純粋想起(再生)とは|簡単解説

純粋想起(再生)とはの意味解説

純粋想起(再生)のカンタン語句解説

純粋想起(再生)とは、ブランドの認知度調査で活用される方法です。具体的な名称や画像、選択肢などがない状態で、回答者にブランド名を思い出してもらいアンケートに回答してもらいます。

純粋想起(再生)の解説

純粋想起(再生)は、ブランドの認知度調査の際に具体的な名称や画像、選択肢などを与えずに、自由回答形式で回答してもらう方法です。

その際、自社ブランドの名前が出てくる確率のことを「純粋想起率」と言います。たとえば、時計と聞いて多くの人が「アップルウォッチ」の名前をあげたとすると、アップルウォッチの純粋想起率は高くなります。

また、多くの人が最初に名前をあげるブランドは、「第一想起(トップオブマインド)」と呼ばれ、その市場やジャンルにおいて高い優位性を持っているとわかります。

純粋想起(再生)は、購入のハードルが高かったり消費者が強いこだわりを持って購入したりする高級品(車や高級時計、パソコン)などの認知度を確認する際に特に効果的です。

「◯◯」といえば、どのブランドを最初に思い浮かべますか?
「◯◯」といえば、どのブランドを思い浮かべますか?3つまでお書きください。
「◯◯名(車種名・機種名など)」を思いつく限りお書きください。
<純粋想起(再生)の質問例>

純粋想起のアンケート事例

「メタバース」というワードから純粋想起されるものは何か、というアンケート結果をご紹介します。

メタバースから思い浮かぶワードは、純粋想起では「仮想空間」が特に多く、次いで「VR」「仮想現実」など“仮想”という言葉が目立った。

出典:メタバースに関する調査(2022年)浸透状況編

助成想起(再認)との違い

純粋想起(再生)と比べて助成想起(再認)は、アンケート回答者に具体的な名称や画像、選択肢などを与えて回答してもらうヒントありの方法です。

購入のハードルが低かったり買い換える頻度が高かったりする、比較的値段の安い商品(お菓子や飲料など)に向いています。手軽な価格帯の商品に関しては、ロゴやパッケージを見て商品を思い出してもらうことが重要であるため、純粋想起(再生)はそこまで重要視されないからです。

(自社ブランド名)をご存じですか? →はい/いいえ
以下のブランドのうち、知っているものはどれですか?当てはまるものすべてを選んでください。
<助成想起(再認)の質問例>

純粋想起(再生)でわかること

純粋想起(再生)を行うと以下のようなことがわかり、今後のマーケティング戦略に活かすことができます。

自社の認知度がわかる

純粋想起(再生)を行うと、どれだけ顧客に自社ブランドを認知されているのかがわかります。

認知度が低い場合は、プロモーション方法の見直しや露出の割合を増加させるなどの改善が必要でしょう。

また、認知度は年代や性別などの属性ごとに分析することも可能です。ターゲティングの見直しやプロモーションを強化すべき層の検討などにも役立ちます。

自社のポジションがわかる

競合他社と比較して、自社がどれくらいの認知度があるのかを知ることができます。

市場の中で空いているポジションや、競合に対する自社の強みや弱みなどを分析すると、マーケティングやブランディング戦略に役立ちます。

純粋想起(再生)を高める効果

「スマートフォンといえばiPhone」「高級時計といえばロレックス」など、ある市場やジャンルにおいて特定のブランドを思い出す純粋想起率が高いと、商品が購入されやすくなります。特に、指名買いが多くなる高級なものほど、純粋想起率の高さが重要です。

また、ブランドが認知されればされるほど競合他社との価格競争に巻き込まれることが少なくなり、利益率の向上につながります。

純粋想起(再生)を高める方法

純粋想起(再生)を高めるには、消費者への接触頻度と関与を増やすことが大切です。

ここでは、自社商品やブランドの露出を増やして認知度を高める具体的な方法を3つ紹介します。

1.SNSを積極的に活用する

インターネットの普及により、WebメディアやSNSなど、情報発信手段が多様化しました。

SNSはコストをかけずに自社商品やブランドを発信できる手段です。TwitterやInstagram、Facebookなどから自社商品・ブランドの発信に合ったものを選びましょう。SNSでバズりを生み出すと、一瞬で商品やブランドが拡散され、売上にも貢献します。

なお、SNSは地道に継続する力が必要であるため、成果が出なくても焦らず、時間をかけてアカウントを育てていきましょう。

2.広告を活用する

Web広告やCMなどで自社商品・ブランドを宣伝すると、短期間で多くの人にリーチすることができます。消費者の目に触れる機会が多くなるため、販売促進や集客力の向上が期待できます。

3.ロイヤルティの高いファンを獲得する

マーケティングにおけるロイヤルティとは、顧客が商品・サービスに対して感じる信頼や愛着のことです。一般的に「顧客ロイヤルティ」と言われています。

ロイヤルティの高いファンには、以下のような特徴があります。

  • 商品やブランドに信頼や愛着を持っている
  • リピート率が高い
  • 関連商品を購入したり商品を複数購入したりしてくれる
  • 口コミで商品・ブランドを拡散してもらえる など

ロイヤルティの高いファンを多く獲得すると、さらに多くの顧客を呼び込んでくれるため、認知度の拡大や安定的な売上や収益を見込むことが可能です。

純粋想起(再生)のまとめ

純粋想起(再生)とは、ブランドの認知度調査において、具体的な名称や画像、選択肢などを与えずに、自由回答形式で回答してもらう方法です。純粋想起(再生)を高めると、価格競争からの離脱や利益率の向上などの効果を得られます。

純粋想起(再生)を高めるには、SNSや広告を活用して商品・ブランドの露出を増やすことも大切ですが、定期的にブランド認知度調査を行ってそのやり方が本当に効果的なのか調査することも大切です。