人事労務系SaaSがリニューアル効果をQiQUMOで可視化。ユーザーの“本音”を製品改善に活かした事例

勤怠管理やワークフロー申請、社員データの一元管理など、日常業務の要となるSaaSプロダクトにとって、UI・UXの改善は顧客体験を左右する重要なテーマです。

クラウド型業務管理ツールを提供するJC社では、社内申請や打刻管理、給与連携までを一貫して行えるサービスのUIを全面リニューアル。

しかし、新UI導入後、「本当に使いやすくなったのか」「現場ユーザーはどう感じているのか」といった疑問が残り、社内では“感覚ではなく、定量データでの評価が必要だ”という声が高まりました。

この課題に応えるかたちで導入されたのが、セルフ型Webアンケートツール「QiQUMO(キクモ)」です。

旧UI・新UIの両方を経験した既存顧客を対象にアンケートを実施し、満足度や使い勝手の変化を数値と自由回答の両面から可視化。得られたデータは社内レポートへ即時反映され、製品チームがスピーディーに改善判断を行える仕組みへとつながりました。

本記事では、JC社がQiQUMOをどう活用し、どのような改善に結びつけたのかをご紹介します。

リニューアルの“感覚評価”をデータで裏付けたい──調査実施の背景

JC社がQiQUMOを導入するに至った背景には、リニューアル後に寄せられた社内外からの声がありました。「見た目は刷新されたが、業務効率は本当に向上しているのか?」という疑問が、PM(プロダクトマネージャー)やCS(カスタマーサクセス)チーム内で共通の関心事項となっていたのです。

SaaSはその特性上、契約継続率やユーザーからの口コミがプロダクト評価に直結します。そのため、社内の主観だけに頼るのではなく、ユーザーの実感を数値化し、プロダクトの改善に活かしたいという明確な目的がありました。

さらに今回は、定量的な設問だけでなく、自由記述でリアルな声も集めたかったことから、柔軟な設問設計が可能で、スピーディーに配信・集計できるQiQUMOの導入が決定されたのです。

設問構成と配信対象──UI変更前後の“違い”を徹底比較

調査対象は、旧UI時代からサービスを継続利用し、新UIも一定期間利用している顧客1,000名。調査期間は1週間。以下のような構成で調査が行われました。

人事労務SaaSの設問例

【単一選択】旧バージョンと新バージョンのどちらを使いやすいと感じますか?

  • 旧バージョン
  • 新バージョン
  • どちらともいえない

【マトリクス設問】以下の項目について、旧・新それぞれの評価を1〜5点でお答えください。

  • 操作の直感性
  • ページ表示速度
  • 機能アクセスのしやすさ
  • 画面の見やすさ

【数値入力】新バージョンで顧客対応のスピードが向上したと感じた件数を、平均でご記入ください。


【自由記述】新UIに対して感じた不満や改善してほしい点があればご記入ください。

このように、感覚的な使いやすさの評価に加え、業務面の効果や具体的な不満点も拾えるよう構成。主観・客観の両面をバランスよく捉える設計としています。

定量+定性で“期待とギャップ”が見えた

調査結果から見えてきたのは、予想通りのポジティブな評価だけではありませんでした。

主な調査結果(抜粋)

  • 「新UIの方が使いやすい」と回答した割合は58%。一方、「どちらともいえない」「旧の方が良い」とする声も42%に。
  • マトリクス評価:操作の直感性(旧:3.1、新:4.0)、ページ表示速度(旧:3.8、新:3.5)、機能アクセスのしやすさ(旧:3.2、新:3.9)、画面の見やすさ(旧:3.0、新:4.3)
  • 数値回答:新UIにより、週あたり平均4.6件の顧客対応が迅速化されたとの回答あり。
  • 自由入力より:

 「デザインは洗練されたが、導線が分かりづらくなった」

 「チャット入力欄が狭く、対応中にストレスを感じる」

 「一覧画面でのフィルター保存ができず困っている」といった意見が寄せられました。

こうした結果から、「見た目の向上」は一定の評価を得ていた一方で、「業務効率」や「細かな使い勝手」に関してはまだ改善の余地があることが明らかになったのです。

QiQUMO活用のポイント──“改善すべき点”を素早く共有・実装へ

今回の調査において、QiQUMOの活用で特に有効だったと感じたポイントは次の3点です。

① マトリクス設問でUI変化の影響を一目で比較

旧・新UIの評価を1画面で並列比較できたことで、「操作性は向上したが、表示速度が落ちた」といった相反する傾向が視覚的に把握できました。このフォーマットがあったことで、PM・デザイナー・エンジニアの間で認識を合わせやすくなりました。

② 自由記述の“生の声”を即座にフィードバック

QiQUMOから出力したCSVデータをもとに、自由回答の中から「検索しにくい」「フィルター」「チャット表示」など頻出するキーワードをタグ化。Slackで一覧を共有すると、「これ自分も感じていた」といった反応がチーム内で広がり、改善の優先度決定がスムーズに進みました。

③ アンケートから改善提案まで、1ヶ月以内で完了

設問設計・配信・回収・集計・レポート作成までがすべて社内で完結できるため、データ取得から改善提案の提示までが3週間以内で完了。以前は1ヶ月以上かかっていた調査と比べて、意思決定までのスピードが飛躍的に向上しました。

QiQUMOなら、アンケート設計~配信~集計~レポート作成までをすべて社内でセルフ完結できるため、フィードバック収集からUI改善提案までを約3週間で完了。以前は調査とレポートだけで1ヶ月以上かかっていたことを考えると、圧倒的な機動力アップとなりました。

調査結果から導かれた改善策 ~UI改善と業務効率化を実現する具体施策~

アンケート実施後、QiQUMOの自動レポートをもとに収集データを分析し、UI改善後の評価項目ごとの課題を抽出。ユーザーからの定量・定性フィードバックをもとに、改善アクションの優先順位を策定しました。以下では、主な調査結果と対応施策を紹介します。

JC社・UIリニューアル調査結果のポイント

新UI満足度:58%が「新UIの方が使いやすい」と回答

「どちらともいえない」「旧の方が良い」合計:42%

マトリクス平均スコア(5点満点)

操作の直感性:旧 3.1 → 新 4.0

ページ表示速度:旧 3.8 → 新 3.5

機能アクセスのしやすさ:旧 3.2 → 新 3.9

画面の見やすさ:旧 3.0 → 新 4.3

数値入力(業務効率化実感値):新UIで対応件数平均4.6件増

自由記述キーワード抜粋:

チャット欄が狭くて打ちづらい

検索フィルター機能がなくなって困っている

アイコンは洗練されたけれど場所がわかりにくい

一覧表示に慣れていたので使い方に迷った

表示速度とチャットUIの見直しで、現場のストレスを軽減

QiQUMOのマトリクス設問で「ページ表示速度」が唯一スコア低下したことを受け、社内で表示ロジックの再点検を実施。加えて、自由入力で頻出した「チャット欄の使いづらさ」も改善項目として着手しました。

  • JavaScriptの描画負荷を軽減し、体感速度を旧バージョンと同等水準に調整
  • チャット欄の入力エリアを1.5倍に拡張し、スクロール不要な設計へ
  • 会話履歴の保存・呼び出し機能を再実装し、やりとりの連続性を確保

再調査では、チャット画面に関する不満件数が前回比60%減少。サポート部門でも「返信がしやすくなった」との声が多く寄せられました。

機能アクセス性を再設計し、迷わない導線へ

「機能アクセスのしやすさ」についてはスコアが改善した一方、「場所がわかりづらい」「一覧画面での操作に迷う」という声も見られました。

  • アイコン配置の再調整:利用頻度の高い項目をファーストビューに集約
  • 検索フィルター保存機能を復活させ、以前の使い勝手を再現
  • ヘルプボタンから、操作マニュアルへの導線を1クリックに短縮

これにより、新UIに戸惑っていたユーザーの操作習熟が早まり、オンボーディングにかかる工数も削減されました。

自由回答の“声”を可視化し、PM・開発チームと即時共有

QiQUMOのCSV出力を活用し、自由回答の中から特に多かったキーワード(例:「検索」「チャット」「フィルター」)を自動分類。Slackチャネルで開発チームとリアルタイム共有し、週次スプリントで対応を検討するフローを構築しました。

  • 「検索しづらい」というワードは40件超。デフォルト並び順の見直しを即決
  • 「フィルターがないと困る」という声から、翌週に保存機能の再実装を開始
  • 「チャット表示が見づらい」の指摘をUIデザイナーが即日反映

このプロセスにより、「気になっていたけど声にしづらかった課題」が表出しやすくなり、ユーザーとの距離も近づいたと社内で評価されています。

今後の活用構想──小規模ABテストやNPS調査にも

今回の成功体験を受けて、JC社の製品チームでは今後、QiQUMOをバナーや機能テストのAB調査に応用していく予定です。NPS(ネットプロモータースコア)調査の定期配信も検討されており、プロダクト全体の満足度管理の仕組みに広げていく方針も見えています。

また、CSチームでは問い合わせ対応後の簡易アンケートにもQiQUMOを活用し、UI以外の体験設計にも改善の手を広げたいと考えているそうです。

QiQUMOによるユーザー満足度調査で実現する、SaaSプロダクト運営の進化

JC社では、クラウド型業務管理ツールにおいてQiQUMOを活用し、「UI改善の効果検証」「操作性の実感値」「自由入力の本音」を組み合わせたアンケートを実施しました。

操作性や表示速度、機能アクセス、画面の見やすさといった複数の観点を定量的に評価し、自由記述から不満や要望も拾い上げることで、開発・CS・デザインの各チームが改善施策へとつなげるPDCAサイクルを加速させています。

  • 表示速度の最適化:JavaScript描画処理を見直し、「ページ表示速度」評価を安定化
  • チャット欄のUI調整:入力エリアの拡張とスクロールレス化により、ストレス低減
  • 機能導線の整理:頻出機能の再配置とフィルター保存機能の復活で、業務効率が向上
  • 意見集約プロセス:自由記述をCSV出力し、チーム内で即時共有。反映までのスピードが大幅に短縮

QiQUMOの「自動レポートによる傾向可視化」「マトリクス設問での旧・新比較」「自由記述からのキーワード抽出とSlack共有」は、SaaS企業が抱えるUI改善やユーザー体験の課題をいち早く明らかにし、的確な改修提案の足がかりを提供しています。

もし貴社でも「リニューアルの成果を数字で証明したい」「ユーザーの声を定期的に拾い上げたい」とお考えなら、QiQUMOの導入をご検討ください。声を聞き、改善を重ねることで、ユーザーが安心して使い続けられるサービスへと育てていくことができるはずです。