査の実施環境は必ずしも良いものとは限りません。

調査の目的や大義名分がわかりやすいものであるかどうか、調査テーマに対する回答者の興味関心の度合い、回答に対するインセンティブの設定がアンケートの回収率に大きく影響します。

回答を得たい調査対象から有効な回答を集めるためには、調査実施方法と調査対象者へのアプローチに工夫が求められています。

アンケート調査はコミュニケーション手段のひとつ

端的に言えば、アンケートは質問に対して回答を得ることであり、一対多の一往復のコミュニケーションと考えることができます。

何のために質問をするのかといえば、人口センサスの場合は実態を把握して制度設計に活かす、市場調査であればより良い商品やサービスを提供する、従業員満足度であれば働きやすい職場にするなど、調査対象にプラスになることを考えるためです。

このスタンスに立ち、細心の注意を払って調査対象に理解と協力を求めることがアンケート調査の成功につながっていきます。

アンケート調査の具体的な活用事例は、こちらからご覧いただけます。他社がアンケート調査を用いながら、どのようなコミュニケーションを図っているかの参考になさってください。

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