お金の使い方は聞きにくいテーマです。収入や支出を直接聞けば身構えられるし、答えも実態とずれます。ここで紹介する6本は、2026年にQiQUMOを使った調査のうち、消費行動やお金にまつわるものを集めました。
うまくいっているものには共通点があります。金額ではなく「感覚」や「行動」を聞いていることです。キャッシュレスで感覚が薄れるか、制度の見直しを知っているか、税率が変わったら外食は減るか。答えやすい問いに置き換えることで、結果として支出の話にたどり着いています。
各事例では調査結果に加えて、その数字を発表企業自身がどう読み解き、何を提案したのかを「発表企業の読み解き」としてまとめました。リンク先も、該当するリリースそのもののページに揃えています。
消費とお金をテーマにしたQiQUMO活用事例6選(2026年配信の調査リリース分析)
直接聞きにくいお金の話を「感覚」や「行動」に置き換えて本音を引き出す設問設計のコツ
キャッシュレス決済による「支出の実感の薄れ」や「美容室での決済ニーズ」に見る意識と実態のギャップ
高額療養費制度の見直しなど、時事テーマや制度改正の「認知度」を切り口にしたリサーチ手法
「食品の消費税0%で外食はどう変わるか」といった仮想シナリオを用いて行動変化を予測するアプローチ
各社の「発表企業の読み解き」から学ぶ、調査結果の数字を自社サービスや提案へ落とし込む論の運び方
2026.07.29
エリアリンク株式会社
不動産・トランクルーム「ハローストレージ」運営
絞り込み全国の20〜60代男女500名
調査概要:全国の20〜60代の男女500名を対象に、2026年6月23日にインターネット調査を実施(クロス・マーケティング QiQUMOを利用)。収納への不満と、その解消行動でつまずくポイントを聞いています。
調査結果:現在の収納スペースに不満がある人は58.8%(どちらかといえば不満36.2%+まったく不満22.6%)。収納の「高さ」を活用できていない人は53.0%にのぼり、「床に直置き」26.0%、「段ボールを積み重ねている」22.4%という実態が明らかに。
困りごとの最多は「奥に何を仕舞ったか分からなくなっている」35.4%でした。ラック使用率は17.8%にとどまり、設置を断念した理由は「設置作業が重労働」36.1%、「サイズの計測間違い」24.8%。「スペパ」の認知度は21.4%でした。
発表企業の読み解き:同社は、多くの人が収納の「高さ」を活かせず手狭さに悩む一方、自力でのラック導入にはサイズ計測や組み立ての面で大きな心理的・物理的ハードルがあることが浮き彫りになったと総括する。
さらに、スペース不足からくる床置き・山積みは出し入れを不便にするだけでなく、カビ発生リスクという衛生面の課題にもつながると指摘。限られた空間を有効活用する「スペパ」への関心が高まるなか、その解決策としてトランクルーム活用の動きが広がっているとし、空間をただ使うだけでなく「荷物に合わせてラックやケースを組み合わせ、上部空間まで無駄なく使い切ること」がこれからの収納改善の新常識になると位置づけた。
そのうえで、購入・組み立て・設置をワンストップで代行する自社の「ラック販売・組み立てサービス」を、重労働がなく通気性も確保できる解決策として提案している。
この業界で次に出すなら:
引っ越し時に「捨てられなかったモノ」と保管コストに関する調査
実家の片づけ・生前整理でつまずくポイントの実態調査
趣味のコレクションの保管場所に関する調査
2026.06.30
ステップ・アラウンド株式会社
店舗・EC事業者向け比較メディア「OREND」運営
絞り込み全国の20〜60代男女500名
調査概要:全国の20代から60代の男女500名を対象に、2026年6月にインターネット調査を実施(調査:QiQUMO)。店舗向けメディアの運営元が、あえて消費者側の心理を聞いた一本です。
調査結果:キャッシュレス決済で「お金を使った感覚が薄れる」と感じる人は58.4%(とても感じる21.4%+やや感じる37.0%)。明細や残高を見て想定より支出が多かった経験がある人も43.2%にのぼります。
支出が増えたと感じる決済方法は「クレジットカード」39.2%、「QRコード決済・スマホ決済」34.4%の順。年代別では50代の67.0%が最も強く感じており、若年層より高い結果でした。デジタルに慣れた世代ほど感覚が鈍る、という単純な図式ではないことが分かります。
発表企業の読み解き:OREND(ステップ・アラウンド)は、キャッシュレス決済は支払い時の実感が薄れやすく、1回数百円の少額決済でも回数が重なれば月間支出が大きくなると読み解く。
消費者には、利用明細やアプリ履歴を週1回・月数回などタイミングを決めて確認すること、月ごとの決済上限や生活費・食費の予算枠を決めること、コンビニ・カフェ・交通費など日常的な決済ほど履歴を確認すること、主に使う決済手段を絞って一元化することの4点を提案する。
一方、事業者に対しては「キャッシュレス対応は必須」とし、決済手段を充実させれば購入機会を逃しにくく高額決済にもつながると指摘。
さらに手段を増やすだけでなく、会計時の金額表示、レシートや利用控えの発行、決済完了画面の確認、POSレジ連携など、支払い内容を明確に伝え顧客が安心して支払える会計環境を整える必要があると結論づけている。
この業界で次に出すなら:
家計簿アプリの利用と支出把握度の関係に関する調査
現金派が現金を使い続ける理由に関する調査
ポイント還元が購買判断に与える影響の調査
2026.05.28
ステップ・アラウンド株式会社
店舗・EC事業者向け比較メディア「OREND」運営
絞り込み全国の15歳〜60代 500人(美容室の利用客)
調査概要:全国の15歳〜60代の500人を対象に、2026年5月にインターネット調査を実施(調査:QiQUMO)。タイトルは「美容室に導入すべき」と店舗向けですが、設問は「美容室でよく使う支払い方法」で、回答しているのは店舗オーナーではなく利用客です。
調査結果:美容室でよく使う支払い方法は「現金」49.6%が最多で、「クレジットカード」32.2%、「QRコード決済」11.2%と続きます。
ところが「使えると嬉しい」では「クレジットカード」46.0%、「QRコード決済」38.4%が上位に来ました。実際に使っているものと使いたいものの差が、そのまま店舗への提案材料になります。
客単価1万円〜2万円未満の層では58.6%がクレジットカードを利用。20代のQRコード決済利用は50.6%でした。
発表企業の読み解き:OREND(ステップ・アラウンド)は、美容室でよく使う支払い方法として現金が最多だった結果を、「現金だけで十分」という意味ではないと読み解く。
美容室では現金対応を前提としたうえで、キャッシュレス決済への対応が求められていると結論づけた。そのうえで開業時の導入順序として、現金対応を前提に、実際の利用率と顧客ニーズの両面で最も重要なクレジットカード決済を最優先で導入し、次にQRコード決済へ対応する形が望ましいと提言する。
クレジットカードは5,000円以上の支払いで利用が増えるため、高単価メニューを扱う美容室ほど導入メリットが大きいと指摘。QRコード決済は若年層や日常的にスマートフォン決済を利用する層への対応として有効とし、電子マネーやポイント払いは、導入する決済サービスの対応範囲や店舗のターゲット層に応じて追加検討する位置づけとしている。
この業界で次に出すなら:
飲食店・小売店での支払い方法の選択理由に関する調査
現金しか使えない店での来店をやめた経験に関する調査
美容室の予約から会計までの体験満足度に関する調査
2026.05.07
一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会(APSP)
エシカル消費・ソーシャルプロダクツ普及の業界団体
絞り込み全国10〜60代男女 各50名ずつ計600名
調査概要:全国の10代〜60代の男女を各50名ずつ、計600名を対象に、2025年8月1日〜2日にインターネット調査を実施(クロス・マーケティング「QiQUMO」を利用)。第15回を数える継続調査で、業界団体が定点観測として実施している例です。
調査結果:ソーシャルプロダクツの購入実績率は32.7%、購入意向率は52.5%と、実績と意向に20ポイント近い差があります。現在購入しているのは「エコ商品」21.8%、「オーガニック商品」14.0%が上位。
今後購入したい商品では「復興支援商品」32.0%、「寄付つき商品」30.0%が実績を上回りました。購入理由は「社会的課題の解決につながる」38.8%が1位。一方で「いかなる取り組みでも購入につながらない」層も29.3%存在します。
発表企業の読み解き:APSPは、購入率が購入意向率を下回る状態が続いていることを「行動と意識のギャップ」という課題として提示する。
そのうえで年代差を読み解き、若年層は家族・友人・ペットと過ごす特別な時間などの「コト消費」としてソーシャルプロダクツを選び、責任ある消費を志向する価値観を周囲と共有したり、そこに自分らしさを見出したりする傾向があると分析。
関心のある社会問題の解決に参加できるきっかけを提供すれば購入意欲を喚起でき、そのためのコスト負担も少なからず受け入れられるとした。
一方、中高年層は日常生活の延長かつ無理のない範囲で「プチ貢献」感覚で購入しており、コスト負担に敏感なため、取り組みのコストを商品価格に転嫁しすぎない工夫と、社会的価値の適切なコミュニケーションが重要だと提言。こうした年代ごとの違いが意識と行動のギャップを埋めるヒントになるとまとめている。
この業界で次に出すなら:
エシカル表示・認証マークの認知度と信頼度に関する調査
寄付つき商品の寄付先をどこまで確認しているかの調査
値上げ局面でのエシカル消費の優先順位に関する調査
2026.04.24
株式会社モニクルフィナンシャル
金融・保険/「マネイロ」「ほけんのコスパ」運営
絞り込み全国20歳以上の男女700名
調査概要:20歳以上の男女700名を対象に、2026年3月9日〜15日にインターネット調査を実施(クロス・マーケティング QiQUMOを利用)。制度改正という時事テーマに合わせ、認知度と実際の負担感を同時に測っています。
調査結果:高額療養費制度の見直しそのものを知らない人は62.2%。自己負担上限額を正確に把握している人は11.6%にとどまりました。
医療費への不安が大きくなった人は55.8%で、理由は「物価高騰など家計負担」47.4%、「具体的な自己負担額が不明」47.2%がほぼ並びます。
過去に制度を利用した人の68.1%は支払いに負担や不安を感じており、財源は「預貯金で対応」70.7%が最多。52.9%が「貯蓄切り崩し・生活が苦しくなる」レベルの影響を予測しています。
発表企業の読み解き:ほけんのコスパは、6割以上が制度見直しを知らず、自己負担上限額を知る人も1割にとどまる現状を、「自分たちを守ってくれるかもしれない保障がどうなっているのかも、保障が小さくなろうとしていることも正しく把握しきれていない」と読み解く。
不安の根本原因は制度そのものへの不満というより、インフレによる家計のゆとりの減少と、自身の将来の支出額が把握できない「見通しの立たなさ」にあると分析。過去にいくら負担したか明確な基準を持たない人が約3割いることが、その心理に直結しているとも指摘する。
そのうえで、万が一のとき貯蓄を減らさず治療に専念するには公的保障をベースに足りない部分を民間の医療保険でカバーする必要があるとし、まず加入中の保険の中身を確認し、今の医療事情に適しているかを制度改定を機に見直すよう勧めている。
この業界で次に出すなら:
公的保険でどこまで賄えるかの理解度に関する調査
医療費の備えを預貯金と保険でどう分けているかの調査
制度改正のニュースをどこで知ったかの情報接触調査
2026.03.24
ステップ・アラウンド株式会社
店舗・EC事業者向け比較メディア「OREND」運営
絞り込み全国の男女500名(うち週1回以上の外食層を別集計)
調査概要:全国の男女500名を対象に、2026年3月にインターネット調査を実施(調査:QiQUMO)。議論されている食品の消費税0%という制度の仮定を置き、行動がどう変わるかを聞いた仮想シナリオ型の調査です。外食頻度が高い層を別集計しています。
調査結果:外食回数は「ほとんど変わらない」47.8%が最多で、減る計31.2%、増える計8.8%。外食頻度が高い層でも変わらない51.0%が過半でした。
外食支出は「ほとんど変わらない」58.0%とさらに動きません。店選びで重視するのは「味が良い」35.4%、「価格が安い」26.2%、「コスパ」26.0%の順で、外食頻度が高い層では「味が良い」が50.3%に跳ね上がります。外食の代わりに増える食事スタイルは「自炊」40.6%が1位でした。
発表企業の読み解き:OREND(ステップ・アラウンド)は、食品の消費税が0%になった場合、外食回数については約3割が「減る」と回答しており外食利用の減少傾向が一定程度見られる一方、外食にかける支出は「変わらない」が58.0%と過半数を占め、利用頻度ほど大きな変化は見られないと読み解く。
外食が減少した場合の代替行動は「自炊」が40.6%で最も多く、惣菜や弁当などを含めた内食へのシフトが中心で、テイクアウトやデリバリーといった外食サービスの代替利用は限定的にとどまると分析する。
結論として、食品の消費税0%は外食回数の減少と内食へのシフトを通じて外食需要を一定程度縮小させる可能性がある一方で、外食はより選択的な消費へと変化し、質を重視する利用へと移行していく可能性が示唆されるとまとめている。
この業界で次に出すなら:
値上げ後に買う量を減らした食品カテゴリに関する調査
外食を控えたときに代わりに選ぶ手段に関する調査
制度変更の仮定に対する消費者の反応の測り方に関する調査
6本を並べると、聞き方の工夫が見えてきます。
ステップ・アラウンドは支出額ではなく「お金を使った感覚が薄れるか」を聞き、58.4%という数字を得ました。しかも年代別に割ると50代が67.0%で最も高く、若年層より上でした。「デジタルに慣れていない世代ほど感覚が鈍る」という思い込みが崩れる瞬間です。
モニクルフィナンシャルは制度改正という時事に乗せ、認知度62.2%という数字で記事化の入口を作りました。同社は仮定を置いた質問も使っており、消費税0%という起きていない前提でも行動意向は測れます。自社の顧客がお金を出す直前に、何を考えているか。そこを一問に置き換えてみてください。
数字を出したあとに、自社の言葉でその意味づけまで示せているか。各事例の「発表企業の読み解き」は、そこを見るための欄です。
A. 金額そのものを直接尋ねるのではなく、「感覚」や「具体的な行動」に置き換えて質問することが効果的です。たとえば「キャッシュレス決済でお金を使った感覚が薄れるか」「想定より支出が多かった経験があるか」のように、日常の実感を聞く設計にすることで回答者の心理的ハードルを下げ、実態に即したデータを引き出すことができます。
A. まずは「制度や改定内容を知っているか」という認知度から尋ねる構成にすることです。実際には「6割以上が制度の見直しを知らない」といった認知の空白が浮き彫りになるケースが多く、それ自体が社会的なニュース価値を持ちます。その上で「将来の支出への不安」や「自己負担額の把握状況」を聞くことで、自社の金融商品や見直し相談などの提案へ自然につなげられます。
A. はい、「もし〇〇になったら行動はどう変わるか」という仮想シナリオ(仮定の条件)を設問に設定することで可能です。外食の頻度や利用金額、代替となる選択肢(自炊など)を具体的に提示して意向を聞くことで、環境変化に伴う市場の動向やニーズのシフトを先回りして予測し、自社の施策や対外的な提言に活かすことができます。
各事例のリンク先は、その調査の該当プレスリリースページです。利用企業の自社サイトに個別ページがある場合はそちらを、ない場合は配信元(PR TIMES/@Press)の該当リリースページを指しています。「発表企業の読み解き」は各社がリリース内で示している解説・提案を要約したもので、数値はすべて各社の公表値に基づいています。