「常連客はどのメニューを支持し、新規客は何をきっかけに来店しているのか?」を正確に把握することは、地域密着型の飲食店運営において極めて重要です。
地域密着で4店舗の飲食店を展開するR社では、店舗ごとの客層の違いやメニューに対する生の声を定量的に把握し、販促施策の精度を高めるため、セルフ型アンケートツール「QiQUMO(キクモ)」を導入されました。
卓上にQRコードを設置し、注文の待ち時間や食後にスマートフォンから手軽に回答できる仕組みを構築することで、月間数百件にのぼる「お客様のリアルな声」の収集に成功されました。
本記事では、R社がどのような設問を設計し、得られたデータをどう店舗運営や新メニュー開発に活かしたのか、その具体的な取り組みをご紹介します。
地方で複数店舗を運営する飲食店にとって、最大の課題は「店舗ごとの顧客属性の差」と「感覚に頼った店舗運営」からの脱却です。R社でも、店長の経験や勘に頼ったメニュー変更が行われており、なぜ特定の店舗だけ客足が落ちているのか、明確な理由を特定できずにいました。
これまでは、スタッフがお客様と会話した際の内容を日報で共有していましたが、どうしても主観的な情報に偏り、全店舗共通の課題なのか、その店舗固有の事象なのかを判断する材料が不足していました。
以前は紙のアンケートを実施していましたが、記入の手間や回収・集計のタイムラグが大きく、分析結果が出る頃には顧客のトレンドが変わっているという問題がありました。
近隣に大手チェーンが出店する中、自社の強みが「味」なのか「接客」なのか、あるいは「地域性」なのかを客観的な数値で把握し、戦略的な販促を打つ必要性に迫られていました。
R社では、お客様が自分のスマホで回答できる手軽さと、管理画面ですぐに結果を確認できるリアルタイム性を評価し、QiQUMOを導入。来店客がストレスなく回答できるよう、以下の5つの設問を中心に設計されました。
【複数選択】本日のご来店動機を教えてください(あてはまるものすべて)
友人・知人の紹介
SNS(Instagram/X)を見て
通りがかり
以前利用して良かった
クーポンを利用したかった
【均等尺度】本日お召し上がりいただいたお料理の味はいかがでしたか?
1(非常に不満) 〜 7 (非常に満足)
【単一選択マトリクス】以下の項目について、本日の満足度を教えてください
料理の提供スピード
スタッフの接客態度
店内の清掃・雰囲気
価格への納得感
【単一選択】次回もまた当店を利用したいと思われますか?
はい
いいえ
わからない
【自由入力(複数行)】メニューに関するご要望や、改善してほしい点があればご自由にご記入ください。
QiQUMOの導入により、全4店舗で月間合計450件以上の回答がリアルタイムに蓄積されました。自動で生成されるグラフにより、各店舗の強みと弱みが一目で判明しました。
調査結果では、A店は「SNSを見て」という新規客が50%を超える一方、B店は「以前利用して良かった」というリピーターが70%を占めるなど、店舗ごとの明確な客層の違いがデータとして可視化されました。
マトリクス評価において、ランチタイムの満足度が極端に低い店舗があることが発覚。自由回答を詳しく確認したところ、「お昼休みに利用したが、提供まで20分以上かかった」というキーワードが複数抽出されました。
均等尺度による味の評価は高いものの、マトリクス評価での「価格への納得感」が低い特定メニューがあることが分かりました。これは、ボリューム感や盛り付けに対する期待値とのギャップがあることを示唆していました。
可視化されたデータに基づき、R社では「スピード改善」「メニューの再設計」「SNS戦略の最適化」という3つの具体的施策を、調査開始からわずか2週間で実行に移しました。
提供スピードの評価が低かった店舗に対し、ランチメニューを絞り込み、仕込み工程を見直すことで提供時間を平均8分短縮。その後のアンケートでは、提供スピードの満足度スコアが大幅に改善されました。
「価格納得感」が低かったメニューについて、味の評価は高かったため、地元産の野菜を添えるなど視覚的なバリューをアップ。単なる値下げではなく、納得感を高める演出に変更したことで、注文数は維持したまま顧客満足度を引き上げました。
新規客が多いA店にはSNSフォロー特典を、リピーターが多いB店には次回来店時に使えるポイント付与など、QiQUMOで判明した客層に合わせた個別店舗の販促キャンペーンを展開しました。
R社では、今回の成果を受けてQiQUMOを「経営の羅針盤」として位置づけ、全店舗での常設運用を継続しています。今後はさらに活用範囲を広げ、攻めの店舗運営を目指されています。
季節限定メニューを導入する際、最初の3日間でQiQUMOによる集中調査を実施し、お客様の反応を即座に確認。評価が低い場合は、盛り付けや味付けを即座に微調整するサイクルを確立されます。
満足度スコアの高い店舗の取り組み(接客の工夫など)をデータと共に全社で共有し、グループ全体のサービスレベルの底上げを図る社内教育ツールとしても活用していく予定です。
地域の祭事やイベント時の客層の変化を捉えるため、特定の期間だけ設問を変更するなどの柔軟な運用を行い、地域のニーズに寄り添った店舗づくりを加速させていかれます。
R社は、地方の多店舗展開という難しい状況下で、QiQUMOを活用して「お客様のいまの気持ち」を数値化し、迅速な店舗改善へと繋げました。
顧客属性の解像度向上: 店舗ごとの来店動機を複数選択で把握し、最適な販促を打つことが可能に。
課題の早期発見と即時改善: マトリクス評価と自由回答を連動させ、オペレーションやメニューの不備を現場へ即フィードバック。
納得感のある価格設計: 均等尺度による味の評価と価格評価を比較し、顧客が「適正」と感じるサービスレベルを特定。
「お客様が何を感じているか」をリアルタイムで把握できるQiQUMOの機能は、変化の激しい飲食業界において、他店との差別化を図るための強力な武器となります。現場の勘を「確信」に変え、データに基づいた持続可能な店舗運営を実現するための一歩を、ぜひ踏み出してください。