セーブ・ザ・チルドレンのアドボカシー活動と露出事例

セーブザチルドレンのQiQUMO活用事例

今回は公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン様(以下、敬称略セーブ・ザ・チルドレン)のアドボカシー(社会啓発や政策提言)活動において、『QiQUMO』のアンケート調査を活用いただいた活動の事例を紹介します。

その活動において、調査結果が下記のように波及した事例を紹介します。

  • HPに掲載した調査結果が40を超える媒体に取り上げられた
  • 国会や区議会などで子どもの権利に関する教員への研修状況に関する質疑応答が交わされた
  • 地方自治体で子どもの権利に関する教育を促進するために情報利用の相談が継続的に寄せられている
  • 国会議員にイスラエル・パレスチナの紛争に関する提言を伝えるきっかけになった
  • 自民党の国際協力調査会で提言を発表する機会を得た

アドボカシー(社会啓発や政策提言)活動の意義

セーブ・ザ・チルドレンは世界約120ヶ国で子どもたちへの支援を行う国際NGOです。子どもたちに対して保健・栄養、教育などの分野での支援活動や、自然災害や紛争における緊急・人道支援も実施しています。

子ども支援の活動として、例えば緊急事態において食料、衣類、医薬品など必要な「物」を供給したり、教員や保健ワーカーなど地域の人材を育成するなどの支援は、直接的な支援として重要です。

ただし長期的・根本的な課題解決のためには、問題が発生する構造自体を変える必要があり、その目的で行われるアドボカシー(政府・自治体などへの政策提言や社会全体への啓発)の活動もセーブ・ザ・チルドレンの重要な取り組みとなっています。

アドボカシーの活動は、政策に関わることなので簡単に結果が出るものではないですが、近年では、ODA(政府開発援助)の拠出先としてウクライナの子どもたちの教育支援が選ばれたり、日本のこども基本法の中に子どもの権利に関する文言が明記されるなど、活動の成果が表れています。  

セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンのウェブアンケート活用事例

セーブ・ザ・チルドレンがアドボカシー活動の一環で世の中の人々の声を集めるために、WebアンケートツールQiQUMOを利用しています。具体的なアンケート事例を取り上げ、その結果と波及効果について紹介します。

アンケート調査事例1

学校生活と子どもの権利に関する教員向けアンケート調査

調査対象:小学校、中学校、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、外国人学校の教員

調査地域:47都道府県

調査対象:「QiQUMO」提携先会員の教員による任意回答

実施期間:2022年3月11日~3月14日

有効回答数:468人

アンケートの詳細についてはこちらからご確認ください

子どもの権利条約が定める子どもの権利に関する教職員の理解度や現場での実践度についての調査が行われました。この調査の結果、次のような現状が明らかになりました。

  • 子どもの権利を「全く知らない」、「名前だけ知っている」と答えた教員は合わせて30%となった
  • 子どもたちに子どもの権利を伝えるため学級で行っている取り組みについて、直近1年間では「特に取り組みはしていない」と教員の47%が回答した
学校生活と子どもの権利に関する教員向けアンケート調査
学校生活と 子どもの権利に関する 教員向けアンケート 調査結果 公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン アドボカシー部

この調査結果は団体ウェブサイトで公開され、公開後約半年で把握しているだけでも延べ47媒体の記事掲載に結びつき、子どもの権利についての理解関心や教育現場への浸透がまだまだ行われていない、という問題提起が広範囲に伝わりました。

通常国会や区議会などの議員質問でも取り上げられ、調査の内容をもとに子どもの権利について教員への教育や研修の必要性について討議されることにつながりました。

国として実態把握すべきテーマに、現場の実体験からくる問題意識と調査によるファクトデータを付与して情報提供できたことで、国会議員にも関心を持っていただけたのではないでしょうか。「全国の教育庁・教育委員会の協力があれば、より正確な実態が見えるので、国としても動いていただきたい」という働きかけにも調査結果を活用しているそうです。

また、調査結果の公開から2年近く経つ現在も、子どもの権利に関しての教育に取り組んでいる自治体から、『県内の学校に、「人権教育に取り組む必要がある」ということを伝えるための参考データとして活用して良いか』という問い合わせが引き続き寄せられているそうです。

教職課程や教員着任後の研修の中にどのように盛り込んでいくべきかということを自治体と学校が一体となって考える必要があり、教員の理解度や現場の実践意識の現状を伝えるために活用されているようです。

アンケート調査事例2

イスラエル・パレスチナ(ガザ地区)の紛争に関する12,000人意識調査

目的:イスラエルとパレスチナ(ガザ地区)の紛争について日本国内の子どもを含む一般の市民の意識を明らかにすること

対象:47都道府県在住の、15歳以上の12,000人

実施期間:2023年11月22日(水)~11月23日(木)

調査対象:「QiQUMO」提携先会員による任意回答

有効回答数:12,000人(内訳:15歳~19歳1,000人、20代~60代は年代ごとに2,000人、70歳以上1,000人)

アンケートの詳細についてはこちらからご確認ください

この調査からは下記のような結果が出ました。

  • 「一刻も早い停戦を求め、外交を強化すること」を1位に選択した人が4割を超えた
  • 「イスラエルとパレスチナ間の問題について、あなたの気持ちを自由に聴かせてください」という質問に対する回答から頻出単語(名詞・形容詞)を抽出したところ「停戦」が最頻出ワードとして浮かび上がった
  • 世界の紛争の減少に向けた、日本政府への期待としては、「平和のための外交努力を強化する」(35%)が最も多く、「政府開発援助(ODA)のうち、人道支援、貧困削減、保健・教育など平和や安定に資する支援を強化する」が25%となった
イスラエル・パレスチナ(ガザ地区)の紛争に関する12,000人意識調査
調査結果
イスラエル・パレスチナ(ガザ地区)の紛争に関する12,000人意識調査 調査結果

この調査結果をもとにセーブ・ザ・チルドレンは、「日本の外交として一刻も早い停戦を求めて、外交を強化してほしい」、「戦闘休止に向かうような外交方針を取ってほしい」ということを、「市民の意識がここにある」とデータを示しつつ、提言しました。

この12,000人の市民の意識調査結果と提言について、自民党の国際協力調査会で発表する機会を得られました。この調査内容や提言について国会議員がSNSで発信したことからも、一定の賛同を得られた感触があったということです。

同調査会の決議には、「(戦闘の)人道的休止について、早急かつ確実に実施していくため、関係者への働きかけなど最大限の外交努力を積極的に続けていく」ことが盛り込まれ、首相及び外務大臣に手交されました。

アドボカシー活動では、国会議員に直接面会を依頼することが多いですが、議員の中にもエビデンスに基づいて方針や政策を作ろうという主義の方は少なくないとのこと。そのような議員には、当該事案やテーマに詳しい有識者の意見だけでなく、一般人の声を集めた調査データが重宝されます。他の議員を巻き込んで議論の場を広げる際にも問題や課題の根拠となるデータがあることは強みになるようです。

ウェブアンケート実施によるメディア露出効果

QiQUMOを利用したセーブ・ザ・チルドレンの調査は、その目的である社会啓発や政策提言につながる成果として、プレスリリースが複数のメディアにも取り上げられました。事例で紹介した調査について、メディア掲載実績を一部紹介します。

NIKKEI COMPASS
学校生活と子どもの権利に関する教員向けアンケート調査:子どもの権利を「名前だけ知っている」「まったく知らない」教員が3割、学校で子どもの権利教育を特に行っていないとの回答も約半数
2022年4月19日
ICT 教育ニュース
子どもの権利、「内容までよく知っている」教員は約5人に1人=セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン調べ=
2022年4月20日
朝日新聞デジタル
子どもの権利は義務とセット? 教員に尋ねた結果は 国際NGO調査
2022年7月4日

QiQUMOについてのご評価

セーブ・ザ・チルドレンの担当者様より、QiQUMOの利用に関して下記のようなご評価をいただいています。

短期間で12,000人の声を集めることができ、タイムリーな提言活動につながりました。この度のイスラエル・パレスチナの紛争については、とにかくスピーディに議員に世論情報の提供と要望伝達を行いたかったため、数日で調査作成から回答回収まで実施できたことはとても助かりました。自民党の国際協力調査会の開催にも間に合い、この調査結果を発表できました

子どもの権利に関する調査は、教員に対するものでした。なかなか回収を集めにくい対象者ですが500名規模でのアンケート回収ができたため、国会議員、文科省、教育委員会の方々にも興味をもっていただけました。政策・方針や社会背景について市民がどういうふうに感じているのかという数字は別途調査をしないと見えてこないものです。活動を通じて理解している課題意識を数字とセットでお伝えをすることで政策提言につなげやすくなります

NGOやNPOでは、国会議員、省庁、自治体または、報道機関を含む社会全体などへの働きかけを行う際に、国民・市民がどのように感じているのかという実態データが有効であるということでした。

限られた予算の中で活動する団体では特に、低価格で活用できるQiQUMOをご活用いただくことで、貢献できるシーンは多いのではないでしょうか。 なお、NGOやNPOに限らず一般企業でも同様に、新規顧客向けの営業シーンでのドアノックの情報提供、既存顧客フォローなどにも活用いただいております。

QiQUMOの会員登録