用語集

文章と図解で学ぶ、アンケート/リサーチ用語解説01

アンケートやマーケティングリサーチについて調べていると、意味や使い方が分かりにくい専門用語に出会うことがあります。

本シリーズでは、アンケートやリサーチに関する用語を、ポイントがひと目でつかめる図解と、要点を整理した短い文章で分かりやすく紹介します。まず図解で全体像をつかみ、その後に文章を読むことで、用語の意味や特徴、活用場面を無理なく理解できる構成です。

リサーチをこれから学びたい方はもちろん、知識を振り返りたい方にも役立つ内容を、シリーズでお届けします。ちなみに、画像に登場するのはQiQUMO公式キャラクターのキクモン。noteのQiQUMO公式ページにも登場しています。

アンケートや調査・分析、統計で出てくる専門用語たち

期待値とは|簡単解説

期待値は、確率によって決まる変数が繰り返し実現したときに見込まれる平均的な値で、各結果の値にその発生確率を掛け、すべて足して求める。

サイコロ1回の期待値は3.5で、加法性、定数倍、定数加算の性質を持つ。宝くじでは購入額に対する平均回収額、投資や施策選択では不確実な選択肢の比較基準になる。

ただし、人は期待値だけでなく損失への態度など効用も考えて判断する。アンケートでは5段階評価の回答割合を確率とみなし、各尺度値との積を合計して平均スコアを算出でき、属性別比較や顧客セグメント分析、満足度要因の把握に活用できる。

期待値は確率分布を一つの数値で要約する基礎統計量であり、長期的な平均を考える道具である。


ホームビジットとは|簡単解説

ホームビジットは、調査員が対象者の自宅を訪れ、普段の生活環境や商品・サービスの使用場面を観察しながら話を聞く定性調査である。

アンケートや会場インタビューでは捉えにくい、無意識の行動、家族との関係、生活動線、保管方法などを具体的に把握でき、本人も言語化していない潜在ニーズや改善点の発見に役立つ。

実施時は目的に合う対象者を選び、観察項目や質問を準備する一方、予定外の気づきにも目を向ける。自宅という私的空間に入るため、撮影・記録の同意、個人情報とプライバシーへの配慮、調査員の安全確保が不可欠である。

また、観察者の思い込みを抑えるには、複数人で記録を共有し、事実と解釈を分けて検討することも大切である。


フェイスシートとは|簡単解説

フェイスシートとは、アンケート回答者の性別、年代、職業、居住地などの属性を尋ねる質問項目である。

得られた属性情報を使えば、調査結果をグループ別に分け、評価やニーズの違いを比較できるほか、本調査の対象条件に合う回答者を絞り込める。

かつては質問票の冒頭に置くことが一般的だったが、個人情報を最初に尋ねると離脱や回答率低下を招くため、現在は末尾に配置する場合も多い。必要以上に詳しい情報は集めず、利用目的を明示し、回答データを厳重に管理することが重要である。

個人を特定し得る項目を扱う際は、回答者の安心とプライバシー保護を最優先に設計する。また、属性項目は分析目的に必要な範囲へ絞り、回答しやすく設計する。


ストレスチェックとは|簡単解説

ストレスチェックは、労働者が質問票に回答し、自身の心理的負担を把握してメンタルヘルス不調を未然に防ぐ制度である。

常時50人以上を使用する事業場では年1回の実施が義務づけられ、仕事のストレス要因、心身の反応、周囲の支援を測る。高ストレス者には本人の申出により医師の面接指導を行い、必要なら就業上の措置につなげる。

個人結果は実施者から本人へ直接通知し、不利益な取扱いを防ぐため、人事権を持つ者は実務に関与できない。

集団分析は職場環境改善にも使えるが、少人数では個人特定を避ける配慮が必要で、制度全体を個人情報保護と適切な実施体制のもとで運用する。受検の勧奨と安心して回答できる説明が実効性を強く左右する。


テキストマイニングとは|簡単解説

テキストマイニングは、自然言語処理を使って大量の文章を解析し、頻出語や語同士の関係から有用な情報を抽出する技術である。

数値や表のような構造化データに対し、文章は曖昧さや重複を含む非構造化データだが、人の考え、意図、行動の背景を直接反映する。処理には形態素解析、構文解析、意味解析、文脈解析があり、代表的な分析法は感情分析、共起分析、対応分析、主成分分析である。

顧客レビューや自由回答、SNS投稿、コールセンター記録、議事録などを対象に、顧客の声の可視化、評判把握、組織知の共有、新たな課題やニーズの発見に活用され、AIの発展で応用範囲はさらに広がる。

大量の文章を人が理解できる形に変える手段でもある。


t検定とは|簡単解説

t検定は、標本から得た平均値の差が偶然の誤差か、統計的に意味のある差かを判断する仮説検定で、母分散が不明な場合や標本数が少ない場合にt分布を用いる。

まず「差がない」などの帰無仮説と対立仮説を立て、有意水準を設定し、平均、標準偏差、標本数からt値とp値を算出する。

p値が有意水準より小さければ、起こりにくい結果として帰無仮説を棄却する。1標本t検定と2標本t検定があり、後者は同一対象の前後比較に使う対応ありと、別集団を比べる対応なしに分かれる。

対応なしにはStudentとWelchの方法があり、品質管理や施策の効果判定などに活用される。また結果は差の大きさを示さないため、実務的な意味もよく考える。


定量調査とは|簡単解説

定量調査は、人数、割合、評価点など数値化できるデータを集め、対象全体の傾向や特徴を客観的に把握する調査で、代表例はアンケートである。

質問調査にはネット、郵送、訪問・留置、来場者調査、会場テストやホームユーステストなどがあり、観察調査には行動・動線、視聴率、販売・購買情報、デジタルログ、覆面調査などが含まれる。

多数の回答を集計し、市場の規模や顧客層の違い、施策前後の変化を比較できる一方、「なぜそうしたか」という背景の理解には限界がある。

定性調査で課題や仮説を探索し、定量調査でその広がりや妥当性を検証するなど、両者を相互補完的に組み合わせることが調査品質を高める。対象者抽出時の代表性も欠かせない。


定性調査とは|簡単解説

定性調査は、感情、意見、行動など数値化しにくい情報を集め、回答や行動の背後にある「なぜ」を掘り下げる方法である。

デプスインタビュー、グループインタビュー、オンラインインタビュー、エスノグラフィー、ホームビジットなどが代表的で、本人も意識していないニーズや企業が想定しなかった課題の発見、仮説づくりに向く。

一人当たりの調査時間が長くサンプル数が少ないこと、対象者選定が重要なこと、分析者の主観によって解釈が変わり得ることが注意点である。

目的に合う条件で対象者を絞り、発言と行動を丁寧に読み解く必要がある。全体傾向を測る定量調査と組み合わせれば、深い理解と検証を両立できる。少数の意見の全体化も避けたい。


中央値とは|簡単解説

中央値は、データを大きさ順に並べたとき中央に位置する代表値である。データ数が奇数なら真ん中の値、偶数なら中央の2値の平均を採用する。

極端に大きい・小さい外れ値の影響を受けにくいため、年収などばらつきが大きいデータの中心を示すのに適する。ExcelではMEDIAN関数で求められる。一方、中央の位置だけを見るため、全データの変化や両端の特徴は反映しにくい。

平均値は全数を足して個数で割るので全体を反映するが外れ値に弱く、最頻値は最も多く現れる値を示し、カテゴリーデータにも使える。

目的と分布の形を確認し、平均値・最頻値と使い分けることが重要である。また、分布が左右に偏る場合ほど、中央値の強みが生きる。


単純集計とは|簡単解説

単純集計は、アンケートの各設問について回答者数や選択肢ごとの件数・割合を集計し、全体傾向をつかむ基本的な方法で、GTとも呼ばれる。

単一回答、複数回答、マトリクス形式などの結果を表にまとめ、まず回答の分布や欠損、異常な値を確認する。結果がシンプルで見やすく、分析の出発点になる一方、属性や別設問との関係までは分からず、解釈を誤る可能性があるため、単純集計だけで施策を決めるのは危険である。

次に性別や年代など複数のカテゴリを掛け合わせるクロス集計を行えば、グループごとの差や関係性を把握できる。まず全体を確認し、その後に内訳を掘り下げる順序が重要である。特に各設問の母数の違いにも注意して読む必要がある。


文章と図解で学ぶ、『アンケート/リサーチ用語解説01』ということで、10個の用語について、インフォグラフィックと文章で紹介しました。

まだまだ用語はたくさん解説しているので、次の『アンケート/リサーチ用語解説02』まで待てない方は、こちらのページから気になる用語の解説をご確認ください!

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