コレスポンデンス分析(コレポン)とは|簡単解説

コレスポンデンス分析は、クロス集計の結果の視認性を高められる分析方法です。省略してコレポンと言われることもあります。項目が多く、データの読み取りが難しい場合に用いると、解釈を容易にすることができます。

コレスポンデンス分析(コレポン)のカンタン語句解説

コレスポンデンス分析は、クロス集計の結果の視認性を高められる分析方法です。省略してコレポンと言われることもあります。項目が多く、データの読み取りが難しい場合に用いると、解釈を容易にすることができます。

コレスポンデンス分析(コレポン)をわかりやすく解説

コレスポンデンス分析は、多変量解析の手法の1つです。数量化されたカテゴリーをグラフ化します。

たとえば、ある商品ブランドのイメージに関するアンケートを行い、以下のような集計結果になったとします。

ブランド名定番安心感があるデザイン性が高い最先端大人っぽいあてはまるものはない
ブランドA◯%◯%◯%◯%◯%◯%
ブランドB
ブランドC
ブランドD
ブランドE

上記のデータはブランド数と項目数が多く、30個の数字が並んでいる状態です。上記のままでは結果の解釈がしにくいため、コレスポンデンス分析を行います。

<イメージ図>

ポイントは、クロス集計表・カテゴリー間把握・幅広いデータ

コレスポンデンス分析の主な特徴は以下の3つです。

  • クロス集計表の読み取りがしやすくなる
  • カテゴリー間の関係を把握しやすい
  • 幅広いデータに用いることができる

行数や列数の多いクロス集計表は、結果の解釈がしにくい傾向にあり、コレスポンデンス分析を行うと視認性が高まります。

それに加えて、コレスポンデンス分析を行うと、カテゴリー間の関係性も直感的に把握することが可能です。グラフの距離がカテゴリー間の関係性を表しており、距離が近いほど関係性が強いとわかります。

また、コレスポンデンス分析は、クロス集計表であればデータの種類をほぼ問わずに解析可能です。そのため、幅広いデータに用いることができます。

注意点は、集計表とグラフの一致・サンプルサイズの把握・分析者の主観

コレスポンデンス分析の注意点は以下の3つです。

  • 集計表とグラフが必ずしも一致するわけではない
  • 回答数の大小やサンプルサイズはわからない
  • ​​散布図の縦軸と横軸の意味を分析者が考える必要がある

クロス集計の結果とコレスポンデンス分析の結果に、ズレが生じる場合があります。

そのため、コレスポンデンス分析で得られた結果を詳しく理解するには、クロス集計表の結果も一緒に活用することが大切です。

コレポンの実施手順

以下では、コレスポンデンス分析の手順を紹介します。

集めたデータをクロス集計する
統計ソフトを用いてコレスポンデンス分析(コレポン)を実施
分析結果を散布図表示

まずは集めたデータを集計し、クロス集計表を作成します。

作成したクロス集計表をもとに、統計ソフトを用いてコレスポンデンス分析を行います。統計ソフトは、フリーソフトの「R」や有料ソフトの「JMP」「SPSS」「SAS」などが主流です。

統計ソフトで分析を行ったら結果をコピーしてExcelにペーストし、メニューバーの「挿入」→「散布図」をクリックします。

ラベルを表示するには、「データラベルの追加」→「セルの値」をクリックし、ラベルの範囲を選択します。「Yの値」と「引き出し線を表示する」のチェックを外して完了です。

プレゼンなどでグラフを活用する場合は、文字の大きさや色を変更するとより見やすくなります。

コレスポンデンス分析(コレポン)と似ている分析

コレスポンデンス分析と似ている分析に、「主成分分析」と「クラスター分析」があります。

以下では、それぞれの分析方法の特徴とコレスポンデンス分析との違いを解説します。

主成分分析

主成分分析は、複数の項目を計測したデータをごく少数の項目に置き換える手法です。

たとえば、国語と社会、理科、算数のそれぞれの点数がわかるデータがあったとします(観測変数)。これらの点数から総合学力という項目を作ることが可能です(合成変数)。

主成分分析は、このように複数の項目を要約して新しい項目を作成します。

結果の見やすさを求める場合はコレスポンデンス分析が向いており、データを集約して変数を減らしたい場合は主成分分析が向いています。

クラスター分析

クラスター分析は、似ているデータを集めてグループ分けする手法で、「階層クラスター分析」と「非階層クラスター分析」の2つの手法があります。

階層クラスター分析は、言葉の通り階層的にクラスター化(集団化)され、樹形図(デンドログラム)で表されます。

非階層クラスター分析は、似ている対象をグループ化する手法です。

クラスター分析でグループ分けを行ったあとに、コレスポンデンス分析を行うことも可能です。

クラスター分析の詳細については、こちらの記事で解説していますのでご覧ください。

簡単用語解説のまとめ

最後におさらいです。コレスポンデンス分析とは、数量化されたカテゴリーをグラフ化し、データの視認性を高める手法です。項目数が多く、クロス集計表では読み取りが難しい場合に活用できます。

ただし、ときにクロス集計の結果とコレスポンデンス分析の結果にズレが生じる場合があるため、必ずクロス集計表の結果も一緒に活用しましょう。

コレポンにつていさらに詳細な解説をクロス・マーケティング公式ページで実施しています。ご興味のある方はぜひ、ご覧になってください。

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