顧客満足度調査の典型例 自動車メーカー系列販売会社のアンケート事例

顧客満足度調査の典型例 自動車メーカー系列販売会社のアンケート事例

自動車業界は我が国の基幹産業として製造業のなかでも重要な位置を占めています。完成車メーカーはそれぞれに系列の販売会社を持ち、販売会社は自動車流通のなかで大きな役割を担う存在です。

消費者が新車を購入する場合、メーカー系列の販売会社を通じて購入することになるため、自動車の売れ行きには、消費者との接点となる販売会社の対応やサービスが大きく影響します。

各社ともに顧客満足度(CS)向上に積極的に取り組むなかで、アンケート調査を用いることは通例となっています。

それぞれの大手自動車メーカーが行っているアンケート調査の具体例を紹介します。

自動車ディーラーの満足度調査

自動車を購入して所有する場合、購入前の試乗しての比較検討、購入時点での契約や登録の手続き、購入後には定期的な点検・車検と、通常は販売店と長期的な関係を続けることになります。

そのため、購買プロセスのなかで販売店が果たす役割が非常に重要であることから、系列の販売店を実施主体として購入者、来店者を対象に顧客満足度調査(CS)のアンケートが行われています。

大手自動車メーカーの系列販売会社それぞれのアンケート調査の内容には以下のようなものがあります。

顧客満足度調査とは|簡単解説

顧客満足度調査の詳細解説 顧客満足度は英語で「Customer Satisfaction」と表現されるため、「CS調査」とも呼ばれます。 自社商品・サービスが顧客の期待を上回ると、顧客…

トヨタ自動車のアンケート事例

トヨタのディーラーは、ほとんどが地場資本の販売会社であり、販売会社ごとにそれぞれ独自のCSアンケート調査を実施しています。販売店来店者・車両購入車・サービス利用者など、アンケートの対象者とアンケートの質問項目は、販売店によって異なります。

これ以外に、X(Twitter)のトヨタ公式アカウントでブランドイメージに関するアンケートを行うなど、さまざまな形でリサーチが実施されています。

販売会社ごとに実施しているアンケートの具体的な項目には以下のような内容が見られます。

ディーラーA社(販売店の来店者対象の満足度調査)

質問項目回答形式
氏名自由記述
購入店と点検実施店が同じかどうか2者択一
来店の際のスタッフの対応5段階評価
スタッフの親しみやすさ・相談のしやすさ5段階評価
担当スタッフからの定期的な連絡2者択一
来店の際の担当スタッフの挨拶の有無2者択一
入庫前の説明の有無2者択一
作業待ちの時間の快適さ5段階評価
作業内容の説明のわかりやすさ5段階評価
担当スタッフ以外の接客5段階評価
店舗スタッフの電話対応5段階評価
自由記入自由記述

ディーラーB社(車両購入者対象の満足度調査)

質問項目回答形式
購入店舗を他者に勧めるかどうかNPS
購入車・店舗・スタッフに対する意見・感想自由記述
購入車両自由記述
購入店舗店舗名選択
販売担当スタッフ自由記述
氏名自由記述
メールアドレス自由記述

ディーラーC社(キャンペーン期間中の来店者・購入車対象の満足度調査)

質問項目回答形式
購入店舗店舗選択
購入車種車種選択
購入日・購入予定日自由記述
購入の決め手6つの選択肢を選択
自店舗への来店が初めてかどうか2者択一
購入店舗が自社店舗かどうか2者択一
成約日が1ヶ月以内かどうか2者択一
氏名自由記述
メールアドレス自由記述
電話番号自由記述

ディーラーD社(TOYOTA SHARE利用者対象)

質問項目回答形式
氏名自由記述
性別男性・女性・法人から選択
住所自由記述
メールアドレス自由記述
電話番号自由記述
生年月日数値選択
所有車メーカー13の選択肢から選択
車種名自由記述
保有年数数値記入
TOYOTA SHARE 利用ステーション2つの選択肢から選択
利用車種4つの選択肢から選択
来店時の交通手段9つの選択肢から選択
TOYOTA SHEARE利用目的4つの選択肢から選択
試乗目的の場合、後日連絡の可否2者択一
利用目的が「その他」の場合の具体的内容自由記述
世帯人数9つの選択肢から選択
子供の有無と年齢自由記述
カーシェア付帯サービスの利用意向5つの選択肢から選択
サービス利用意向が「その他」の場合の具体的内容自由記述

日産自動車のアンケート事例

日産では、車検・点検の申し込みや新車購入の際の見積もり、試乗予約の際にオーナーズアンケートを実施しています。車両オーナーに車検・点検の案内やオーナーズマガジンを郵送DMで送付し、これらのDMでWebアンケートのIDとパスワードを案内するという方法が取られています。

それ以外に、販売会社が実施するキャンペーン応募者を対象に行うアンケートや、日産車のカスタマイズ車両・特別仕様車の製造を行うオーテックが車両購入者を対象にアンケートなどがあります。

ディーラーE社(オーナーズアンケート)

質問項目回答形式
基本情報氏名、性別、生年月日
連絡先住所、メールアドレス、電話番号
クルマの所有の有無2者択一
主に使用しているクルマのメーカー11の選択肢から選択
車種名メーカーごとの車種から選択
クルマの購入予定の有無未定、もしくは、購入予定の期間を選択
購入を検討しているクルマのボディタイプ10の選択肢から選択
来店希望の販売店店名、もしくは、地図から選択
来店希望の販売店との付き合いの有無2者択一
その他・要望等自由記述

ディーラーF社(キャンペーン応募者に対するアンケート)

質問項目回答形式
基本情報氏名、性別、生年月日
連絡先住所、メールアドレス、電話番号
クルマの所有の有無1台・複数台・持っていないの3つから選択
主に使用しているクルマのメーカー11の選択肢から選択
車種名メーカーごとの車種から選択
来店希望販売店販売会社の店舗から選択
来店希望日自由記述
来店希望時間4つの時間帯から選択
キャンペーンの認知媒体9つの選択肢から選択

AUTECH(購入者対象のアンケート)

質問項目回答形式
属性情報氏名、性別、年齢、住所、電話番号、メールアドレス、勤務先、
購入車両の情報車種名、グレード、原動機種類、EVの総電力量、排気量、駆動方式、装着オプション、トランスミッション
装着オプション自由記述(3つまで)
購入年月自由記述
購入販売会社自由記述
購入販売店自由記述
購入車両の種類乗り換え・買い増し・新規購入から選択
乗り換えの場合の前車車種名自由記述
乗り換えの場合の前車車種のグレード自由記述
複数台所有の場合の車種・グレード自由記述
購入車両の意思決定者3つの選択肢から選択
購入車両の認知経路16の選択肢から選択
購入車両の認知経路16の選択肢から選択
購入検討時の競合車の有無2者択一
競合車の車種名自由記述(3つまで)
購入検討時の最終検討候補別グレード・別車種・なしの3つから選択
最終検討候補の車種名自由記述
購入時の検討要素マトリクス形式の3段階評価
購入車両の満足度マトリクス形式の3段階評価
購入車両の総合満足度5段階評価
ライフスタイルの中でのクルマの位置づけマトリクス形式の5段階評価
追加アンケートの可否2者択一
購入車両以外の検討車種自由記述
購入車両に関する意見など自由記述

ホンダ技研工業のアンケート事例

ホンダでは、登録された顧客情報をもとに携帯電話会社のSMS(ショートメッセージサービス)を利用したアンケート配信を行っています。

点検・車検を実施した顧客に対する満足度調査、車両購入者に対する車検・1年点検の利用意向などのアンケート調査を販売店ごとに行っています。このほかに、ランダムに抽出したホンダ車ユーザーに対するDMによるCS調査をホンダ本社が実施しています。

また、二輪車の新車購入者に対して行われるアンケートの質問項目は以下のような内容です。

Honda バイク 新車ご購入者アンケート

質問項目回答形式
属性情報住所、電話番号、氏名、年齢、性別、メールアドレス、販売店名、購入年月、職業、保有免許、購入機種、ナンバー、所有四輪車など
購入車両の主な利用者10つの選択肢から選択
購入車両の使用用途13の選択肢から選択
主要な使用用途13の選択肢から選択
二輪車の経験年数自由記述
これまでの二輪車所有台数自由記述
購入車両の種類初めて・買い替え・買い増しなどの区分
買い替えの場合の以前の保有車両メーカー・車種・排気量・使用期間・新車/中古車の区分
購入車両と比較した競合車両の有無2者択一
競合車両についてメーカー・車種・排気量・競合者を購入しなかった理由
購入車両に決定した理由26項目から上位5項目を選択
購入車両を何で知ったか12項目から上位3項目を選択
購入車両の満足度5段階評価
購入車両の満足な点22項目からいくつでも選択
購入車両の不満な点22項目からいくつでも選択
Hondaに対する要望など自由記述

自動車メーカーのアンケート活用まとめ

自動車の購買プロセスでは、顧客が販売店を何度も訪れる必要があること、また、契約や登録のための手続きで個人情報を入手できることから、顧客にアンケート調査を依頼することは従来から行われてきたことです。

以前は紙のアンケートを対面で依頼することや、DMにアンケートを同梱する方法が取られていましたが、各社ともに作成と集計が容易で郵送コストを省くことができるWebアンケートを採用するケースが増えています。QRコードをスマートフォンに読み込んでもらうことで、対面の場合や郵送物からでもアンケートに誘導することができます。

顧客との接点における顧客満足度を測定する取り組みは、自動車に限らずあらゆる業種で重要性が増しているなかで、手間とコストをかけないアンケート調査を実現できるのがセルフ型アンケートツールQiQUMOです。

回収率の増加や調査のスピードアップなど、あらゆる点にメリットをもたらすセルフ型アンケートツールQiQUMOを顧客満足度調査にご活用ください。