均等割付とは|簡単解説

均等割付のカンタン語句解説

均等割付とは層別のサンプル数を同数にすること:均等割付とは、アンケート調査の調査対象とするサンプル(標本)を選ぶやり方のひとつです。サンプルを抽出する母集団をなんらかの基準をもとにグループ分けし(層別・層化)、各グループから抽出するサンプル数を同じ数とすることを均等割付と呼びます。

均等割付の概要

均等割付は層化抽出法でサンプリングを行った場合の割付(標本割当)方法のひとつであり、各層の大きさに関わらず、層別のサンプル数を同数とすることです。割付方法の代表的なものは均等割付のほか比例割付があります。

サンプル抽出法の種類

調査対象とするサンプルを選ぶ方法には、調査の目的や内容、調査対象とする母集団、収集可能なサンプル数や属性などによってさまざまな種類があります。

サンプル抽出の方法は大別すると確率抽出法と非確率抽出法にわけられます。

確率抽出法

確率抽出法は母集団からサンプルを選ぶ(抽出)する際に、リサーチャーの主観や恣意的要素を排除してランダムに選ぶ方法です。

【確率抽出法の種類】

単純無作為抽出法母集団のすべての個体の選ばれる確率が等しくなるように抽出する方法です。くじ引きのイメージですが、実務では乱数表などを活用します。
系統抽出法単純無作為抽出法は母集団やサンプルサイズが大きい場合に非常に手間がかかり、抽出ミスが発生する可能性も高まります。それを避けるために母集団のリストから一定の間隔で抽出する方法です。
多段抽出法母集団があらかじめ何らかのグループに分かれている場合、最初にグループを無作為抽出し、選ばれたグループからさらに無作為抽出でサンプルを選ぶ方法です。全国を対象とする世帯調査で、市区町村を無作為抽出しそのなかから世帯を無作為抽出するケースなどが典型的な例です。
クラスター抽出法母集団があらかじめ何らかのグループに分かれている場合、グループを無作為抽出し、そのグループ全体をサンプルとする方法です。来店客調査を行う場合に調査店舗を無作為抽出し、来店客すべてを調査対象とするケースなどが当てはまります。
層化抽出法母集団の個々のサンプルを何らかの属性によってあらかじめ分類し、分類したグループ(カテゴリー)ごとに無作為抽出を行う方法です。年代別のサンプリングを行うケースなどが該当します。

層化抽出法でサンプルを抽出した際に、それぞれのカテゴリーのサンプル数の決め方を割付(標本割当)といいます。均等割付は割付方法のひとつのやり方です。

非確率抽出法

ランダムに選ぶ確率抽出法に対し、母集団に対して代表性のあるサンプルを意図的に選択して抽出する方法が非確率抽出法です。信頼できる母集団のリストが入手できない場合などに用いられ、リサーチャーの主観を交えて母集団の構成に近づけるようにサンプルを抽出する方法です。

【非確率抽出法の種類】

有意抽出リサーチャーの主観にもとづき母集団の特定の変数やサンプルの属性を考慮してサンプルを抽出する方法です。非確率抽出全体を指して有意抽出という場合もあります。
便宜的抽出法調査実施にあたって都合のよい調査対象をサンプリングする方法です。街頭調査や応募者に対して調査を実施するケースです。
割当法サンプルの変数や属性とサンプルサイズを決め、条件が満たされるまでサンプルを集める方法です。

マーケティングリサーチの実務では調査の予算や期間などによって、サンプルの入手方法やサイズに制約が与えられるケースがほとんどです。

その際、確率抽出法による厳密な統計的手法を取ることができない場合に非確率抽出法が選択されます。

サンプル割付の種類

サンプルの割付方法の代表的なものとして均等割付と比例割付の2つの種類が挙げられます。

  • 均等割付:層別(カテゴリー)のサンプル数を同数とする
  • 比例割付:層別(カテゴリー)のサンプル数を母集団の構成比に合わせて配分する

※割付方法は均等割付と比例割付のほか、ネイマン割付(最適割付)、デミング割付といった方法もあります。

均等割付と比例割付の具体例

母集団100万人から年代別の層別抽出法を行う場合にサンプル数500とすると、均等割付ではサンプル数(500)をカテゴリー数(20代、30代、40代、50代、60代の5カテゴリー)で割った100が1カテゴリーあたりのサンプル数となります。比例割付ではサンプル数を各カテゴリーの構成比に応じて配分します。

母集団(万人)構成比均等割付サンプル数(人)比例割付サンプル数(人)
全体100100%500500
20代1313%10065
30代1616%10080
40代1818%10090
50代2323%100115
60代3030%100150

均等割付の特性を理解する

層化抽出法は層化しない他の確率抽出法を行った場合と比較して調査結果の精度が高まり、さらに、均等割付よりも比例割付のほうが統計的な信頼性が増すことがわかっています。

均等割付では特定のカテゴリーのサンプル数が母集団の構成比と大きく乖離してしまうことも想定されます。このようなケースでは事後的に母集団の構成比に近づけるために、ウェイトバック集計を行い回答者数を割り戻して集計することもあります。

統計的な精度が重視される調査の場合、男女別といった母集団の構成が同数に近いことがはっきりしているケースを除いて、比例割付を採用することが一般的です。

語句解説まとめ

均等割付は実際に調査設計を行う場面では検討されることも多い割付方法です。

実務の現場ではすべてが統計的手法を優先する必要のない調査であることも少なくなく、予算や時間の制約のなかで最善の手法を選択しなければならないのが実情です。

サンプル抽出方法と割付方法それぞれの特性を理解したうえで、適切な手法を選択することが求められます。

サンプル抽出と割り付け方法を理解した上で、アンケートリサーチを実施するなら、こちらもご検討ください。

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