カテゴリー尺度法とは|簡単解説
カテゴリー尺度法のカンタン語句解説
カテゴリー尺度法とは、選択肢の中から回答者自身の意見に最も近いものを選択して回答してもらう手法です。数量的に表すのが難しい態度や気分、価値観などを測定する項目に対して用いられます。評定尺度表や評定法とも言われます。
カテゴリー尺度法の詳細解説
カテゴリー尺度法は、数量的に表すのが難しい態度や気分、価値観などを測定する際に用いられる手法です。
たとえば、あるものや意見に対して「非常に良い」「かなり良い」「やや良い」「良くも悪くもない」「やや悪い」「かなり悪い」「非常に悪い」などの選択肢を用意し、回答者に最も自身の意見と近いものを選んでもらいます。
選択肢の数は、中立の選択肢を組み込んだ「5段階」と「7段階」が一般的で、まれに9段階が用いられることもあります。
3つの特徴
カテゴリー尺度法の特徴は以下の3つです。
- 回答者の集中力を保てる
- 応用可能性が広い
- 中立の立場の把握ができる
カテゴリー尺度法は、中立的な立場をアンケートに反映することができ、回答者の負担を減らせます。効率的で時間の調整ができるうえ、アンケートの離脱率低下にもつながるでしょう。
注意点
カテゴリー尺度法の注意点は以下の3つです。
- 中立的な項目に回答が集中する可能性がある
- 分析がしにくい
- 解釈がしにくい
「どちらともいえない」のような中立的な項目を設置すると、その中立的な項目に回答が集中する可能性があります。
中立的な項目に回答が集まってしまうと、「良い・悪い」や「上がった・下がった」などのわかりやすい結果にはつながりません。
また、「どちらともいえない」に回答する意図として、必ずしも中立的な立場を示しているかと言えばそうではありません。「設問の内容自体がわからない」という意味で中立的な回答を選ぶケースもあり、解釈がしにくい場合にあります。
活用場面
カテゴリー尺度法がよく使用されている場面は、「顧客満足度調査(CS調査)」や「従業員満足度調査(ES調査)」です。
顧客満足度調査は、自社の新商品・サービスに対する顧客の率直な感想を尋ねる調査で、従業員満足度調査は、従業員に対して行われる自社に対する満足度を調べる調査です。
満足度を尋ねる際に、「満足」「やや満足」「どちらともいえない」「やや不満足」「不満足」のようなカテゴリー尺度法が用いられます。
アンケートにカテゴリー尺度法を用いる際のポイント
アンケートにカテゴリー尺度法を用いる際のポイントは以下の3つです。
1.質問が抽象的にならないように注意する
抽象的な質問とは、たとえば「料理には満足できましたか?」のようなものです。
「満足」の定義は人によって異なり、料理がおいしいと思って「満足」と回答する方や、スタッフのサービス込みで「満足」と回答する方がいます。
そのため、聞きたかった「満足」と回答してもらった「満足」に差が生じてしまう可能性も。
「味の濃さはどうでしたか?」や「温度はどうでしたか?」など、質問を細分化すると希望している回答を得られやすくなります。
2.設問数が多くなりすぎないように調整する
質問を細分化すると、自然と設問数が多くなる傾向にあります。
設問数が多くなると、途中離脱や無回答につながりやすくなってしまうため設問数の調整が必要です。
おおよその所要時間を記載しておくと、回答にどれくらいの手間がかかるのかを回答者が把握できるため、回答率の向上につながります。
3.1つの項目につき質問は1つまで
同じ質問文に2つ以上の要素を入れないよう注意しましょう。
1つの質問文の中で複数の内容を問うことを「ダブルバーレル」と言い、回答者がどちらの質問に回答したらよいか迷ってしまいます。
たとえば、「スープは温度がちょうどよくておいしかったですか?」の質問文には、「温度がちょうどいい」と「おいしかった」の2つの要素が入っています。この場合は、温度とおいしさの2つにわけて聞くのがおすすめです。
カテゴリー尺度法のまとめ
カテゴリー尺度法は、数量的に表すのが難しい態度や気分、価値観などを測定する際に用いられる手法です。
選択肢の中から回答者自身の意見に最も近いものを選択して回答してもらうため、回答者の集中力が途切れにくかったり中立の立場の把握ができたりするなどのメリットがあります。
顧客満足度調査や、従業員満足度調査などのアンケート調査にカテゴリー尺度法を用いる場合の注意点として紹介したのは、以下の3点です。
- 質問が抽象的にならないように注意する
- 設問数が多くなりすぎないように注意する
- ひとつの項目に対して質問はひとつにする
定量的な回答が難しいアンケートを実施する際には、注意点を守ったカテゴリー尺度法を利用してみてください。
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