絶対評価とは|簡單解説

絶対評価の意味とはを解説

絶対評価のカンタン語句解説

定量調査において、評価する対象がひとつの場合を絶対評価と呼びます。これに対し、複数の対象を横並びで評価することを相対評価といいます。アンケート調査の調査票を設計する際には、絶対評価と相対評価を適切に使い分けて、質問と選択肢を検討することが重要です。

絶対評価の概要

アンケート調査をはじめとする定量調査のなかで用いられる絶対評価は一般的な意味とは異なり、競合銘柄など複数の評価対象との比較評価を行う質問と区別し、調査テーマの中心となる商品やサービスについてのみの評価を問うことを指します。

定量調査における絶対評価

定量調査において絶対評価という場合は、単独の対象を評価することを指し、単一評価ともいいます。複数の評価対象を比較した結果を評価に用いるのが相対評価であり、比較評価と同じ意味で使われます。

絶対評価の質問と相対評価の質問の例

同じ内容を質問する場合でも、質問の仕方と選択肢の設定により絶対評価と相対評価のどちらも作ることができます。

以下ではイメージを調査項目とする質問で、1つの(評価対象)について聞く絶対評価の質問と、3つの(評価対象1〜3)を比較する相対評価の質問の例を紹介します。

評定尺度で絶対評価を聞く場合

絶対評価の質問【評定尺度】
Q. あなたが、(評価対象)に抱くイメージとして、以下のキーワードが当てはまると思うか当てはまらないと思うかをひとつ選んでお答えください。
当てはまるやや当てはまるどちらともいえないやや当てはまらない当てはまらない
革新的
カジュアル
情熱的












相対評価の質問【評定尺度】
Q. あなたが、以下のキーワードが当てはまると思う(評価対象1〜3)をひとつだけお選びください。
評価対象1評価対象2評価対象3評価対象4当てはまるものがない
革新的
カジュアル
情熱的












ひとつの評価対象について絶対評価を行う場合、評定尺度を用いることでイメージに同意する強弱を測ることができます。各キーワードに対するイメージについてより細かく分析したい場合に適しています。

SA(択一選択)で(評価対象1〜3)を選ぶ相対評価を行う場合は、キーワードに対する(評価対象1〜3)の比較が行われることから、(評価対象1〜3)が持つキーワードのイメージがより強まる結果が想定されます。

回答負荷は相対評価のほうが低いとされ、回答誤差の発生率を抑えられることが期待できます。

SD法で絶対評価を聞く場合

絶対評価の質問【SD法】
Q. あなたが、(評価対象)に抱くイメージとして、左右のどちらのキーワードが当てはまるかどうかをひとつ選んでお答えください。
当てはまるやや当てはまるどちらともいえないやや当てはまらない当てはまらない
革新的保守的
カジュアルフォーマル
情熱的理知的














相対評価の質問【SD法】
Q. 左右のキーワードが最も当てはまると思うものを(評価対象1〜3)のなかからそれぞれひとつずつ選んでください。
※それぞれの(      )に、当てはまる(評価対象1〜3)のいずれかの番号を記入。
革新的( )←→( )保守的
カジュアル( )←→( )フォーマル
情熱的( )←→( )理知的






SD法は対称となる形容詞句を両極とし、どちらがより近いかを選ぶ評定尺度のひとつです。

キーワードの認知に対する回答者の負荷が高いとされますが、スケールの幅が広がることでキーワードを吟味する度合いが高まります。

相対評価で聞いた場合は強制的に両極のキーワードに近いものを選ぶことになり、(評価対象1〜3)のイメージの差をより拡大して捉えることになります。

相対評価を順位法と一対比較法で聞いた場合

【絶対評価の質問】
Q. 評価対象のイメージに当てはまると思われるキーワードをいくつでもお選びください。
革新的カジュアル情熱的
相対評価の質問【順位法】
Q. 以下のキーワードのイメージが相応しいと思う(評価対象1〜3)の順番をお答えください。
※(      )に評価対象1~3の番号を記入
1位2位3位
革新的( )( )( )
カジュアル( )( )( )
情熱的( )( )( )


( )
( )
( )
( )
( )
( )
( )
( )
( )
相対評価の質問【一対比較法
Q. 以下の(評価対象1〜3)の組み合わせで、キーワードのイメージにより相応しいと思うほうを、どちらか選んでください。
革新的 評価対象 1 □ 評価対象 2 □
評価対象 1 □ 評価対象 3 □
評価対象 2 □ 評価対象 3 □
カジュアル 評価対象 1 □ 評価対象 2 □
評価対象 1 □ 評価対象 3 □
評価対象 2 □ 評価対象 3 □
情熱的 評価対象 1 □ 評価対象 2 □
評価対象 1 □ 評価対象 3 □
評価対象 2 □ 評価対象 3 □
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

当てはまるキーワードをMA(複数選択)で選ぶ絶対評価は回答負荷が最も低い方法です。

順位法は官能検査などで多く用いられる相対評価の方法です。キーワードを基準とした(評価対象1〜3)のイメージの強さが順位付けされます。

一対比較は2項択一の比較であるため精度が高いとされる方法です。一方で選択を繰り返す回数が増えることから回答者に高い負荷がかかります。

絶対評価と相対評価の注意点

絶対評価と相対評価の質問を適切に組み合わせてアンケート調査を設計することが重要です。その際に注意しなければならない点があります。

絶対評価 → 相対評価の順番で質問する

受容性調査や満足度調査で質問する内容は、評価対象とする自社の商品やブランドについてです。必然的に自社の商品やブランドについての質問項目は絶対評価になります。

それに加えて競合品との比較を行う相対評価の質問を組み入れる場合、絶対評価の質問を相対評価の質問の前に置くことが原則とされます。

絶対評価の質問の回答判断が相対評価の質問からの影響を受けることを避けるためです。

相対評価は評価対象の優劣しかわからない

複数の選択肢を比較する相対評価の結果は、候補のなかでの優劣でしかないことを意識する必要があります。

相対評価の結果を過大視することで絶対評価で得られた課題の本質を見誤る可能性があるからです。

質問の仕方と回答形式を最適化する

調査票を設計する段階で、絶対評価と相対評価の使い分けを意識することが重要です。また、回答負荷や回答誤差への影響にも配慮した上で最も効果的な回答形式を選ぶことが調査の質を高めることにつながります。